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初めて広告動画を制作するの巻

前回の続き。チュートリアル100個とその後の話です。


チュートリアルを100個やったあと、さて自分の映像を作るぞ!と鼻息荒くAfter Effectsを起動させたものの…

あれ?何を作ればいいかわからない…となり。

待てど暮らせど自分の内側からアイデアは何も出てきません。

結局、何からどうやって作ったら良いのか分からず途方に暮れる私。
それでとりあえず作ってみた初めての自主制作がこちらです。

うーん。

微妙ですよね?

自分で作っておいてそう思います。笑
(というか未熟な作品を今になってほじくり返すのはめちゃくちゃ恥ずかしい。w)

その理由は動画の「土台」にあります。

この時は、「次はこうかな?」「やっぱりこうした方が良かったかな…」といった感じで完全なる行き当たりばったり。動画内の言葉選びもしかり。


大前提として、企業案件にしても、自主制作にしても
映像には必ず「伝えたいこと」「目的」がまず先にあります。

届けたい人にどう伝えるのか。
どのようにストーリーを見せるのか。

映像はその後にある。

そう、この時の私に圧倒的に欠けていたのは「企画・構成力」だと痛感しました。

むしろ、こっちの方がAEの技術よりはるかに重要。

これって、今まで学んできたAfter Effectsのチュートリアルとは全く別の話なんですよね。軽く絶望。涙

企画構成を学ぶためにAE Render の受講を決意
広告動画における企画構成を学びたいなーと思っていたところに、偶然Twitterのタイムラインで、いたみはるなさんの素敵な制作物を発見して。その流れで4月からカズノコさんのオンライン映像スクール、AE Renderに入ることに決めました。(今考えればその選択は1億%正解でした!)

AE Renderでは、個人事業主として映像制作を仕事にするためのベーシックなAEスキルに加え、企画書・絵コンテの作り方、構成の考え方、営業方法、クライアントへのヒアリングの仕方、提案方法、デザインまで映像制作に必要なエッセンスを網羅的に学ぶことができました。

一般的な教材なら、「AEの操作方法」とか、「営業方法」「企画の作り方」といった映像のごく一部分のパートのみ、が多いところを、AE Renderではまるっと教えてくれます。
「こんなことまで聞いちゃっても良いの?!」とドキドキしてしまうほどの圧倒的且つ実用的な情報量。衝撃的でした。特に企画書編は、今後も何度も何度も見返すと思います。 

まさにAE Renderはフリーランスを目指す映像制作者にとっては無敵のコンテンツと言っても過言ではありません。カズノコさんのこれまでの経験などがぎゅっと凝縮され、内容が濃すぎて、教えたくないくらいです。笑

さらに、現役でプロとして活躍されているカズノコさんに企画書や絵コンテ、作った動画の添削までも直接無制限で丁寧にサポートしていただけることが何よりありがたく非常に貴重な機会でした。
結局のところ、自分自身の作品は特に客観視するのに限界があるというのもありますし、初学者が良し悪しや細かい修正すべき点は判断ができないので…

そういった面で、上手くなるためにはプロの目線からの率直な指摘、というものは確実に必要だと感じました。(実際に企画書、絵コンテの添削、動画のフィードバックを何度もしていただきました…!本当にありがたかったです!)

1フレームにこだわれ!
この3ヶ月間に、もうひとつ学んだことがあります。

それは、プロと素人の映像の違い。
※主にモーションについて

一体何が違うのかを知りたくて、ずっと考えていた時期がありました。
LIKI.Incさんのモーショングラフィックスとか、もう本当にため息が出るほどカッコイイですよね。永遠に見てしまう…。

見ていて心地よい映像というのは、ごく自然にひとつの線のように映像がシームレスに流れていきます。

この、「ごく自然に」というのがポイントで。

映像の世界は意外とアナログなので、プロは「ごく自然に見せるため」に
とんでもない労力をかけて要素×要素を掛け合わせてつないだり、
大量のキーフレームを打ったりと…1フレーム単位※でゴリゴリの力業で微調整を繰り返している、という結論に達しました。
そもそも、動画そのものが静止画を連続させたものなので…。プロからしたら1フレームにこだわり、手間を惜しまないということはごくごく当たり前のことなのかもしれません。
※1秒間に表示されるフレーム数のこと。だいたい24fpsか29.97fpsを使用することが多い

たった1フレーム、されど1フレーム。
その1フレームにどこまでこだわり抜けるか。

そのわずかな違いが、全体として見た時に圧倒的な差となってくる。
それがプロと素人の分かれ目だと気づきました。
まさに、「神は細部に宿る」。

アニメーションの12の原則(The Illusion of Life)
そもそも、人間の目から見た物体の自然な動きってどんなもの?
なぜ自然に見えるんだろう?

