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本日の一曲 19世紀までのクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、19世紀以前のクラシック音楽をまとめました。
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2024年3月の記事一覧

本日の一曲 vol.230 フィールド ノクターン集 (John Field: Nocturnes, 19C)

ジョン・フィールドは、1782年7月26日にアイルランド・ダブリンで生まれ、1837年1月23日に54歳でモスクワで亡くなったアイルランドの作曲家・ピアニストです。ショパンで有名になった「ノクターン(夜想曲)」の創始者として広く知られています。 ピアニストとしては、ソナチネで有名なムツィオ・クレメンティ(Muzio Clementi)の弟子であり、クレメンティさんがピアノの製造業をしていたことから、クレメンティのピアノのセールスマンだったという話もあります。 フィールドさ

本日の一曲 vol.225 ショルティ モーツァルト 交響曲第41番 ジュピター (Mozart: Symphony No.41 "Jupiter" K.551, performed by Georg Solti & Chamber Orchestra of Europe)

モーツァルトのジュピターは、モーツァルトの最後の交響曲で、番号は41番、ケッヘル番号は551、1788年、モーツァルト32歳、死の3年前の作品です。 ジュピターは、ほぼ同時期に作曲された後期3大交響曲と言われる39番 K.543、40番 K.550、41番の最後を飾る交響曲です。宇野功芳さんによれば、39番は「玲瓏」、40番は「哀愁」、41番は「壮麗」という言葉で表現されています。 モーツァルトの時期による作風は、だいたいオペラと同期していると考えてよいかと思います。モー

本日の一曲 vol.222 クレンペラー メンデルスゾーン スコットランド (Felix Mendelssohn: Symphony No.3 "Scottish", 1842 performed by Otto Klemperer & PO)

フェリックス・メンデルスゾーンさんの交響曲は、全部で5曲あります。 第1番 ハ短調 Op.11 1824年作曲 第2番 「讃歌」(シンフォニアと10曲)Op.52 1840年作曲・初演 第3番 イ短調「スコットランド」Op.56 1831、1842年作曲 1842年初演 第4番 イ長調「イタリア」Op.90 1831~1833年作曲 1833年初演 第5番 ニ短調「宗教改革」Op.107 1830年作曲 1832年初演 作曲順としては、第1番→第5番→第4番→第2

本日の一曲 vol.218 スーク 4つの小品 (Joseph Suk: 4 Pieces for Violin and Piano, 1900)

作曲者のヨセフ・スク(Josef Suk)さんは、1874年1月4日にボヘミア(現在のチェコ共和国)に生まれ、20世紀前半まで活躍した作曲家・ヴァイオリニストです。そのお孫さんもヴァイオリニストのヨゼフ・スーク(Josef Suk)さんで、同じ名前ですが、Wikipediaの日本語表記は、前記のとおり、すこし違っています。 ヨセフ・スクさんは、ドヴォルザークさんのお弟子さんで、しかも、1898年、ドヴォルザークさんの娘さんであるオティーリエさんと結婚しましたので、ドヴォルザ

本日の一曲 vol.212 リヒャルト・シュトラウス ツァラトゥストラはこう言った (Richard Strauss: Also sprach Zarathustra, 1896)

使用例リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはこう言った」は、ともかく冒頭部分ばかりが有名です。ご存知、スタンリー・キューブリック監督、1968年公開の「2001年宇宙の旅」の冒頭などで有名な使用例がありました。 また、日本の戦前の「日本ニュース」で使われた例もありました。 ニーチェこの「ツァラトゥストラはこう言った」は、同名の哲学者フリードリヒ・ニーチェの難解な哲学書をシュトラウスさんが読んで得たインスピレーションから作曲したもので、その哲学書を具体化した音楽で