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本日の一曲 20世紀第4四半期の音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1976年~2000年の音楽をまとめました。
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2023年10月の記事一覧

本日の一曲 vol.56 ライオット ウォーリアー (Riot: Warrior, 1977)

本日ご紹介するのは、アメリカン・ヘヴィーメタル最初期の名曲であり、ライオットのファースト・アルバムに収録された曲です。抒情的なコーラスのメロディーと最後部の息の長いギターに快速のリズム隊が合わせるところは感動的です。 この曲は、日本に紹介された当初から人気があった曲で、ライオットのメンバーも1979年のセカンド・アルバムは日本にちなんで「NARITA(成田)」という題名がつけられ、同名の曲も収録されました。こちらはスピード感あふれるインストルメンタルの曲です。 「ウォーリ

本日の一曲 vol.79 バッジー インペカブル (Budgie: Impeckable, 1978)

本日ご紹介するのは、先日少しご紹介したバッジーのアルバムジャケットです。前回ご紹介分はこちら。 バッジーの曲は、ヴァン・ヘイレン、アイアン・メイデン、メタリカ、サウンドガーデンや人間椅子などがカバーしていますが、バッジー自体、一部コアなファンはいるものの、あまり有名ではありません。サブスクでもオフィシャルには彼らの楽曲を全部は聴けないと思います。 本日ご紹介するのは、筆者がとても気に入っている、彼らが1978年に発表した「インペカブル(完全無欠)」という題名のアルバムジャ

本日の一曲 増刊 vol.1 東京都交響楽団 リゲティの秘密 ヴァイオリン協奏曲(1990) マカーブルの秘密(1988) 期間限定配信

ちょっと公開されていたのに気づかなかったんですが、今年の3月の東京都交響楽団の公演が10月31日までという期間限定で公開されていましたので、ご紹介します。 リゲティさんのヴァイオリン協奏曲は、1990年作曲のもので(当初全3楽章)、1992年に全5楽章に改訂されました。 「マカーブルの秘密(マカーブルの秘儀、Mysteries of the Macabre, 1988)」は、リゲティさんのオペラ「ル・グラン・マカーブル(Le Grand Macabre, 1977)」第3

本日の一曲 vol.71 山下達郎 SPARKLE (1982)

なかなか気軽に聴くことができない山下達郎さんの音楽ですが、オフィシャルに公開されたものを拾っていきたいと思います。 サブスク時代以前の曲今年になり、ビニール盤とカセットテープを再発するという企画があり、そのプロモーション用として、アルバム「FOR YOU」(1982)から「SPARKLE」のミュージックビデオが公開されました。 また、同じく「FOR YOU」に収録された「LOVELAND, ISLAND」のビデオも公開されましたが、こちらはクリッピング編集された短いバージ

本日の一曲 vol.70 ゆらゆら帝国 ズックにロック (1999)

ゆらゆら帝国は、ギターとヴォーカルの坂本慎太郎さんを中心に1989年から活動を開始し、1998年にベースの亀川千代さん、ドラムの柴田一郎さんの3ピースバンドとしてアルバム「3×3×3」でメジャーデビュー、2010年にファンに対して「ゆらゆら帝国は完全に出来上がってしまったと感じました」とのメッセージを残して解散してしまったもはや伝説的なバンドです。 彼らの曲から、まず曲が進むにつれてどんどんスピードアップしていく昂揚感が味わえる「ズックにロック」(1989年)を紹介します。

本日の一曲 vol.69 ゴドレー・アンド・クレイム ニューヨークのイギリス人 (Godley & Creme: An Englishman In New York, 1979)

本日ご紹介するのは、スティング(Sting)さんの「Englishman In New York」ではなくて、10cc(テン・シーシー)から脱退したケヴィン・ゴドレー(Kevin Godley)さんとロル・クレーム(Lol Creme)さんのプロジェクトである「ゴドレー・アンド・クレーム」名義でリリースされた1979年のアルバム「フリーズ・フレイム(Freeze Frame)」に収録された1曲です。 この曲の歌詞の概略は、ニューヨークを訪れたイギリス人が見た見世物小屋感、と

本日の一曲 vol.65 ロブ・ゾンビ スーパービースト (Rob Zombie: Superbeast, 1999)

本日ご紹介するのは、20世紀の化け物音楽3選です。「化け物」といっても、題名やアーティストがおどろおどろしいだけで、音楽自体は文字通り楽しいものですので、いちおう映像のリンクも貼っておきますが、参考までにご覧になってください。 1970年代 ホット・ブラッド ソウル・ドラキュラ (Hot Blood: Soul Dracula)1976年に日本でヒットした曲で、「Hot Blood」名義でリリースされました。この「Hot Blood」がフランス由来なのか、ドイツ由来なのかは

本日の一曲 vol.53 バーンズ アルヴァマー序曲 (James Barnes: Alvamar Overture, Op.45, 1981)

今日の「本日の一曲」は、ジェイムズ・バーンズさんが作曲した『アルヴァマー序曲』作品45をご紹介します。バーンズさんはアメリカの作曲家で、吹奏楽では世界的に人気の作曲家です。 このアルヴァマー序曲は、潔く勢いのある出だしから始まり、スネアドラムが刻む心地よいリズムに合わせて颯爽に進行します。中間部はゆっくりテンポのノスタルジックな美しいメロディーで、遠くから近づいてくるようなスネアドラムと木管とともに冒頭フレーズ再現に突入、グロッケンの煌びやかな音とともに感動的なクライマック