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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲編

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多作であるハイドンの曲を一日一曲ずつ聴いていきましょう。
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2024年3月の記事一覧

本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第5番 教会ソナタ (Sinfonia No.5 A Dur, 1760)

「教会ソナタ」とは、中期バロック時代(クープランやスカルラッティ、コレッリの時代)からの分類で、舞曲を中心としたソナタ・ダ・カメラ(Sonata da camera, 室内ソナタ)とこの第5番のように最初に緩徐楽章がある「真面目な」ソナタ・ダ・キエーザ(Sonata da chiesa, 教会ソナタ)とがあります。「教会」といっても、特に教会で演奏されるという意味ではなく、単に「真面目」という意味のようです。 Symphony No. 5 in A Major, Hob.I

本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第4番 ファンファーレ (Sinfonia No.4, 1760)

ハイドンの交響曲には、副題がついているのですが、ハイドンさんご本人が付けたものは少なく、後からつけられたものも多くあります。それでも、副題がないものもたくさんありますが、それなら、勝手に付けてもかまわないだろうということで、それらしいと思われるものを勝手に付けさせていただいております。第1番から第4番までの副題は、勝手に付けさせていただいたものです。 交響曲第4番ニ長調(Sinfonia No.4 D Dur, Hob.I:4) 第1楽章 Presto ファンファーレ付きの

本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第3番 メヌエット付き (Sinfonia No.3, 1761)

初めての4楽章形式で、メヌエットが現れます。 交響曲第3番ト長調(Sinfonia No.3 G Dur Hob.I:3) 第1楽章 Allegro 小刻みなリズムにのせての息の長い旋律が印象的です。長調ですが、モーツァルトの交響曲第25番第1楽章を彷彿とさせます。 第2楽章 Andante moderato 悲しみの中にも希望があるという趣のアンダンテです。 第3楽章 Menuet & Trio 中庸のテンポによる舞曲で、まさにメヌエット。 第4楽章 Finale. Al

本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第2番 反復なし (Sinfonia No.2, 1760)

ハイドンの交響曲第2番は、演奏時間が10分もかからない短い交響曲です。繰り返し記号が一切ないことから短いそうです。 交響曲第2番ハ長調(Sinfonia No.2) 第1楽章 Allegro 低音のうねるフレーズが印象的です。 第2楽章 Andante 食事の音楽と思いきや短調がまぎれこみます。 第3楽章 Presto 悲喜こもごもの舞曲です。 イギリスの古音楽の権威クリストファー・ホグウッドさん指揮古音楽アカデミーの演奏です。 鈴木秀美さん指揮で、鈴木さんが音楽監督を

本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第1番 (Sinfonia No.1, 1759)

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn)さんは、1732年3月31日、オーストリアのニーダーエスターライヒ州ローラウ村で、車大工の父、料理女の母との間に生まれました。音楽学校の校長をしていた義理の叔父に才能を認められ、6歳から音楽の勉強を始め、8歳からウィーンに移り、聖歌隊の一員として働き始めました。17歳のときに変声期になり、聖歌隊を解雇され、その後、職を転々としました。この時期に作曲を始め、現存する最初の作曲は、1750年の18歳のころに書かれ