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本日の一曲 20世紀前半のクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1901年~1950年のクラシック音楽をまとめました。
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2023年10月の記事一覧

本日の一曲 vol.68 パリー エルサレム (Hubert Parry: Jerusalem, 1916)

本日ご紹介するのは、イギリスの第二の国歌と呼ばれる「エルサレム」です。この曲は、イギリスの18世紀のアーティストであるウィリアム・ブレイク(William Blake)さんの「ミルトン」という作品にある詩を歌詞にし、これにイギリスの20世紀の作曲家であるサー・チャールズ・ヒューバート・パリー(Sir Charles Hubert Parry)さんが曲をつけたものです。 パリーさんの作曲は、オルガン付きの合唱曲であり、1916年にロイヤル・アルバート・ホール(Royal Al

本日の一曲 vol.60 クルト・ヴァイル 三文オペラより メッキー・メッサーのモリタート (Kurt Weill: Die Moritat von Mackie Messer, 1931)

本日ご紹介するクルト・ヴァイルさんは、1900年3月2日生まれ、ナチス時代を生き抜いたユダヤ人作曲家です。最初、ベルリンで活動し、1928年、戯曲家ベルトルト・ブレヒトさんとともに、この「三文オペラ」を制作して発表しました。しかし、ナチス当局に目をつけられ、1935年、アメリカに移住し、その後は主にミュージカルの作品を残しました。 「メッキー・メッサーのモリタート」はオペラの最初の方で歌われる曲ですが、「マック・ザ・ナイフ(Mack The Knife)」という題名で、ジャ

本日の一曲 vol.58 トスカニーニ レスピーギ ローマの祭り (Respighi: Feste Romane, 1929) (cf. John Wilson)

本日ご紹介するのは、イタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギ作曲の交響詩「ローマの祭り」で、1949年のアルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団による演奏です。交響詩は、英語ですと「Symphonic Poem」となり、オーケストラによるポエムということで、音楽を文学や絵画に結びつけたものであり、現代でいうと映像を音楽で表現したもの、映画音楽に近いかと思います。 オットリーノ・レスピーギさんは、イタリアのボローニャ生まれの音楽家で、20世紀前半に活躍した人です。この「ロ