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【小学校受験】学校研究って何すれば良いの?

小学校受験で最初に取り組んだ方が良いことの一つに「学校研究」があります。学校のことを知らなくては志望校や併願校を決めるにも決められませんから、小学校受験を決意したなら最初にやるべきこと、というのは当然かもしれません。

すでに兄弟が通っているとか、卒業生である、などの縁故をお持ちの家庭でも、常に学校の情報はアップデートしておきたいところです。

やらなきゃいけないのは分かってはいるけど、「学校研究」という言葉もよく耳にするけど、実際に何をすれば良いのか、どんなことを調べれば良いのか・・・いざとなると戸惑ってしまう方も多いものです。

そこで今回は、「学校研究」とは一体どのようなことなのか、何をすれば良いのか、などを細かくご紹介します。

■学校研究とは

学校研究とは文字通りで、その学校について理解を深めるために詳しく調べていく行為です。

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わざわざ調べなくても大体のことは知っているから大丈夫!
そんなに力入れなくても何とかなる!
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そう考える人もいるかもしれませんが、中受や高受と同様に小学校受験においても情報収集はとても重要です。
今の時代、受験は情報戦です。

そもそも学校研究をおなざりにしては、子どもの将来までも大きく左右してしまうかもしれません。
一貫校なら小中高で12年間、大学までだと16年間お子さんが通うのですから、その学校での教えや導きが子どもの人格形成にも大きく関わることは想像に難くないでしょう。

学校研究は目に見える終わりもないし時間もかかるし、労力を使う作業ではありますが、小学校受験の大事な一歩としてきちんと向き合っていく必要があります。

■学校研究をした方が良い理由

なぜ学校研究をした方が良いのか、その理由はいくつかあります。まずは学校研究をすべき理由を確認しましょう。

・イメージとの現実との乖離を防ぐ

まず、学校のイメージだけで志望校にしてしまうと、いざ受験する際に「こんなはずじゃなかった」とイメージとの違いにがっかりしてしまうことが結構あります。

また反対に、「あまり気にしていなかった学校だけど、調べていくうちにとても魅力を感じるようになった」と評価を上げるパターンもあります。

実際に学校研究を進める中で、「志望校の順位が逆転した」という話も珍しくありません。あまり絞り込まず、広くたくさんの学校を研究しておくと後々自分を助けることになると思っておいた方が良いです。
全然意識していなかった学校を急遽併願することになり、学校研究もしていないし説明会にも参加していない・・・と焦るご家庭が毎年ありますから。


・家庭の方針と合っているか確認する

小学校受験で最も大切なことの一つが「家庭の方針と学校の方針の合致」です。ご家庭が「我が子をどのように育てたいのか」と学校が「生徒をどのように育てたいのか」がズレてしまっていては、どちらにとっても不幸な事になってしまいます。

これはお見合いに例えると分かりやすいです。
例えば、一方が共働きでダブルインカムを希望しているのにもう一方が専業主婦を希望していたり、一方が子供をたくさん作りたいと思っているのにもう一方が欲しいと思っていなかったり・・・価値観考え方が違っていたらそのお見合いはなかなか成立しづらいでしょう。
小学校受験もそれとよく似ていて、学校と家庭が同じ方向を向いて歩んでいくことがとても大事です。


・願書作成や面接の糧にする

学校研究をしないまま願書を作成したら、何とも薄っぺらい内容になってしまった

学校研究をを怠ったまま面接に突入し、トンチンカンな話をして赤っ恥を描いた

・・・このような失敗談は毎年聞こえてきます。

試験が迫ってきてから学校研究をしようと思っても、時間的・心理的な余裕がなく上手く進められないケースが多いです。

手遅れとならないよう、早め早めに学校研究を進めておくことをお勧めします。

■学校研究で押さえておきたいこと

学校研究を頑張った方が良いことは分かったとしても、ではどんなことを調べたら良いのか、何を確認すれば良いのか、具体的なチェック項目が分からずに結局足踏みしてしまう人も少なくありません。

ここからは学校研究の具体的な内容を見ていきましょう。

・建学の精神

建学の精神は、私立・国立それぞれどの小学校も明確に打ち出しています。
そして建学の精神はコロコロ変わるものではなく、その学校で脈々と受け継がれてきたものであり、学校のアイデンティティをそのまま物語るものでもあります。

