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【ちびまあ】ヤバメンタル


Yが経営するM自動車前を通る。思えば彼はクラス一小柄で瞳はキラキラと潤んで輝いており、女子からは「かわいいかわいい」とマスコット的な愛されキャラだった。

そういう彼への嫉妬というわけでもないが、
何分気が弱く泣き虫な性格ということもあり、嫌なこと理不尽な仕打ちに対して抵抗はするのだけど、なすがままされるがままの彼を利用していたという事実は否定できない。

ある日のこと。いつものように?陸上部主将の特権を活かし、走り高跳びのマットで俺そしてYとKというすきっ歯が特徴のひょうきんな格闘技好きの3人で、プロレスごっこをしていた。さあいよいよ盛り上がっていたところ、どこかしらから、集中砲火を受けた、Yではない。俺でもない。被害者はKだ。なぜかKだけがY親衛隊からブーイング砲を受けたのだ。

名誉のため、我々がYだけにパワーボムとかバックドロップとかを(なんで投げ技限定、、)一方的に放っていたわけではない。

それぞれの同意の下、
順番で代わる代わる楽しんでいたのだ。
何故Kだけが?!

大丈夫か?
気の毒に感じた俺は彼をねぎらう。
しかしそのねぎらいも徒労に終わるのであった。

「女好きの俺だぜ!?」

あのブーイングが歓声に聞こえたようだ。
幸せだなぁおまえってやつは。
でもなぁそのすきっ歯じゃ空気入り汲んで、いまいち決まらねえよ

そういえば?Yは!?と視線を向けると、
親衛隊の励ましに比例するかのごとくその瞳はしっかりとキラキラ潤んでいたのだった。

何だこのパラレルワールド


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