ダイビング中にサンゴを折っちゃったら、こうしてください。
毎週月曜日から金曜日まで毎日更新の『初心者ダイバーさんに捧げるマガジン』
次のダイビングがちょっとだけ楽しみになるスパイスになるような内容をお送りしております。
さて、本日はこちら。
「実は調査したダイバーの84%はアンケートで中性浮力が取れていると答えていたのですが、実際に潜ってみると中性浮力が取れていたのは38%でした」
東京工業大学の博士課程で沖縄の調査でサンゴを破壊するダイバーを数値化した豊島敦子さんは語りました。https://diver-online.com/archives/diving_skill/1246より
やっぱり、中性浮力って課題ですねー。ワタシもこのマガジンを出すきっかけとなったのは「中性浮力のとり方をなんとか文字で伝えたい」というところだったので、この数値のギャップは興味深い。
現場で見る限りでも、確かに中性浮力がとれているダイバーさんより中性浮力がとれている風なダイバーさんの方が多い印象はあります。多少のフィンキックなどでカバーしているダイバーさん。
完全な中性浮力を実践していればフィンがサンゴに触れただけでは、サンゴは壊れません。
フィンをキックしているからサンゴもキックしてしまうんです。あーー、この違い伝われ~~つたわれ~~~!!
サンゴを指先でちょんと触ったくらいでは壊れないのといっしょです。
フィンキックに頼らない中性浮力マスターになれるまで、ぜひぜひ意識して取り組んでいただきたいっ!
そこまで中性浮力をマスターするまで、できない人は砂地オンリーでダイビングしてたらいいのーーー!?
そんなことはないっす。
今日伝えたいのは、中性浮力を完璧にとれるようにしてサンゴを破壊しないダイバーになろうってところじゃなくて、いやいや、それがもちろん大切なゴールなんだけど、今日はそこに行くまでの行程でやっちまった~~!!ってときにこうしてねってことを伝えたい。
サンゴは生きてる
今年の夏に『サイパンのサンゴの産卵プロジェクト』というのをやって、生まれる様子を確認することができました。
同プロジェクトに参加した博士ことスグルくんがまとめた記事もありますので、詳しく知りたい方や興味のある方はこちらもどーぞ。
生きてるってことはいつか死ぬってことなんだけど…。サンゴって折れても生きてるの知ってました?
サンゴ礁って1つの生き物じゃなくて、マンションみたいなものなので、サンゴが折れたって言う状態は、マンションから1室もげた状態。
あなたの住んでいるそのマンションからあなたの部屋が突然分離されてもあなたはすぐに死んだりしませんよね!?
それと同じ。
マンションは修復可能
さあ、突然分離されてしまったあなたのお部屋ですが、とりあえず元々あった場所にクレーンかなんかで戻してみよう。
自動で修復…しませんね。
でもね、なんとサンゴマンションは元に戻すと自動修復するんです!優秀!
だから今日ひとつだけ伝えたいのは、折ってしまったことはもう仕方がない。やっちまったことを十分に反省してもらったら、決してそのままにしてその場を離れることなく元にあった場所に戻して。植物の接木のようにね。
なるべく、固定できるような場所に刺した方がその後再接着する可能性が高いように思います。
ただし、これはあくまでもワタシが18年サイパンの海を見てきて折れたサンゴがくっついたのを何回も見たよということで、学術的データに基づくものではありませんのでご了承ください。
でも、サンゴの養殖→移植ができるんだから、再接着も可能よね。
うなりや流れでまたポロっと落ちちゃったらダメみたいなので、しっかり挟める場所に刺すと良さそうに思います。
決して、中性浮力への取り組みを疎かにすることを推奨しているわけではないですよ!
なるべくスキルアップすることを念頭におきながら、その行程で万が一にもサンゴを折ってしまったら、そのままにせずにゴメンナサイと反省しながら元に戻してくださいというお話でした。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
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