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本日の一曲 20世紀前半のクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1901年~1950年のクラシック音楽をまとめました。
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2023年11月の記事一覧

本日の一曲 vol.108 オネゲル パシフィック231 (Arthur Honegger: Pacific 231, 1923) 鉄道ファンのための。

例に漏れず、音楽家の中にも鉄道ファンはたくさんいます。 オネゲル:パシフィック231クラシック音楽の中で最も有名な鉄道の曲は、フランスの作曲家オネゲル(国籍はフランスとスイスの二重国籍だそうです。)の「パシフィック231」だと思います。表題の「パシフィック231」とは、蒸気機関車の車軸位置のことだそうです。1923年に作曲され、スイスの指揮者エルネスト・アンセルメさんに献呈され、翌1924年にセルゲイ・クーセヴィツキーさんの指揮でパリ・オペラ座管弦楽団の演奏で初演されました

本日の一曲 vol.105 ピアノ・トリオ集 (4/5) フォーレ ピアノ三重奏曲 (Gabriel Fauré: Piano Trio, 1923)

ガブリエル・フォーレさんは、19世紀後半から20世紀前半にかけて活動したフランスの作曲家で、50歳のころ、パリ音楽院の教授に就任し、そこでモーリス・ラヴェルさん、ジョルジェ・エネスクさん、ナディア・ブーランジェさんなどを育てました。そして、60歳のころ、パリ音楽院の学長になり、ワグナーやドビュッシーまで新しい音楽をカリキュラムに入れるなど、パリ音楽院の「改革」を図りました。しかし、そのころから、難聴に悩まされるようになり、1924年に79歳で亡くなるまで、難聴が回復することは

本日の一曲 vol.90 ドビュッシー 神聖な舞曲と世俗的な舞曲 (Claude Debussy: Danses Sacrée et Profane, 1904)

ドビュッシーを聴いたことがないという方におすすめします。ドビュッシーには、あまりやかましい曲がなくて、オーケストラの演奏会の演目には乗りにくく(つまり、音が小さめなので大会場には向かない)、どちらかというとピアノ1台とか室内楽曲の方が聴きやすいかもしれません。 この曲は、ハープ独奏と弦楽合奏のための曲で、舞曲なんですが、ハープが東洋的な雰囲気を醸し出しながら、弦楽合奏が寄り添っていく曲想になっています。全体で9分ぐらいしかありませんので、すぐ終わってしまいますが、心地よさが

本日の一曲 vol.88 ホルスト 惑星 (Gustav Holst: The Planets, 1918)

本日の一曲でご紹介するのは、もしはじめてオーケストラによるクラシック音楽のコンサートに行くとしたら、どの曲の演奏を聴きにいったらよいか、というお話です。もちろん筆者の独断による見解ですので、参考程度にしておいてください。 ともかくクラシック音楽のコンサートは、少なくとも30分程度は黙って座って聴く、というのが大前提であり、しかも弱音部分もけっこうありますので、ただでさえ心地よく、そのまま睡魔に襲われるということはごく当たり前です。ですので、できるだけスリリングな曲がよいので