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fieldnotes(日々の記録)

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リトルプレス『ありふれたくじら』の制作プロセス、随筆、うつろいかたちを変えていく思考の記録、などなど。不定期の投稿は、こちらのマガジンにまとめていきます。
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#青森

P.15|双子鯨の夢を見たら / If twin whales appear in my dreams

English follows Japanese. 国際芸術センター青森・ACACで開催中の展覧会「currents / undercurrentsーいま、めくるめく流れは出会って」にて発表している新作「双子鯨の夢を見たら」は、これまで私がめぐり合ったマッコウクジラたちそれぞれの異なる生と死に思いを馳せながら制作しました。 作品の中に、対となる詩を書きました。目の前にある現実と無意識のイメージ、夢と現実世界、あったはずの生と失われたもの。刺繍の表裏のような、二つの世界を語

P.7|鯨めぐり(青森県青森市〜八戸市〜岩手県洋野町)

三陸沿岸部〜北海道沿岸部の漂着鯨にまつわる記録や伝承の連なりが気になって、調べている。 特に、鯨がイワシやニシンを連れて来る漁業の神と結びつけられる話の数々。それは、全国一律に「捕鯨は日本の文化」と語られるようになった時代以前の、土地に根ざしたものの見方のような気がする。 8月最終週末、青森県青森市〜八戸市〜岩手県洋野町の旅記録。 1. 諏訪神社(青森県青森市栄町) 陸奥湾に流れ込む堤川の河口近くにあるこの神社には、祭日にイルカの群が川をのぼり参拝するという伝説がある