学校が、何を目標にしていて何を大切にしているのか、まずは学校の教育の柱(核)となる部分を確認しましょう。

しつこいですが、小学校受験において学校の建学の精神とご家庭の教育方針が合致していることは何よりも大切なことです。そこにズレがあっては学校と連携して子供の成長を見守ることに大きな歪みが生じてしまいます。
志望校を考えるとき、学校の建学の精神と家庭の教育方針が合致していることは第一条件と捉えておきましょう。


・特徴的なカリキュラムや行事

建学の精神のもと、学校ごとに特徴的なカリキュラム行事が組み込まれています。

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どのような教育に力を入れているのか
何を重視しているのか
その学校の目玉行事は何なのか
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具体的な内容を書き出してみましょう。
学校ごとに表にして比べてみると見えてくるものがあります。

気になった行事やピンときたカリキュラム等については、個別相談会で質問するなどして理解を深めることも有益です。


・学校の特性

学校の基本的な特性を仕分けることも大切な研究の一つです。

共学
別学(女子校・男子校)
大学附属校 
小中高の一貫校(大学は受験)
中受校
伝統校
新興校

我が家が大切にしていることや子どもの将来像と照らし合わせて、学校の属性がそれに見合うのか否かを判断して振り分けていくと、頭の中も整理されていきます。

・倍率

どの家庭でも気になるところですから、募集人数と受験者数、倍率を確認することは重要です。
ただし、倍率が低いからといって受かりやすいかというとそれはまた別の話です。低倍率であっても、熱烈な志願者がいたり代々通わせている家庭が多かったりと、数字では見えない背景もあります。

反対にすごく高い倍率の学校も、一部は記念受験であったり試験日程の関係上受けやすいからという理由でたくさんの人が出願するといったケースもあり実質倍率(本気の志願者)は予測不能です。

数字は数字としてあくまで参考資料として受け止め、あまり惑わされない方が良いと個人的には思います。

・縁故強めか実力主義か

小学校受験において縁故という概念はやっぱり軽視できません。
学校によっては、縁故重視の学校と子供の実力重視の学校があることは
念頭に置いておいた方が良いでしょう。

縁故重視の学校だったのに、それと知らずに丸腰でチャレンジして玉砕・・・みたいなことはできるだけ避けたいところです。

ここは自分達の立ち位置を冷静に(客観的に)判断する必要があります。

ここでいう縁故とは、親も出身だとかご紹介者がいる、兄姉がすでに通っているなど、学校と何らかのつながりがあるということです。
ただし縁故重視の学校だからといって合格者全員が縁故ということはないです。
縁故有利と分かった上で、それを上回る実力を発揮したり子どもの魅力を伝えられたらきちんと評価をいただけることでしょう。
また、縁故がないなら自分で縁故を探す=いろんなツテを辿ってご紹介者を見つける、という方もいます。
一方で最近は、兄姉が通っているからといって下の子も簡単に◯がもらえるかというとなかなか厳しいケースが多いです。
縁故があるからとあぐらを掻いていると足元をすくわれることになるかもしれません。
結局、どのような属性の家庭であっても油断は禁物、ということですね。


・日常の学校生活について

実際その学校に通うことになった時に対応に困ってしまうこともあるので、日常の学校生活の特徴を事前に理解しておきましょう。


☑️お弁当か給食か
☑️授業の時間割(下校は何時くらいか)
☑️授業後の学童はあるのか
☑️休みについて(土曜日はあるのか)
☑️通学路・通学時間について(電車の乗り換えやラッシュの心配はあるのか)

私立や国立の小学校は公立の学校よりも休みが多いことがあります。
春休み・夏休み・冬休みの期間、学校特有の休みの日(創立記念日や特有の行事による休み)などは事前に知っておくと心構えもできたり、スムーズに対応しやすくなります。


・親の出番は多いのか

学校によって、保護者の出番の多い学校とそうでない学校とあります。
ここでいう「出番」とは、何かのお手伝いに参加したり行事ごとに保護者が学校に出向く機会を指します。

