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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第58番 バリトン (Sinfonia No.58, 1767)

交響曲第58番は自筆譜が残っておらず、この曲の第3楽章が「バリトン三重奏曲第52番」と同じで、この第52番が次の1767年に作曲されたバリトン三重奏曲の第53番(Hob.XI:53)と同じ頃の作曲だろうからこの交響曲第58番も同じ頃の作曲だろうと考えられているそうです。ハイドンさんの「疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)」時代の曲になります。

ところで、このバリトンとは、声楽の「バリトン(Bariton、テノールとバスの中間)」ではなくて、昔の弦楽器のバリトン(Baryton, Viola di bardone)のことで、ハイドンさんが愛した楽器だと言われています。というのも、主君のエステルハージ王子がバリトン奏者だったのです。

それでは、まず、こちらのバリトン三重奏曲第52番からご紹介します。この第3楽章と交響曲第58番の第3楽章が同じです。ハイドン・バリトン・トリオ(The Haydn Baryton Trio)の演奏です。

また、ハイデルベルク大学教授のルートヴィヒ・フィンシャー(Ludwig Finscher)さんによると、交響曲第58番と交響曲第35番は、「鏡像のペアの作品」と表現しています。

交響曲第58番ヘ長調(Sinfonia No.58 F Dur, Hob.I:58)
第1楽章 Allegro 以下フィンシャー教授の表現をお借りします。「展開におけるコミカルなコントラストを伴う快適な第1楽章」
第2楽章 Andante 「無害なアンダンテ」
第3楽章 Menuet alla zoppa - Trio 「有名なメヌエット・アラ・ツォッパ」
第4楽章 Finale. Presto 「非常に小さなスペースで最もワイルドなコントラストを奏でる、完全にエキセントリックなフィナーレ」

フランス・ブリュッヘン(Frans Brüggen)さん指揮エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団(Orchestra of the Age of Enlightenment)の演奏です。

(by R)

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