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本日の一曲 20世紀第3四半期の音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1951年~1975年の音楽をまとめました。
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2023年10月の記事一覧

本日の一曲 vol.83 ザ・ローリング・ストーンズ 彼氏になりたい (The Rolling Stones: I Wanna Be Your Man, 1963. cf. 1988 Mick Jagger Speech)

ザ・ローリング・ストーンズの「彼氏になりたい」は、「カム・オン」に続く彼らの2枚目のシングル盤です。なんと、この曲はビートルズが提供した曲でした。そのあたりのいきさつをミック・ジャガーさん自らのお話で聴けたのはとてもよかったです。 もう余計なことは書きませんので、曲をお聴きください。 ビートルズは、この後にセルフ・カバーしました。「ウィズ・ザ・ビートルズ」バージョンよりも荒削りなアンソロジー・バージョンを貼っておきます。 (by R)

本日の一曲 vol.82 バック・オーウェンス アクト・ナチュラリー (Buck Owens: Act Naturally, 1963 cf. The Beatles)

本日は、ビートルズの「ヘルプ!4人はアイドル」に収録された2曲のカバー曲のオリジナル・バージョンをご紹介しましょう。 Act Naturally「アクト・ナチュラリー」の作詞作曲のクレジットは、「Johnny Russel-Voni Morrison」となっていますが、実際にはカントリー歌手兼コメディアンのジョニー・ラッセルさんの作詞作曲で、ヴォニ・モリソンさんは名前だけだそうです。ヴォニさんは、ジョニーさんの仕事仲間だったようで、ヴォニさんが別の仕事仲間だった同じくカント

本日の一曲 vol.81 チャック・ベリー ロックンロール・ミュージック (Chuck Berry: Rock and Roll Music, 1957. cf. The Beatles)

本日は、ビートルズの4枚目のアルバム「フォー・セール」に収録されたカバー曲のオリジナルを紹介したいと思います。 Rock and Roll Musicビートルズのカバーバージョンといい、説明不要の名曲です! 1976年には同名のコンピレーション盤がリリースされました。このアルバム・ジャケットは評判が悪かったですね! ちょうど同時期にビーチボーイズ(The Beach Boys)のカバーもリリースされました。 Mr. Moonlight「ミスター・ムーンライト」は、ロイ

本日の一曲 vol.80 リゲティ ロンターノ (György Ligeti: Lontano, 1967)

本日ご紹介するのは、現代音楽の作曲家であるリゲティさんの管弦楽曲「ロンターノ」です。正直なところ、このような音楽を聴くのは苦痛であるという方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、心を無にして聴いてみるのもよろしいかと思います。 映画監督のスタンリー・キューブリックさんはいくつかの映画でリゲティさんの音楽を使用していますが、この曲は「シャイニング」で使われています。シャイニングはホラーなので、この曲を聴くと不安な気持ちになってもおかしくはありません。 ただ、この曲の題名の「

本日の一曲 vol.75 レッド・ツェッペリン 天国への階段 (Led Zeppelin; Stairway To Heaven, 1971)

本日ご紹介するレッド・ツェッペリンの「天国への階段」はとても有名な曲で、YouTubeの再生回数を見ても、5年前の公開から1億回以上になっています。これからもどんどん増えていくことでしょう。 この曲は、「レッド・ツェッペリンⅣ」と呼ばれるアルバムに収録された曲で、レコードでいうと、A面4曲目、ブラック・ドッグ、ロックン・ロール、限りなき戦い、と続いての4曲目でした。 「レッド・ツェッペリンⅣ」のレコード・ジャケットは見開きで表にも裏にも文字はなく、表には額縁に薪を背負った

本日の一曲 vol.72 UPP: Get Down In The Dirt (1975, cf. Jeff Beck and 新しい学校のリーダーズ)

本日ご紹介するのは、UPPという1970年代に活動していたイギリスのフュージョン(Rock-Jazz Fusion)・バンドの曲で「Get Down In The Dirt」という曲です。このバンドは、今年の1月10日に亡くなってしまったギタリストのジェフ・ベック(Jeff Beck)さんがプロデュースしたバンドでした。このバンドをご存知の方はあまりいないと思います。 さて、どこかで聴いたことはありませんか?ジェフ・ベックさんがUPPとイギリスのBBCに出演し、この曲をボー

本日の一曲 vol.66 キンクス 20世紀の男 (The Kinks: 20th Century Man, 1971)

イギリスのバンド、ザ・キンクスは、時期的に、契約していたレコード会社によって、なんとなく音楽の指向性が違っているバンドですが、今回の「20世紀の男」は、RCAと契約したばかりのころに発売された「マズウェル・ヒルビリーズ(Muswell Hillbillies)」というアルバムの1曲目に収録されていた曲です。 以下は、歌詞です。ボーカルのレイ・デイヴィスさんによるものです。「ぼくは20世紀の男なんだけど、こんな時代にはいたくない」という内容です。レイさんがシニカルだと言われる

本日の一曲 vol.63 アイリーン・ウィルソン ティル・アイ・メット・ユー (Eileen Willson: Til I Met You, 1950. cf. The Beatles)

本日は、ビートルズのセカンド・アルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ(With The Beatles)」のカバー曲のオリジナル曲を紹介します。 Till There Was You「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」は、メレディス・ウィルソン(Meredith Willson)さんがミュージカルのために書いた曲で、最初は、「ティル・アイ・メット・ユー(Till I Met You)」という題名で、1950年にアイリーン・ウィルソン(Eileen Wilson)さんが歌って録音しました

本日の一曲 vol.62 アーサー・アレクサンダー アンナ (Arthur Alexander: Anna (Go To Him), 1962. cf. The Beatles)

本日は、ビートルズのファーストアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」に収録されたカバー曲のオリジナル曲を紹介したいと思います。 Anna (Go To Him)「アンナ」は、アーサー・アレクサンダーさんの曲(1962年)で、ジョン・レノン(John Lennon)さんのお気に入りの曲だったそうです。 Chains「チェインズ」は、ジェリー・ゴフィン(Gerry Goffin)さん&キャロル・キング(Carole King)さんによる曲で、ザ・クッキーズ(The Cookie

本日の一曲 vol.61 ロキシー・ミュージック ヨーロッパ哀歌 (Roxy Music: A Song For Europe, 1973)

ロキシー・ミュージックは、ボーカルのブライアン・フェリーさん(Bryan Ferry)が中心となって、ブライアン・イーノ(Brian Eno)さん、アンディ・マッケイ(Andy Mackay)さん、フィル・マンザネラ(Phil Manzanera)さん、ポール・トンプソン (Paul Thompson)さん、グラハム・シンプソン(Graham Simpson)さんらが参加していたバンドで、そのスタイリッシュなアルバム・ジャケットが素敵でした。 本日ご紹介するのは、彼らの3枚

本日の一曲 vol.57 パコ・デ・ルシア&リカルド・モドレーゴ コーヒー・ルンバ (Paco de Lucía & Ricardo Modrego: Moliendo Café, 1965)

本日ご紹介するのは、ギタリストなら誰でも憧れるフラメンコ・ギターによる「コーヒー・ルンバ」です。どこか郷愁を誘う雰囲気と速弾きがフラメンコ・ギターの魅力です。 この左側の人がリカルド・モドレーゴさん、右側の人がパコ・デ・ルシアさんですが、パコさんは、この後、ジャズ界にも引っ張りだこになります。そのきっかけとなったのが、アル・ディ・メオラ(Al Di Meola)さんとの「地中海の舞踏(Mediterranean Sundance)」での共演です。 ところで、「コーヒー・ル