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本日の一曲

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さくらMusic officeでは、新企画「本日の一曲」をスタートしました! この「本日の一曲」では、ジャンルにこだわらず、時にはアーティストや時代背景にも触れながら、誰もが知…
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2024年3月の記事一覧

本日の一曲 vol.235 アントニオーニ 雪解けの後の光 (Francesco Antonioni: Lights, after the Thaw, 2019)

フランチェスコ・アントニオーニさんは、1971年10月13日にイタリア・テラモに生まれた作曲家です。音源は、クラシック音楽の音源化に意欲的なブリリアント・クラシックスからのもので、「My River」と題された音源には、「8つの弦楽器のためのバラード(2009)」「雪解け後の光」「影の上(2013)」の3曲が収められています。 「雪解け後の光」は以下の4楽章から構成されています。 第1楽章 独白と対話。 第2楽章 雪が溶け、少しずつゴールドに。 第3楽章 ラブソング 第4楽

本日の一曲 vol.234 ジャパン オール・トゥモローズ・パーティ (Japan: All Tomorrow's Parties, 1978)

ジャパンは、デヴィッド・シルヴィアン(David Sylvian)さん、スティーヴ・ジャンセン(Steve Jansen、デヴィッドさんの弟)さん、ミック・カーン(Mick Kahn)さんの3人を中心に結成されたイギリス・ロンドンのバンドで、1978年にファースト・アルバム「果てしなき反抗(Adolescent Sex)」をリリースしてデビューしました。 ジャパンは、最初に日本で人気に火がついたいわゆる「ビッグ・イン・ジャパン」のバンドでした。当時の熱狂については、note

本日の一曲 vol.233 バーバー 弦楽のためのアダージョ (Samuel Barber: Adagio for Strings, 1938)

サミュエル・バーバーさんは、1910年3月9日、アメリカのペンシルベニア州ウェストチェスタで生まれた作曲家で、母親がピアニスト、母方のおばがメトロポリタン劇場のコントラルトでした。6歳でピアノを始め、7歳で最初の作曲をし、14歳でカーティス音楽院に入学して、音楽の勉強をしました。 本日ご紹介する「弦楽のためのアダージョ」は、バーバーさんの曲の中で最も有名な曲ですが、この曲は、もともとは1936年、バーバーさんが26歳のときに、弦楽四重奏曲ロ短調の第2楽章として作曲されたもの

本日の一曲 vol.232 イエス アイ・シー・ユー (Yes: I See You, 1969. cf. Led Zeppelin: Whole Lotta Love)

イエスは、1969年7月にファースト・アルバム「イエス(YES)」をリリースしてデビューしました。このファースト・アルバムは、1969年3~5月にかけて録音されました。録音メンバーは、ジョン・アンダーソン(Jon Anderson, Vocal)さん、クリス・スクワイア(Chris Squire, Bass)さん、トニー・バンクス(Peter Banks, Guitar)、トニー・ケイ(Tony Kaye, Keyboards)、ビル・ブルーフォード(Bill Bruford

本日の一曲 vol.231 デヴィッド・ボウイが書いた提供曲 Songs David Bowie Wrote for Other Artists (1964-1972)

スペインのYouTubeチャンネルの「Yesterdays Paper」に、「Songs David Bowie Wrote for Other Artists (1964-1972)」という動画が公開されており、その内容が興味深かったので、ご紹介します。 「スペース・オディティ(Space Oddity)」以前のデヴィッド・ボウイさんの音楽活動については、日本ではあまり紹介されてこなかったと思います。この動画にもあるように、デヴィッド・ボウイさんは、スペース・オディティが

本日の一曲 vol.230 フィールド ノクターン集 (John Field: Nocturnes, 19C)

ジョン・フィールドは、1782年7月26日にアイルランド・ダブリンで生まれ、1837年1月23日に54歳でモスクワで亡くなったアイルランドの作曲家・ピアニストです。ショパンで有名になった「ノクターン(夜想曲)」の創始者として広く知られています。 ピアニストとしては、ソナチネで有名なムツィオ・クレメンティ(Muzio Clementi)の弟子であり、クレメンティさんがピアノの製造業をしていたことから、クレメンティのピアノのセールスマンだったという話もあります。 フィールドさ

本日の一曲 vol.229 TOTO ジョージー・ポージー (TOTO: Georgy Porgy, 1978)

TOTOは、1977年にアメリカ・ロサンゼルスでスタジオ・ミュージシャンが集まって結成されたバンドであり、1982年にリリースされたアルバム「TOTO IV」に収録された「アフリカ(Africa)」が大ヒットしたことで、誰もが知るバンドになりました。 彼らのファースト・アルバム「宇宙の騎士(TOTO)」は1978年に、セカンド・アルバム「ハイドラ(Hydra)」は1979年にリリースされましたが、ファーストに収録された「ホールド・ザ・ライン(Hold The Line)」、

