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本日の一曲 vol.101 エリック・シュルツ 跡を残さない~指揮者カルロス・クライバー (Eric Schulz’ film: Traces to Nowhere - The conductor Carlos Kleiber, 2016)

最近、カルロス・クライバーさんが指揮した椿姫を紹介しました。

カルロスさんが2004年に亡くなった後、エリック・シュルツさんがカルロスさんの妹さん、ミヒャエル・ギーレンさん、ブリギッテ・ファスベンダーさん、プラシド・ドミンゴさん(前述の椿姫でのアルフレード役)、オットー・シェンクさんなどにインタビューをした、カルロスさんのドキュメンタリーが制作されました(「Tracers to Nowhere」)。英語の字幕付きであり、ブラウザの翻訳機能を使えば、日本語字幕としてみることができますので、ぜひご覧になってみてください。南放送交響楽団での「魔弾の射手」序曲や「こうもり」序曲の有名なリハーサル風景を見ながら、当時の楽団員の方々やドミンゴさん、ファスベンダーさんがコメントを入れたり、また、カルロスさんが父エーリヒさんの仕事を常に意識していたこと、カラヤンさんを崇拝していたこと、奥様を愛していたことなど非常に興味深い内容になっています。

ちなみに、題名の「Traces To Nowhere」とは、カルロスさんが愛読していたという中国の思想家荘子の本からの引用らしく、荘子・応帝王篇「至人之用心若鏡 不将不迎 應而不蔵( 至人の心を用うるは鏡のごとし、送らず迎えず、応じて蔵せず) 」あるいは、逍遥遊篇「至人無己 神人無功 聖人無名(至人は己(おのれ)なく、神人は功なく、聖人は名なし)」などのことではないかと思います。

(by R)

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