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本日の一曲

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さくらMusic officeでは、新企画「本日の一曲」をスタートしました! この「本日の一曲」では、ジャンルにこだわらず、時にはアーティストや時代背景にも触れながら、誰もが知…
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2024年1月の記事一覧

本日の一曲 vol.175 ラム・ジャム ブラック・ベティ (Ram Jam: Black Betty, 1977)

1977年~1978年に活動していたアメリカのバンド、ラム・ジャムの1曲だけのヒット曲「ブラック・ベティ」です。今でもショート動画やカバーして演奏している動画(特にギターでやってみた系)を見かけるので、アメリカでは人気のある曲なんだと思います。 YouTubeにも、リリース当時のミュージック・ビデオが投稿されており、長髪、ひげ、ティアドロップ型のサングラス、ベルボトムのジーンズ、人の家の庭での演奏、オートバイ、ノリにノッている女性たち、などとても良い雰囲気のビデオに仕上がっ

本日の一曲 vol.174 ザ・ビートルズ カム・トゥゲザー (The Beatles: Come Together, 1969. cf. You Can't Catch Me)

ビートルズのカム・トゥげザーは1969年にリリースされた「アビー・ロード(Abbey Road)」の1曲目に収録された曲で、そのリリース直後にシングル・カットもされ、そのB面は、ジョージ・ハリスン(George Harrison)さん作曲の名曲「サムシング(Something)」でした。 ビートルズの曲は、ジョージ・ハリスンさん、リンゴ・スター(Ringo Starr or Richard Starkey)さん作曲以外は、すべてジョン・レノン(John Lennon)さんと

本日の一曲 vol.173 ショパン バラード第4番ヘ短調 (Frederic Chopin: Ballade nº 4, 1842)

バラードについては、前にリストの第2番をご紹介しました。 以前ご紹介したように、バラードとは物語をモチーフにしたものであり、現在のポピュラー音楽でのバラードとは少し意味合いが異なります。ショパンのバラードは4曲ありますが、どの曲もポーランドの詩人アダム・ミツキェヴィチ(Adam Mickiewicz)の詩にに基づいていると言われています。 バラード第4番は、ミツキェヴィチさんの「三人のブードゥリ」に基づいていると言われていますが、これはフランスのピアニスト、アルフレッド・

本日の一曲 vol.172 ラフマニノフ 楽興の時 Op.16 (Rachmaninov: Six moments musicaux Op.16, 1896)

「本日の一曲」でラフマニノフさんの作品を取り上げるのは4回目になります。ラフマニノフさんの作品は、だいたい3つの時期に分けられると思います。まず、(Ⅰ)モスクワ音楽院時代から卒業、作曲家としてデビューした時期、(Ⅱ)交響曲第1番の大失敗からうつ病になり、病気を克服するまでの時期、(Ⅲ)アメリカに渡ってからの時期の3つです。 本日ご紹介する「楽興の時」は、うつ病になるきっかけとなる交響曲第1番の作曲中に作曲されたものです。ラフマニノフさんが列車に乗ったとき、お金を盗まれてしま

本日の一曲 vol.171 レーガー 3つの無伴奏ヴィオラ組曲 (Max Reger: 3 Suites for Viola Solo, 1915)

マックス・レーガー(Max Reger)さんは、1873年にドイツに生まれ、後期ロマン派の作曲家に位置づけられる人です。巨体でブサイクでヘビースモーカーで大酒飲みだったようですが、多作でバッハ、ベートーヴェン、ブラームスの正統な後継者であると自負していました。しかし、暴飲暴食が祟ったようで、1916年に43歳の若さで早世してしまいました。 本日、ご紹介するのは、最近ブリリアント・クラシックスから公開された「3つの無伴奏ヴィオラ組曲」(Op.131d, 1915)です。後期ロ

本日の一曲 vol.170 ビリー・コブハム クアドラント4 (Billy Cobham: Quadrant 4, 1973)

ビリー・コブハム(Billy Cobham)さんは、1944年生まれのアメリカのドラマーです。本日ご紹介する「クアドラント4」が収録されたアルバム「スペクトラム(Spectrum)」は、ビリーさんの最初のソロ・アルバムでした。それまでは、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)さんのバンドや、マハヴィシュヌ・オーケストラ(Mahavishunu Orchestra)などで活躍していました。 「スペクトラム」には、キーボードのヤン・ハマー(Jan Hammer)さん、若

本日の一曲 vol.169 大野雄二 小さな旅 光と風の四季 (1983)

大野雄二さんは、1941年5月30日生まれのジャズ・ピアニストから出発した作曲家で、なんといっても誰もが知る「ルパン三世」の音楽が代表作です。大野さんの楽曲は、膨大な映画音楽やテレビ音楽を中心に、歌手への楽曲提供など幅広い創作活動の産物です。 その中で本日ご紹介するのは、NHK総合で放映されていた紀行番組「小さな旅」のテーマ音楽だった「光と風の四季」です。第1テーマの懐かしいメロディーを奏でるのはイングリッシュ・ホルンです。これをストリングスが引き取って第2テーマが奏でられ

