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本日の一曲 vol.68 パリー エルサレム (Hubert Parry: Jerusalem, 1916)

本日ご紹介するのは、イギリスの第二の国歌と呼ばれる「エルサレム」です。この曲は、イギリスの18世紀のアーティストであるウィリアム・ブレイク(William Blake)さんの「ミルトン」という作品にある詩を歌詞にし、これにイギリスの20世紀の作曲家であるサー・チャールズ・ヒューバート・パリー(Sir Charles Hubert Parry)さんが曲をつけたものです。

パリーさんの作曲は、オルガン付きの合唱曲であり、1916年にロイヤル・アルバート・ホール(Royal Albert Hall)で王立合唱団協会(Royal Choral Soceity)により初演が行われたようです。

ブレイクさんの「ミルトン」という作品は、挿絵入りの本で、詩は「序言(Preface)」の部分にあります。

And did those feet in ancient time,
Walk upon Englands mountains green:
And was the holy Lamb of God,
On Englands pleasant pastures seen!

And did the Countenance Divine,
Shine forth upon our clouded hills?
And was Jerusalem builded here,
Among these dark Satanic Mills?

Bring me my Bow of burning gold:
Bring me my Arrows of desire:
Bring me my Spear: O clouds unfold:
Bring me my Chariot of fire!

I will not cease from Mental Fight,
Nor shall my Sword sleep in my hand:
Till we have built Jerusalem,
In Englands green & pleasant Land.

ブレイクさんの絵も有名ですので、眺めてみてください。

イングランド人は、この曲をとても愛しています。20世紀前半の女性参政権運動でも歌われていました。婦人会(The Women's Institute)100周年大会では、故エリザベス女王もご出席されて、エルサレムを歌いました。

また、イギリスの20世紀の代表的作曲家エルガーさんもこの曲にオーケストレーションを付けて、プロムスでも毎年最後に歌われているようです。

ポピュラー音楽の分野でも、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(Emerson, Lake & Palmer, 1973)、映画「炎のランナー(Chariots of Fire)」でのヴァンゲリス(Vangelis, 1981)さんによるサウンドトラック、マーク・スチュアート・アンド・ザ・マフィア(Mark Stewart & The Mafia, 1982 )さん、シンプル・マインズ(Simple Minds, 1989)、リック・ウェイクマン(Rick Wakeman, 2000)さんなどのバージョンがあります。

(by R)

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