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本日の一曲 vol.204 リスト 灰色の雲 (Franz Liszt: Nuages gris, 1881)

フランツ・リストは、1811年10月22日、ハンガリーで生まれ、1822年に11歳でピアニスト・デビューを果たした後、ピアニスト、作曲家として活躍し、1886年7月31日にドイツのバイロイトで亡くなりました。リストさんは、1837年にマリー・タグー伯爵夫人(Marie d'Agoult)との間に娘コジマ(Cosima)を儲けますが、コジマさんは、1870年に再婚して、リストさんより1歳半年下のリヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner)の2番めの妻となり、1883年にワーグナーさんがなくなった後、リストさんは、コジマさんが切り盛りしていたバイロイト音楽祭で「トリスタンとイゾルデ」を見た後、体調を崩して亡くなり、バイロイトに埋葬されました。

リストというと、ロマン派のピアノ音楽としては、ショパンと並んで演奏会のプログラムに載せられることが多いと思います。とりわけ、ロマンティックな「愛の夢」、超絶技巧練習曲の「マゼッパ」、パガニーニの曲として有名な「ラ・カンパネッラ」などはとても有名な曲です。

しかし、リストさんが生きた時代は、まさに後期ロマン派の真っただ中であり、しかもとてもワーグナーさんに近いところにいた作曲家でしたので、その流れで聴いてみると、特にこの「灰色の雲」のような晩年の曲も腑に落ちてくるのではないでしょうか。

また、リストさんはもともと身体が弱かったようで、心臓、気管支、鬱病、白内障などに悩まされたようですので、晩年の曲には病気の影が落ちているような気がします。

カナダのピアニストで、リストのスペシャリストと言われるアンドレ・ラプラント(André Laplante)さんの演奏です。もともと静寂を感じさせる曲で、録音レベルも小さいようですので、お気をつけてお聴きになってください。

弊社のYoung Artist支援プロジェクト、「杉本真奈・鏡花音ピアノサックスジョイントリサイタル」でも演奏されます。乞うご期待!

リストさんの曲については、「本日の一曲」でも一度取り上げたことがありましたので、こちらもご覧ください。

(by R)


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