中にはお父様が参加する機会の多い学校もあります。

そのような学校の場合、率先していく姿勢や、喜んで足を運ぶ気持ちがないと後々辛くなってしまうので、最初に確認して心の準備をしておいた方が良いでしょう。

・進学する附属中高の様子

中受校の場合は別ですが、一貫校の場合は小学校卒業後にそのまま進学先となる中高についても調べておくと安心です。

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中高の立地
中受・高受で新しく入ってくる生徒の割合
学校の雰囲気(クラス替えの頻度も含めて)
大学の進学先
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一通りの情報を入れて理解を深めておくと一貫校としての学校生活がイメージしやすくなります。

中高の文化祭や学校行事に参加して研究をする小受家庭も少なくありません。

■学校研究の方法

学校研究で確認すべき内容はわかっても、調べ方がわからない、と悩む方もいます。リサーチの方法はいくつかありますので以下にご紹介します。

当たり前ですが、待っていても誰も勝手に教えてはくれません。
「自分から積極的に情報を取りにいく」という気持ちが大切です。


・まずはHP

学校研究をするための手段として、メジャーで一番手っ取り早いのはやはりHPでしょう。

今の時代、案内パンフレットがHPからダウンロードできるようになっている学校も実に多いです。
学校によっては、最新ニューストピックスを随時上げていたり、ブログを頻繁に更新しているところもあり、それが願書作成のヒントとなることもあります。

いつでも気軽にチェックできる最強のツールです。まずはHPを細かくチェックすることから始めましょう。

HPには入試関係のコンテンツが必ずといって良いほど存在します。
新年度が始まる4月には、試験に関連した学校行事のお知らせが日々更新されます。気になる学校のHPは基本的に毎日チェックしておくと安心です。
予約の必要な行事など最新情報をいち早く抑えて、抜かりなくスケジュール管理できるように意識しておくことが大事です。


・関係者がいたら話を聞いてみる、いなければ探す

周りに学校の卒業生や、在校生の保護者、そのほかとにかく関係者がいたらぜひ実際の話を聞かせてもらいましょう。実際にその学校のことをよく知っている人から直接伺う話はまさに宝の山です。

HPやパンフレットには載っていない唯一無二の情報ですから、当然その価値は計り知れないものがあります。

そんな都合よく周りには関係者がいないという方も、簡単に諦めないでください。
本気で探せば、知り合いの知り合いとかで巡り合うこともあります。

直接は知らない間柄であっても、受験を控えていてその学校に関心を抱いているのでお話だけでも聞かせてほしい、とお願いしたら快く応じてくれる方もいることでしょう。実際にそうやって最終的にはご紹介者となってくださったケースもあります。


・合同説明会や学校行事は広く参加

合同説明会や学校説明会、見学会など参加できる行事はなるべく学校を絞り込まずに広く参加してみると理解もグッと深まります。

そのためにはできるだけ早い段階から参加しておくと後が楽になります。年少や年中のうちから可能な行事には参加しておくと理解も深まるだけでなく、名前を残すような行事の場合は参加回数から熱心さのアピールにもつながります。

合同説明会についてはこちらに詳しく書きましたので併せてご確認ください。


・実際の様子をチェックするのも手

通学経路や学校周辺の環境を確認するためにも、実際に学校まで足を運ぶことも学校研究の一つの手段です。

登下校の時間に併せて電車に乗れば、在校生の生の姿を目にすることもできます。その時の生徒さんの印象素敵だなと思ったところ感想などをメモしておくと、貴重なエピソードに昇格することもあります。
また、通学時間帯がラッシュなのか、意外と空いていて座れるのかなど、現実的な登下校の負担なども確認することができて一石二鳥です。

ただし学校周辺を見て回るときは、まじまじと学校や生徒たちを眺めて「怪しい人」と疑われないようにくれぐれも注意してください。

■まとめ

学校研究は真面目にやればやるほど骨の折れる作業で面倒に感じてしまうかもしれません。しかし、小学校受験を決めてから早い段階で学校研究をきちんとしておくと、志望校や併願校を検討する際も迷いがなくなり、願書面接などその後の対策も何かと楽になります。

頭の中も整理され無駄な心配も減るので、学校研究はやって損なことなど一つもありません。新しい発見を楽しみながらぜひ前向きに取り組んでみてください。

この記事が小学校受験を控えたご家庭の一助となりましたら私も嬉しいです。


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