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本日の一曲 vol.67 リスト バラード第2番ロ短調 (Franz Liszt: Ballade Nr.2 h-moll S.171 R.16, 1853)

バラードとは、もともとはフランスでは世俗抒情歌としての声楽曲、イギリスでは物語を歌いこんだ曲だったようですが、18世紀のドイツでゲーテらが文学に曲をつけたりしたので、バラードというと、物語的な曲をいうようになりました。器楽曲でも、物語をモチーフにしたものが作曲されるようになり、ショパンの曲が有名です。

本日ご紹介するリストのバラード第2番は、ギリシャ神話の女神官のヘーローと青年レアンドロスの物語「ヘーローとレアンドロス」を描いたものだと言われています。この物語のあらすじです(日本語版ウィキペディアより)。

「ヘレスポントス(現在のダーダネルス海峡)のヨーロッパ側セストスの塔に住むアプロディーテーの女神官ヘーローと海峡の対岸アビュドスに住む青年レアンドロスの物語」「レアンドロスはヘーローに恋し、毎晩彼女に会うためにヘレスポントスを泳いで渡った。ヘーローは塔の最上階でランプを灯して恋人を導いた。」「ヘーローはレアンドロスの耳に快い言葉と、アプロディーテーは愛の女神として処女崇拝など軽蔑する筈だという主張に折れて、彼の愛を受け入れた。 この日課は暖かい夏の間中続いたが、ある冬の嵐の夜にレアンドロスは波に巻き込まれ、風がヘーローの明りを吹き消し、レアンドロスは方向を見失い溺死した。 ヘーローは彼の死体を目にして発狂し、恋人の後を追って塔から身を投げた。 」

リストのこの曲は、リストの孫弟子にあたるクラウディオ・アラウさんによると、「レアンドロスがヘレスポントスを泳ぐ様子を表す、うねる様なテーマとロマンチックなヘーローのテーマが交互に現れ、曲が進むに従い嵐のように激しさを増していく。終結部では同じテーマがガラリと雰囲気を変えて表わされ、レアンドロスへの追悼の哀歌を思わせる」とのことです。

弊社が主催する10月22日の宮川栞さんのSAKURA JAPAN MUSIC COMPETITION2022 ピアノ部門 グランプリ受賞記念リサイタルでは、この曲を演奏しますので、ぜひお越しください!

(by R)


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