そんなことを考えていたときに、「アニメーションの12の原則」に出会います。こちらもAe Renderで教えていただきました。

それはまさに命を吹き込む魔法。
ディズニーのアニメーター、オリージョンストンさんとフランクトーマスさんが1981年に提唱したもので、動きにおける予備動作、副次アクション、スカッシュ&ストレッチなどの12の手法を取り入れることにより、オブジェクトを見ている側により自然で生き生きとした印象を与えることができます。

YouTubeでの解説はこちらがめちゃくちゃ分かりやすかったです💡

 こうした概念を知り、すぐに頭に叩き込み、ひとつひとつのモーションに出来る限り取り入れるようにしたところ、以前に比べかなり自然なアニメーションに近づいたような気がします。

そんなこんなで、
 ・「企画構成」
 ・「アニメーションの原則」
 ・「1フレームへのこだわり」
この3点を取り入れ、さらに先ほど前述したカズノコさんからのフィードバックを頂きながら架空の広告動画を制作しました。
それがこちら。

めっちゃお固いビジネス系、しかも投資の広告動画て。笑

いえ、これを選んだのには訳があるんです。

 ❶ インフォグラフィックがやりたかった
 ❷ 動き(モーション)がシンプル
 ❸ デザイン初心者の自分でもデザインを組めそうだった
 ❹ 需要がありそう

これらを掛け合わせた結果、こうなりました。
また、ナレーションにも初挑戦。(マイクもなく、まさかのiPadで録音。)

その結果、大変ありがたいことに、この広告動画をAE RenderのLPに受講生の声として掲載していただけることになりました!
恐縮とともに光栄で…。頑張って本当に良かったと思いました…!

今後も引き続き自主制作で広告動画を作りながらアウトプットして、同時にスキルも伸ばしていきたいと思っています。
苦手なデザインも勉強して、自分の納得できるクオリティを安定して出せるようになったら、営業して案件も徐々に取っていきたい…!
ちなみに今現在の憧れは、TwitterのDMでお仕事をお受けすることです。
「TwitterのDMで案件いただいて〜」とか一度は言ってみたい。笑


今、思うこと。
というわけで、昨年の12月からなんとなく始めたAfterEffectsでの映像制作。1月から3月まではAEチュートリアル100個をして、4月から6月までの3ヶ月は色々と試行錯誤しながら、実際の広告でアウトプット。
AE Renderの受講に加え、vimeoで動画を見漁ったり、個別指導でAEを教えてもらったりと主に企画構成に重点をおいて学習しました。

そして、これは何にでも言えることだとは思いますが、
不思議なことに、練習をすればするほど、人って不安になるんですよね。
あれもこれも足りてないんじゃないかって。

上手くいかなくて、悩む日もある。

分からなくて、投げ出したくなる時もある。

それでも。

どうしたらできるようになるか考える。

とにかく手を動かして、前だけを向いて進む。

もっとカッコいい映像を作りたい。

なんて、思うことは多々あるけれど。

ごはんを食べるのも忘れて夢中になってしまうくらい、大人になってからこんなに好きなものが見つかって。
今ではそれが仕事になって、とても幸せです。(本業は企業のYouTubeチャンネルの企画運用担当。実写撮影×PremiereProでの動画編集、ちょこっとAfterEffects)

そして、いつも感じていることは、私は本当に映像が好きだ、ということ。
映像制作における全ての工程がとにかく楽しくて仕方ないです。
日々、自分の手で作品を作り出せる喜びをひしひしと感じています。

そして、その先で、求められるイメージや世界観を映像化して人のお役に立てたり、喜んでいただいたり…
そんな風にお仕事をしていけるのが理想で、そうなれたらすごく素敵だなと。


これから自分の未来がどうなっていくのか、1年後はどんなことをしているのか?
今の自分には全く想像がつきません。

でも、いつも心がけていることは…

焦らず、人と比べず、自分にできることを日々積み上げていくこと。

偶然チャンスが巡ってきた時にきちんと掴めるような状態を常日頃からつくっておくこと。

そして、自分を信じて前向きな気持ちでいること。

そんな自分をいつも支えてくれる周りの人たちへの感謝を忘れずに、これからも人から求められる映像を作っていきます。

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