見出し画像

本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第67番 実験 (Sinfonia No.67, 1779)

交響曲第67番は、第66番とはうって変わって、音楽学者H.C.ロビンス・ランドン(H.C. Robins Landon)さんなどは「この時代で最も大胆で独創的な交響曲の一つ」と言っています。確かに、いろいろな工夫がみられ、実験的な交響曲になっています。

交響曲第67番ヘ長調(Sinfonia No.67 F Dur, Hob.I:67)
第1楽章 Presto プレストで8分の6拍子というと普通は終楽章なのですが、第1楽章に配置されています。
第2楽章 Adagio 「穏やかな」というより「抜き足差し足忍び足」といった趣きの楽章です。最後にヴァイオリンなどの「コル・レーニョ」の指示があります。
第3楽章 Menuetto & Trio 正三角形のメヌエットと、ヴァイオリンの特殊な奏法が求められているトリオです。第1ヴァイオリンは弱音器をつけ、E弦1本だけを使い、第2ヴァイオリンがG弦をFに調弦して(スコルダトゥーラ)常に鳴らすことになっています。
第4楽章 Finale. Allegro di molto - Adagio e cantabile - Allegro di molto 3部形式になっていて序曲風であり普通は第1楽章にあるところですが、終楽章に配置され、第1楽章と逆転しています。

ハイドン生誕300年記念企画、ジョヴァンニ・アントニーニ(Giovanni Antonini)さん指揮バーゼル室内管弦楽団(Kammerorchester Basel)の演奏です。ちなみにコンサートミストレスは、バーゼル生まれのヴァイオリニスト笠井友紀さんです。楽章の合間に劇の台詞の朗読が入るのですが、調べきれず、何の台詞なのか不明です💦第2楽章の最後に「コル・レーニョ」奏法で弾いている様子が見られます。奏者がどれほどコル・レーニョをやりたくないかが窺われます😂まだ、第3楽章のトリオで特殊奏法をしている様子も見られます。

(by R)

読んでくださってありがとうございます!サポートしていただけるととても嬉しいです!