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本日の一曲 vol.260 ファンカデリック エレクトリック・スパンキング・オブ・ウォー・ベイビーズ (Funkadelic: The Electric Spanking Of War Babies, 1981)

ファンカデリックは、ジョージ・クリントン(George Clinton, 1941-)さんがリーダーを務めるバンドで、同じくパーラメント(Parliament)と並んで、「Pファンク軍団(P-Funk Collective)」と言われていました。2つのバンドが並行して存在していた理由は、レコード会社との契約関係でもめたから、ということだったようです。

源流は、1950年代後半に結成されたドゥーワップのヴォーカル・グループ「ザ・パーラメンツ(The Parliaments)」でしたが、レコード会社の破産で、1968年に「ファンカデリック」に衣替えをして、1970年にこれまたレコード会社との契約関係で「パーラメント」を再始動させたという流れでした。

そして、ファンカデリックとパーラメントの2本立てで1980年代始めまで活動していましたが、同時に同じメンバーが2つのバンドで活動していたなどの理由でまたまたレコード会社とトラブルが発生し、ジョージ・クリントンさんは2つのバンドを解散して、「Pファンク・オールスターズ(P Funk All Stars)」に統合し、現在に至っています。

ジョージ・クリントンさんは、ファンク・ミュージックの創始者として、ジェームス・ブラウン(James Brown, 1933-2006)さん、スライ・ストーン(Sly Stone, 1943-)さんと並んで、歴史上重要な人物です。

数年前、NPRミュージックの「Tiny Desk Concert」での動画が公開されました。

ジョージ・クリントンさんへのインタビュー記事がありましたので、こちらもご紹介します。

さて、本日ご紹介するのは、1981年リリースの事実上ファンカデリック最後(Pファンクオールスターズになる前)のアルバム「エレクトリック・スパンキング・オブ・ウォー・ベイビーズ」の1曲目のタイトル曲です。オープニングの「お告げ」から始まり、叙情的な中間部を経て、ゴリゴリのファンク・ミュージックに突入するという構成になっています。サウンドの方は、ウォルター・モリソン(Walter Morrison)さんがほぼ演奏し、リードギターは、マイケル・ハンプトン(Michael Hampton)さんです。

この曲はシングルカットされましたが、そのB面には、この曲のヴォーカルなしバージョンも収録されており、ギターがはっきり聴こえます。マイケル・ハンプトンさんは、「マゴット・ブレイン(Maggot Brain)」の圧倒的名演(また別の機会にご紹介したいと思います)で知られるエディ・ヘイゼル(Eddie Hazel)さんの後釜になったギタリストですが、マゴット・ブレインを完コピで弾いたのにジョージ・クリントンさんが感動して、ファンカデリックに加入することになったそうです。

アルバム「エレクトリック・スパンキング・オブ・ウォー・ベイビーズ」は、ファンカデリックのアルバム・ジャケットをよく手掛けていたペドロ・ベル(Pedro Bell)さんのものですが、このアルバム・ジャケットでひと悶着あり、もともとのアルバム・ジャケットは英語版のWikipediaなどで見ることができます。

(by R)

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