本日の一曲 vol.168 ラフマニノフ 交響的舞曲 (Sergei Rachmaninov: Symphonic Dance, Op.45, 1940. by Kirill Petrenko & BPO)

セルゲイ・ラフマニノフさんの交響的舞曲は、ラフマニノフさんの「白鳥の歌」であり、当時移住していたアメリカの指揮者ユージン・オーマンディ(Eugene Ormandy)さんとフィラデルフィア管弦楽団に献呈されました。全編アメリカで作曲された唯一の曲だと言われています。 ラフマニノフさんの曲としては、唯一、アルト・サックスが使用された曲であり、また、ピアノも使用されています。 この動画は、第1楽章の一部だけですが、最近、交響曲第2番Op.27、交響詩「死の島」Op.29ととも

本日の一曲 vol.167 アーノンクール モーツァルト 交響曲第40番ト短調 K.550 (Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.40, 1788 played by Nicolous Harnoncourt & Royal Concertgebouw Orchestra) cf. シルヴィ・ヴァルタン 朱里エイコ

1787年5月28日、モーツァルトの才能を開花させ、ヨーロッパ中にモーツァルトをプロモートした父レオポルド・モーツァルトが亡くなり、その年の10月にオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を完成させた後、交響曲第40番は、翌年の1788年に交響曲第39番、第41番と同時期に作曲され、3大交響曲の1曲とされています。 父レオポルドの死をきっかけにモーツァルトの作風は曲に暗い影を落とすようになった気がします。モーツァルトの交響曲のうち、短調の曲はこの40番と25番の2曲だけで、いずれもト短

本日の一曲 vol.166 YOYOKA レッド・ブーツ (Yoyoka: Led Boots, 2023. Narada Michael Walden Foundation Holiday Jam)

Yoyokaさんは、8歳のとき、レッド・ツェッペリンの「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」のYouTube動画で有名になった北海道出身の現在14歳のドラマーです。今回は、ナラダ・マイケル・ウォルデン財団の昨年クリスマスの「ホリデー・ジャム」のライブ演奏です。 演奏している曲は、ジェフ・ベックさんの1976年リリースの「ワイヤード(Wired)」の1曲目に収録された「レッド・ブーツ(Led Boots)」です。このドラムを担当したのがナラダさんであり、名演奏として有名な録音

本日の一曲 vol.165 ピエール・ポルト フライデーナイト・ファンタジー (Pierre Porte: Cris D'amour, 1985. Trumpet by Dominic Derasse)

日本で衛星放送が始まったのは、1984年5月のNHK-BS1でしたが、1989年6月にNHK-BS2が始まり、映画がたくさん放映されるようになり、1991年にWOWOWが開局してからは、テレビで映画三昧という贅沢ができるようになりました。衛星放送が始まるまでは、地上波の各テレビ局が1週間サイクルで、何曜日はどこのテレビ局が映画を放映すると大体決まっていました。金曜日は、日本テレビ系列の「金曜ロードショー」は、1985年から始まり、解説は「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~

本日の一曲 vol.164 デヴィッド・ボウイ ビロードの金鉱 (David Bowie: Velvet Goldmine, 1971)

デヴィッド・ボウイさんの「ヴェルヴェット・ゴールドマイン」は、名盤「ジギー・スターダスト」と同時期に録音されましたが、同盤には収録されず、1975年になり、「スペース・オディティ」と「チェインジズ」のマキシ・シングルとして発表された曲です。 題名や歌詞の内容は、エロチックな行為の暗喩です。曲の構成としては、ほぼメロディーのない部分とサビの部分からなっていますが、サビは、デヴィッド・ボウイさんの低音の歌とサビの後半に印象的なハミングを聴くことができます。 前述のマキシ・シン

本日の一曲 vol.163 八代亜紀 MU-JO~アコースティックバラード~ (2013)

八代亜紀さんのご冥福をお祈りします。 作詞伊藤薫さん、作曲マーティ・フリードマンさんです。 (by R)

本日の一曲 vol.162 グリモー モーツァルト ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488 (Mozart: Piano Concerto No.23 K.488, 1786. Played by Hélène Grimaud) cf. 薬師丸ひろ子

モーツァルトのピアノ協奏曲第23番は、1786年の作品であり、オペラ「フィガロの結婚」と同時期のものになります。古典派のピアノ協奏曲の最高傑作と言われることもあります。 演奏は、エレーヌ・グリモー(Hélène Grimaud)さんのものをご紹介します。エレーヌさんは、1969年にフランスのエクサンプロヴァンスで生まれ、パリ音楽院で学んだフランスのピアニストですが、フランス音楽よりもドイツ音楽に親しみを感じると話したりしています。また、ご自身で、共感覚があると話しており、音