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本日の一曲 20世紀第3四半期の音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1951年~1975年の音楽をまとめました。
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2023年9月の記事一覧

本日の一曲 vol.52 ジェームス・ブラウン ファンキー・ドラマー (James Brown: Funky Drummer, 1970)

本日ご紹介するのは、「ミスター・ダイナマイト」「ファンクの帝王」ジェームス・ブラウンさんの曲です。彼の本当にたくさんある楽曲の中から、もはや終わってしまった「タモリ倶楽部」の名物コーナー「空耳アワー」の傑作とされる「ファンキー・ドラマー」です(問題の箇所😊は1:16あたりからです)。 お聴きになればおわかりになると思いますが、グルーヴ感のあるリズムに、旋律がほとんどない歌をのせ、ほとんどワン・コードで曲が進むという作りになっています。現在では、ヒップ・ホップ(Hip hop

本日の一曲 vol.50 T.レックス ロウ・ランプ (T.Rex: There Was A Time / Raw Ramp / Electric Boogie, 1971)

本日ご紹介するのは、T.レックスという、かつてグラム・ロックと呼ばれていたムーヴメントの代表的なバンドで、マーク・ボラン(Marc Bolan)さんがボーカルとギターを担当していたバンドです。T.レックスの前身は「ティラノサウルス・レックス(Tyranosaurus Rex=ティラノサウルスの王)」というアコースティック・ギターとボンゴの2人組のバンドで、グラム・ロック(「グラム」とは「グラマラス(glamorous)」からきています)というよりは、フォーク・ロックといった感

本日の一曲 vol.37 カレッジ 宇宙大戦争「スタートレック」のテーマ (Alexander Courage: Theme From Star Trek, 1966)

今日の「本日の一曲」は「宇宙大戦争 スタートレック」のテーマ曲をご紹介します。このテーマの作曲者は、アメリカのオーケストレーター、作曲家のアレクサンダー・カレッジさんですが、スタートレックシリーズをご覧になったことがない方でも、「アメリカ横断ウルトラクイズ」のテーマ曲としてメロディを耳にされたことがあるのではないでしょうか。トランペットが美味しい一曲で、吹奏楽や自衛隊音楽隊など演奏されています。 ウルトラクイズで使われたメイナード・ファーガソン(Maynard Fergus

本日の一曲 vol.31 マイルス・デイヴィス 死刑台のエレベーター (Miles Davis: Ascenseur Pour L'Echafaud, 1958)

弱冠25歳だったルイ・マル監督の依頼でマイルス・デイヴィスが映像を見ながら即興で作曲したと言われる映画「死刑台のエレベーター」(出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モローほか)の映画音楽です。音楽自体もすばらしいと思いますが、本当に映像と音楽がマッチした傑作だと思います。 マイルス・デイヴィスの音楽はよく「都会的」だとか「都会に似合う」と言われるのですが、どう思われますか?ところで、この映画「死刑台のエレベーター」は、2010年に日本でリメイクされました(緒方明監督、出演:阿部

本日の一曲 vol.30 バンバン 「いちご白書」をもう一度 (1975)

バンバンのばんばひろふみさんが松任谷正隆さんを通じて荒井由実さん(当時)に依頼して作詞作曲してもらった曲です。ユーミンのファンなら一聴してユーミンの曲だとわかりますね! ところで、この「いちご白書」は恋愛と学生運動をテーマとしたアメリカ映画です(The Strawberry Statement, 1970)。その中で学生がジョン・レノンの「平和を我等に」(Plactic Ono Band: Give Peace A Chance, 1969)を歌う場面があります。 また、

本日の一曲 vol.26 サム・クック ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー (Sam Cooke: Bring It On Home To Me, 1962)

サム・クックさんは、1931(昭和6)年に生まれ、19歳でゴスペルのソウル・スターラーズのリード・ボーカルとなり、26歳でソロとして数々のヒット曲を飛ばし、1964年12月11日に33歳で射殺されてその生涯を終えました。 サムさんの曲は多くのミュージシャンにカバーされ、本日ご紹介する「Bring It On Home To Me」も、ウィルソン・ピケット、アレサ・フランクリンなどだけではなく、アニマルズ、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ロッド・スチュワート、日本でも

本日の一曲 vol.25 キング・クリムゾン スターレス (King Crimson: Starless, 1974)

キング・クリムゾンは、さまざまなメンバーが入れ代わり立ち代わりになっていますが、ギタリストのロバート・フリップ(Robert Fripp, 1946-)さんのバンドだと言っていいと思います。その活動も1969年から現在までと50年以上にわたります。 キング・クリムゾンは、音楽のジャンルとしては、プログレシブ・ロック(略して「プログレ」)と位置づけられていますが、「プログレ」とはどんなジャンルを指すのかというと、ごく簡単に申し上げると「クラシック風味の長くて複雑なロック」とい