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本日の一曲 19世紀までのクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、19世紀以前のクラシック音楽をまとめました。
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2024年4月の記事一覧

本日の一曲 vol.255 バッハ フーガの技法 (Johann Sebastian Bach: Die Kunst der Fuge d moll BWV1080, 1751)

バッハのフーガの技法は、バッハの晩年に作曲が開始され、楽器の指定もなく書き進められて、バッハの死により未完となってしまった作品ですが、「クラシック音楽の最高傑作」とも呼ばれたりします。 「フーガの技法」とは曲名であり、テクニックなどの名前ではありません。CDのトラックの表記にも「Contrapunctus(コントラプンクトゥス、対位)」と聞き慣れない言葉が書かれていて、とっつきにくい感じがします。 20世紀のバッハ音楽の最大の演奏者グレン・グールド(Glenn Gould

本日の一曲 vol.246 シューマン ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調 (Robert Schumann: Piano Sonate No.1 Fis moll Op.11, 1835)

ロベルト・シューマンさんは、1810年6月8日、ドイツ・ザクセン州のツヴィッカウの裕福な家庭に生まれ、10代まで文学や音楽に親しむ生活を送りましたが、1828年の18歳のとき、親の希望でライプツィヒ法科大学に進学しました。しかし、シューマンさん自身が法律よりも音楽の道に進みたかったこと、ピアノ教師フリードリヒ・ヴィーク(Friedrich Wieck)先生との出会い、ベートーヴェン交響曲全曲演奏会、バッハのカンタータ、ロッシーニのオペラなどに触れ、さらに、ニコロ・パガニーニ(

本日の一曲 vol.241 リスト 死の舞踏 (Franz Liszt: Totentanz, 1849)

フランツ・リストさんの「死の舞踏」は、ピアノとオーケストラのための作品であり、2曲のピアノ協奏曲と並んで演奏会で取り上げられる曲です。 作曲のきっかけは、1838年から翌1839年にイタリアを旅行した際、ピサのカンボ・サント墓地にある壁画「死の勝利」を見て、着想を得たそうです。 リストさんが見た壁画「死の勝利」とは、前述のページにある14世紀に描かれたブオナミコ・バッファルマッコ(Buonamico Buffalmacco)さんのフレスコ画「死の勝利(Trinfo del

本日の一曲 vol.237 フルトヴェングラー ブルックナー 交響曲第8番 (Anton Bruckner: Symphony No.8 c moll, 1892 performed by Furtwängler & BPO)

アントン・ブルックナーさんは、1824年9月4日、オーストリア・リンツ近郊のアンスフェルデンで生まれ(乙女座)、1896年10月11日、ウィーンで72歳の生涯を終えました。現代で親しまれているのは、全部で11曲の交響曲と大規模な合唱曲数曲程度ですが、クラシック音楽のファンにとって、ブルックナーの作品はとても大きな位置を締めていると思います。 現代のブルックナーの交響曲の演奏は、遅いテンポで悠然と演奏するのがスタンダードになっていると思いますが、本日ご紹介するウィルヘルム・フ