本日の一曲 vol.228 PUFFY Bye Bye (2009)

PUFFY(パフィー)は、1996年に奥田民生さんのプロデュースで、「アジアの純真」でデビューした大貫亜美さん(1973年9月18日生まれ)と吉村由美(1975年1月30日生まれ)さんのデュオです。 PUFFYは、2009年に10枚目のアルバム「Bring it!」をリリースしましたが、このアルバムには、フジファブリックの志村正彦さんが提供した2曲、本日ご紹介する「Bye Bye」と「DOKI DOKI」が収録されていました。「DOKI DOKI」の方は、椎名林檎さんが提供

本日の一曲 vol.227 アラーム 68ガンズ (The Alarm: 68 Guns, 1984)

アラームは、イギリス・ウェールズのリル出身のバンドで、フロントマンはマイク・ピーターズ(Mike Peters)さん、1984年にデビュー・アルバム「アラーム宣言(Declaration)」をリリースしました。本日ご紹介する「68ガンズ」は、このデビューアルバムに収録された、アラーム最大のヒット曲です。 マイクさんによると、学生時代にグラスゴーのストリートギャングの本を読んだことがあり、その本からインスピレーションを得て、この曲を作曲したとのことです。その本の舞台が1968

本日の一曲 vol.226 バーブラ・ストライザンド&ドナ・サマー ノー・モア・ティアーズ (Barbra Streisand / Donna Summer: No More Tears (Enough Is Enough), 1979)

バーブラ・ストライサンドさんは、1942年4月24日にアメリカ・ニューヨークで生まれ、映画「スター誕生(A Star Is Born, 1976)」が代表作である歌手・女優、ドナ・サマーさんは、1948年12月31日にアメリカ・ボストンで生まれ、「ディスコの女王(Queen of Disco)」と呼ばれた歌手です。 この二人が10分以上にわたり、デュエット・バトルを繰り広げたものですから、ド迫力の録音が生まれました。「涙なんかもうたくさん」という題名ですが、「涙なんかぶっ飛

本日の一曲 vol.225 ショルティ モーツァルト 交響曲第41番 ジュピター (Mozart: Symphony No.41 "Jupiter" K.551, performed by Georg Solti & Chamber Orchestra of Europe)

モーツァルトのジュピターは、モーツァルトの最後の交響曲で、番号は41番、ケッヘル番号は551、1788年、モーツァルト32歳、死の3年前の作品です。 ジュピターは、ほぼ同時期に作曲された後期3大交響曲と言われる39番 K.543、40番 K.550、41番の最後を飾る交響曲です。宇野功芳さんによれば、39番は「玲瓏」、40番は「哀愁」、41番は「壮麗」という言葉で表現されています。 モーツァルトの時期による作風は、だいたいオペラと同期していると考えてよいかと思います。モー

本日の一曲 vol.224 イエス マシン・メサイア (Yes: Machine Messiah, 1980)

1970年代前半に一世を風靡したプログレッシヴ・ロックですが、そのプログレ・ムーヴメントの中心にいたバンドがイエスです。代表作は、「こわれもの(Fragile)」、「危機(Close To The Edge)」、ライヴ・アルバム「イエスソングス(Yessongs)」ですが、さてそれからどうするかというのが、プログレ・バンド共通の悩みだったと思います。イエスも試行錯誤、紆余曲折を経て、今から振り返ると、感慨深く、とてもいろいろありました、ということになると思います。 本日ご紹

本日の一曲 vol.223 キッス ベスト・オブ・ソロ・アルバムズ (Kiss: Solo Albums, 1978)

もはや説明不要と思われるキッスが1978年に4人のソロ・アルバムをリリースするまでに、6枚のスタジオ録音のアルバムと2枚のライブ・アルバムをリリースしていました。キッスのデビューアルバムは、1974年のリリースでしたので、この約4年間でキッスは大ブレイクをしたのです。日本でもたくさんの若いキッス・フリークを生み出し、当時はベイ・シティ・ローラーズと人気を二分していました。 キッスは、歌舞伎メイクで顔出しなしでしたので、その謎に包まれたミステリアスなイメージ作りも成功していた

本日の一曲 vol.222 クレンペラー メンデルスゾーン スコットランド (Felix Mendelssohn: Symphony No.3 "Scottish", 1842 performed by Otto Klemperer & PO)

フェリックス・メンデルスゾーンさんの交響曲は、全部で5曲あります。 第1番 ハ短調 Op.11 1824年作曲 第2番 「讃歌」(シンフォニアと10曲)Op.52 1840年作曲・初演 第3番 イ短調「スコットランド」Op.56 1831、1842年作曲 1842年初演 第4番 イ長調「イタリア」Op.90 1831~1833年作曲 1833年初演 第5番 ニ短調「宗教改革」Op.107 1830年作曲 1832年初演 作曲順としては、第1番→第5番→第4番→第2