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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第69番 ラウドン将軍 (Sinfonia No.69 "Laudon", 1776)

交響曲第69番は、1775~1776年ころに作曲されたものと考えられています。「ラウドン」という愛称の由来は、オーストリアの軍人ラウドン将軍です。

ラウドン将軍とは、1756年から1763年まで18世紀の実質的な世界大戦と言われる「七年戦争」でオーストリアに仕えたエルンスト・ギデオン・フォン・ラウドン(Ernst Gideon von Laudon)さんのことです。ラウドン将軍は、オーストリア軍のなかでもいけいけの指揮官でマリア・テレジア軍事勲章を与えられ、ウィーンで特に人気がありました。

そして、この交響曲第69番のピアノ独奏版の楽譜を出版したアルタリア社がラウドン将軍の人気にあやかって、この版に「ラウドン」という名前をつけたのでした。便乗商法だったのですね。ハイドンさんは、アルタリア社がこの愛称をつけることには特に反対はしなかったようで、同社への手紙の中で「フィナーレの第4楽章はピアノでは演奏不可能で、楽譜に含める必要はないと思います。『ラウドン』の名は10のフィナーレよりも販売に役立つでしょう」と書いたそうです。

交響曲第69番ハ長調「ラウドン将軍」(Sinfonia No.69 C Dur, Hob.I:69)
第1楽章 Vivace 確かに将軍の名にふさわしい祝祭的な楽章です。
第2楽章 Un poco adagio più tosto andante メインは弱音器付きのヴァイオリンですが、後半に悲劇的な短調部分が忍び込みます。そして、穏やかなヴァイオリンに戻り、終結します。
第3楽章 Menuetto & Trio 祝祭的なメヌエットとなります。トリオではオーボエが楽しそうに活躍します。
第4楽章 Finale. Presto ソロヴァイオリンがテーマを弾き、つづいてオーケストラがにぎやかに演奏を続けます。エンディングはベートーヴェンのような意志の強さを感じさせる音楽です。

トーマス・ファイ(Thomas Fey)さん指揮ハイデルベルク交響楽団(Heidelberger Sinfoniker)の演奏です。

ニコラス・アーノンクール(Nikolaus Harnoncourt)さん指揮コンツェントゥス・ムジクス・ウィーン(Concentus Musicus Wien)の演奏です。

(by R)

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