お墓参りに行ってきた
僕は石のお墓に接したことがなかった。
僕の家系はみんな納骨堂という、お寺の中にある小さな仏壇に入っているから、石のお墓を生で見たことがなかったのだ。
納骨堂は、いわば集合住宅のようなもので、団地に似ている、と思ったことがある。
石のお墓にお花を添えたり、水をかけたりする、いわゆる「ザ・お墓参り」は、テレビでしか見たことがなかった。
しかし、妻の家系には石のお墓がある。
そんなわけで、僕は近年石のお墓に「ザ・お墓参り」をしている。
石のお墓はいかにも「私、お墓です」という佇まいだ。
誰がどう見てもお墓で、そこにみんなが集っている雰囲気がある。
ちゃんとお参りはしているが、どちらかといえばまだ、水をかけるのが楽しい。
楽しいと言うと幼稚だが、つまり新鮮なのだ。
だから、お墓参りは、なんだかワクワクする。
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