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白血病など血液のがん―治療のいま

血液のがん(血液腫瘍)とは 骨髄中の血液細胞が腫瘍化し、正常な血液細胞がつくられなくなり、貧血や発熱、出血などの症状を伴う病気です。

血液腫瘍で一番多いのはリンパ腫で、次に白血病です。普通の健康診断で見つかるのは「慢性骨髄性白血病」「慢性リンパ性白血病」です。一方、急性はリンパ節の腫れ、動悸、息切れ、出血などの自覚症状から専門病院を受診するという流れが多いとのことです。
 血液腫瘍のリスクはほぼ遺伝性はありません。生活習慣も基本的には関係ありません。あえて挙げるとすると、年齢が高くなると発症リスクは高くなります。現状では予防よりも早期発見です。

 九州や四国では、特殊なウイルスによって発症する、「成人T細胞白血病」が多くみられます。このウイルスを持っている人は定期的に調べる必要があります。また、このウイルスは母乳感染しますので注意が必要です。
 白血病の治療は、初期の胃がんのように取れば終わりというわけにはいきませんが、全身性であるがゆえに薬物療法が効きます。血液腫瘍については、分子標的薬のグリベック(一般名:イマチニブ)の登場により、大きく治療が変化し改善しました。

 血液腫瘍に対するがんゲノム医療も、現在進みつつあります。「この遺伝子異常にこの薬」というのが一部の白血病にわかってきています。一方で、この遺伝子異常があると治りにくいということがわかっているのに、それに対応する薬がないということがあります。研究の進展が待たれるところです。

 血液分野のトピックスは、白血病細胞やリンパ腫細胞への攻撃力を高める免疫療法「CAR-T細胞療法」です。今は再発あるいは難治性の腫瘍に対してですが、今後の免疫療法の発展が期待されています。


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