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本日の一曲 vol.195 ショスタコーヴィチ ヴィオラ・ソナタ (Dmitiri Shostakovich: Viola Sonata, 1975)

この「ヴィオラ・ソナタ」はショスタコーヴィチ(1906生~1975没)さんの最後の作品です。この曲はモスクワ音楽院の教授であり、ベートーヴェン弦楽四重奏団のフョードル・ドルジーニンさんに献呈されました。

ショスタコーヴィチさんのドルジーニンさんへの説明によると、「第1楽章は短編小説、第2楽章はスケルツォ、第3楽章はベートーヴェンへの追悼だが、あまり惑わされないように」ということだったそうです。ドルジーニンさんご本人による演奏です。

第1楽章。アルヴァン・ベルクの遺作であるヴァイオリン協奏曲の冒頭を想起させます。

第2楽章。ショスタコーヴィチさんご自身のオペラ「賭博師」からの引用があります。

第3楽章。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」の引用から始まります。この楽章にはご自身の交響曲全15曲からの引用があります。

ドルジーニンさんご本人の著作があります。

次に、ドルジーニンさんの教え子であるユーリ・バシュメットさんとスヴャトスラフ・リヒテルさんによる演奏です。

第1楽章。

第2楽章。

第3楽章。

楽譜付きの動画です。

この「ヴィオラ・ソナタ」には同名のドキュメンタリー映画があります。アレクサンドル・ソクーロフ監督とセミョーン・アラノヴィッチ監督の共同制作によるもので、ショスタコーヴィチさんの生涯のドキュメンタリーです。

ソクーロフ監督は、その後、権力者四部作(ヒトラー、レーニン、昭和天皇、ファウスト)などを制作し、日本には馴染み深い監督です。

アラノヴィッチ監督は、北方領土のドキュメンタリー映画「アイランズ/島々」を制作しています。

(by R)


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