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本日の一曲 vol.50 T.レックス ロウ・ランプ (T.Rex: There Was A Time / Raw Ramp / Electric Boogie, 1971)

本日ご紹介するのは、T.レックスという、かつてグラム・ロックと呼ばれていたムーヴメントの代表的なバンドで、マーク・ボラン(Marc Bolan)さんがボーカルとギターを担当していたバンドです。T.レックスの前身は「ティラノサウルス・レックス(Tyranosaurus Rex=ティラノサウルスの王)」というアコースティック・ギターとボンゴの2人組のバンドで、グラム・ロック(「グラム」とは「グラマラス(glamorous)」からきています)というよりは、フォーク・ロックといった感じで歌詞の内容も、たとえば「Deboraarobed」とか「Salamanda Palaganda」とか詩的な言葉をちりばめたものでした。

ティラノザウルス・レックスは、あまり売れなかったのですが、マーク・ボランさんがエレクトリック・ギターに持ち替えて、バンド名を「T.レックス」に変え、「ライド・ア・ホワイト・スワン(Ride A White Swan)」(白い白鳥に乗れ)というヒット曲が出て、その次に「ゲット・イット・オン(Get It On)」(このフレーズはいろいろ意味があるので調べてください!)という曲をリリースして、この曲が全英1位、全米10位のヒットとなり、その後、次々とヒット曲を出していったのでした。

本日ご紹介するのは、最初の大ヒット曲になったシングル「ゲット・イット・オン」のB面に収録されていた曲です。

T.レックスは、同時期にアルバム「電気の武者(Electric Warrior)」をリリースするのですが、この曲はアルバムには収録されませんでした。その理由はよくわかりませんが、曲は題名にもあるとおり、3部構成になっていて、1部の「There Was A Time」はティラノザウルス・レックス的な、3部の「Electric Boogie」はT.レックス的な、2部の「Raw Ramp」はその橋渡し的な曲調になっています。

なお、女声のコーラスに聞こえるのは、「Flo & Eddie」というフランク・ザッパのマザーズでボーカルをしていた男性2名のコーラスです。

それから、T.レックスは「20世紀少年(20th Century Boy)」に代表されるエレクトリック・ブギーのヒット曲を何曲も出しました。しかし、次第に飽きられてしまい、ヒット曲もでなくなり、グラマラスだったはずのマーク・ボランさんはルックス的にも衰えていってしまったのです。

1977年、マーク・ボランさんは、グロリア・ジョーンズさんという黒人の女性シンガーとのデュエット曲「会った途端に一目惚れ(To Know You Is To Love You)」をリリースするなど、よりソウルフルな方向に行ったのですが、その年の9月16日、マーク・ボランさんが30歳になる前、グロリアさんが運転する自動車の交通事故で29歳の若さで亡くなってしまいました。

(by R)


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