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本日の一曲 20世紀第3四半期の音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1951年~1975年の音楽をまとめました。
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2023年8月の記事一覧

本日の一曲 vol.7 ジミ・ヘンドリックス アメリカ国歌 (Jimi Hendrix: The Star-Spangled Banner, 1969)

ウッドストック音楽の夏といえば野外ロック・フェスティバルですね。今から54年前の1969年8月15日から17日まで、アメリカ合衆国ニューヨーク州のウッドストックで野外フェスティバルが開催され、約40万人の観客が集まったと言われています。当時のアメリカはベトナム戦争中であり、カウンター・カルチャーのイベントとして映画にもなり、その様子は今でも観ることができます。 その中でもうイベントも終わりそうなときに、ようやく登場したジミ・ヘンドリックスさんが「アメリカ国歌(The St

本日の一曲 vol.22 バート・ヤンシュ ブラック・ウォーター・サイド (Bert Jansch: Black Water Side, 1966)

本日ご紹介するのは、イギリスのフォークソングの大御所バート・ヤンシュさんの有名曲で、オリジナルはアイルランド民謡の「Down by Blackwaterside」という曲です。バート・ヤンシュさんはペンタングル(Pentangle)というグループの一員でもあります。 Wikipediaによると、「ブロークン・ハートの女性」のことを歌った曲のようです。イギリスの女優であり歌手でもあるアイラ・キャメロン(Isla Cameron)さんの録音があります。 アメリカのリュート奏者

本日の一曲 vol.16 ビル・エヴァンスとジェレミー・スタイグ 枯葉 (Bill Evans with Jeremy Steig: Autumun Leaves, 1969)

本日ご紹介するのは、シャンソンの名曲「Les Feuilles mortes」のジャズ演奏です。フルートのかすれた音色がとてもすばらしいと思います。 もともとこの曲は、1946年のマルセル・カルネ監督・映画「夜の門」の中で歌手のイヴ・モンタンさんが歌ったのがオリジナルだということです。 この曲の原題のフランス語は、「Les Feuilles mortes」(死んだ葉っぱという意味)ですが、アメリカに輸入されたときに「Autumun Leaves」(秋の葉っぱという意味)に

本日の一曲 vol.15 ザ・ローリング・ストーンズ 悲しみのアンジー (The Rolling Stones: Angie, 1973)

1962年の結成から現在までの約60年間、同時代のビートルズ、ザ・フー、キンクスなどが解散や活動中止などする中、ローリング・ストーンズは綿々と活動を続けています。本当にすごいことだと思います。 ローリング・ストーンズのボーカルであるミック・ジャガーさんが、ビルボードが選ぶ The 50 Greatest Rock Lead Singers of All Time(史上最も偉大なロック歌手50人)の 第1位に選ばれましたので、今回紹介したいと思います。 本日は、1973年に

本日の一曲 vol.12 オノ・ヨーコ ホワイ (Yoko Ono: Why, 1970)

オノ・ヨーコさんというと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?彼女は、パンク・ロッカーだったのです。 彼女は、いわゆる前衛芸術家で、ビートルズのジョン・レノンの知り合い、1969年に結婚しました。1980年にジョン・レノンは狂信的なファンと言われていた男に射殺されてしまい、その後は平和活動をしていたとして有名な方です。1933年生まれで、現在もご健在です。 ジョン・レノンとの結婚前後、彼と「未完成作品第1番(Unfinished Music No.1: Two Virg

本日の一曲 vol.8 高石友也 死んだ女の子 (1967)

この「死んだ女の子」は、1945年8月6日に広島で亡くなった女の子のことを歌った曲で、トルコの詩人ナーズム・ヒクメットが1956年に発表した詩に、先月お亡くなりになられた指揮者・作曲家の外山雄三さんが作曲をしたものです。 高石友也(高石ともや)さんは、「受験生ブルース」が有名ですが、この曲は1967年にリリースされた「想い出の赤いヤッケ・高石友也フォーク・アルバム」に収録されたものです。淡々として歌われていますが、その内容はとても残酷で胸をしめつけられます。 2006年に

本日の一曲 vol.2 はっぴいえんど 夏なんです (1971)

はっぴいえんどは、細野晴臣さん、大瀧詠一さん、松本隆さん、鈴木茂さんの4人からなる日本のポップス・シーンを牽引してきたバンドです。この「夏なんです」は、1971年に発売された「風街ろまん」に収録された1曲で、松本隆さんの作詞と細野晴臣さんの作曲にかかる曲です。夏のけだるい暑さが表現されています。 このアルバムには、大瀧詠一さん作詞作曲、リードボーカルの「颱風」という曲も収録されていますが、その後の大瀧さんの歌い方からは想像できない歌い方をしています。 余談ですが、細野晴臣