マガジンのカバー画像

fieldnotes(日々の記録)

22
リトルプレス『ありふれたくじら』の制作プロセス、随筆、うつろいかたちを変えていく思考の記録、などなど。不定期の投稿は、こちらのマガジンにまとめていきます。
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

『ありふれたくじら』Vol.6 刊行のお知らせ

リトルプレス『ありふれたくじら Vol.6:シネコック・インディアン・ネーション、ロングアイランド』 2019年、アメリカ合衆国ニューヨーク州・ロングアイランドを旅した。この島に暮らし、古くから鯨を利用し敬ってきた先住民シネコックを訪ねた。かつてロングアイランドの近海ではたびたび鯨が見られていたが、一時代に盛んだった捕鯨活動や船舶の往来により長い間姿を消していたという。近年、ふたたび鯨が現れるようになったこの島の海で、人と鯨はどのような物語を編んでいるのだろう。『Ordin

memo.|戦後41年に生まれ、戦後75年にふりかえる。

8月15日。先の戦争の終戦の日、日本中の人たちが死者を悼み「二度と戦争を繰り返さない」ことを誓う。 次の終戦の日まで、新たに始まる一年をどう過ごしていけるだろうと考える。 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止のため人が集うことが制限された今年はとくに「想像する」ことが重視されていた気がしている。 75年前の「あの日」、「あの日」までの日々と「あの日」から続いてきた日々を、後から生まれた者として想像する。 先の戦争を知る人たちの語りを聞き、残された記録を読み、あ

p.6|あなたにとっての青、わたしにとっての赤

8月です。 仙台は雨雲が去り、夏らしくなってきました。岩手県盛岡市・Cyg art gallery で毎夏開催されているART BOOK TERMINAL TOHOKU 2020が始まりました。私は2016年の開催時から毎年参加しています。 今日は、今年出品している新作のポストカード・ブック『あなたにとっての青、わたしにとっての赤』の紹介を。 ポストカードであり、本。ページは袋状になっていて、切手を貼って使っていただけるポストカードが1ページに1枚、入っています。これま