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本日の一曲 20世紀前半のクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1901年~1950年のクラシック音楽をまとめました。
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#クラシック音楽

本日の一曲 vol.392 マーラー 大地の歌 (Gustav Mahler: Das Lied von der Erde, 1908)

グスタフ・マーラーさんは、1860年7月7日にボヘミアのイーグラウ近郊のカリシュト村(現在のチェコのカリシュチェ)で生まれ、1911年5月18日にウィーンにて50歳で亡くなってしまった作曲家です。 マーラーさんは、歌手以外のソリストにとっては、ソリスト用の曲がほとんどないため、あまり馴染みのない作曲家かもしれませんが、クラシック音楽の愛好家の間ではとても人気のある作曲家です。 マーラーさんの曲はあまり知らないという人が初めにマーラーさんのどの音楽を聴いたらよいのか、いくつ

本日の一曲 vol.387 レスピーギ シバの女王ベルキス (Ottorino Respighi: Belkis, Regina di Saba, 1931)

オットリーノ・レスピーギさんの曲については、以前「本日の一曲」で「ローマの祭り」を紹介したことがありました。 レスピーギさんは、1879年7月9日、イタリア・ボローニャで生まれ、1936年4月18日にローマにて56歳でお亡くなりになりましたが、本日ご紹介する曲は、晩年の1930~1931年に作曲された最後のバレエ音楽「シバの女王ベルキス」です。 シバの女王ベルキスは、旧約聖書に初めて登場する人物であり、イスラエル王のソロモンを訪れ、ソロモンを試すために難しい質問攻めをしま

本日の一曲 vol.352 ディーリアス 夏の歌 (Frederick Delius: A Song of Summer, 1931)

フレデリック・ディーリアス(1862年1月29日生~1934年6月10日没)さんは、イギリスの作曲家とされますが、両親はドイツ系であり、両親がイギリスに帰化したため、生まれはイギリスであり、生まれてからしばらくはイギリスで音楽教育を受けていたものの、その後の生涯からすると、その音楽のルーツはミクスチュアなものだったと言えます。 ディーリアスさんの両親の家業は羊毛業であり、息子が音楽の道に進むことを反対していた父親は、息子に仕事を与え、ディーリアスさんをスウェーデン、フランス

本日の一曲 vol.348 ジョン・ケージ ソナタとインターリュード (John Cage: Sonatas and interludes, 1948)

「4分33秒(1952)」で有名なアメリカの現代音楽の作曲家であり発明家、キノコの研究家でもあるジョン・ケージさんの最高傑作と言われる「ソナタとインターリュード」をご紹介します。 現代音楽は、現在の音楽のことではなくて、クラシック音楽の発展形としてのモダンな音楽という意味です。この発展には、いろいろと面倒な理論的展開があったりして難解なのですが、この難解さは置いておきましょう。 ジョン・ケージさんについては、アルノルト・シェーンベルク(Arnold Schönberg)さ

本日の一曲 vol.329 クライスラー プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ (Fritz Kreisler: Präludium und Allegro im Stile von Pugnani, 1905)

1875年2月2日にウィーンで生まれたフリッツ・クライスラーさんは、まずヴァイオリニストとして有名ですが、数々のヴァイオリン曲の名曲を作曲し、作曲家としても有名です。 クライスラーさんは、7歳から10歳までウィーン音楽院でブルックナー(Anton Bruckner)さん、ドント(Jakob Dont)さん、ヘルメスベルガー(Joseph Hellmesberger Jr.)さんたちに、10歳から12歳までパリ音楽院でドリーブ(Léo Delibes)さん、マサール(Lamb

本日の一曲 vol.108 オネゲル パシフィック231 (Arthur Honegger: Pacific 231, 1923) 鉄道ファンのための。

例に漏れず、音楽家の中にも鉄道ファンはたくさんいます。 オネゲル:パシフィック231クラシック音楽の中で最も有名な鉄道の曲は、フランスの作曲家オネゲル(国籍はフランスとスイスの二重国籍だそうです。)の「パシフィック231」だと思います。表題の「パシフィック231」とは、蒸気機関車の車軸位置のことだそうです。1923年に作曲され、スイスの指揮者エルネスト・アンセルメさんに献呈され、翌1924年にセルゲイ・クーセヴィツキーさんの指揮でパリ・オペラ座管弦楽団の演奏で初演されました