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【小学校受験】「合同説明会」参加時の注意点と質問内容

年が明けると(一部年末から始まっていましたが)、いろいろな場所で合同説明会が行われるようになります。
合同説明会が始まると、いよいよ次年度受験の本格始動だ・・・と改まった気持ちになり、急に緊張感が増すものです。

ドキドキするものの、合同説明会ってそもそもどのようなものなのか、何を準備したら良いのか・・・特に初めて小学校受験を経験するご家庭にとっては戸惑ったり不安に感じるばかりで、実際にどのように行動したら良いのか分からなくて困ってしまう方もいることでしょう。

すでに上のお子さんで経験済みのご家庭でも、性別が違ったり社会環境も目まぐるしく変わる中で、何を質問したら良いのかと悩むケースも多く耳にします。

そこで今回は、いよいよ始まる合同説明会を前に、参加するときの注意点と質問内容についてお伝えします。

■合同説明会とは

合同説明会とは、複数の(というか、かなり多くの)私立小学校が一か所の会場に集まり、合同で開催される説明会のことです。
小学校ごとにブースが設けられていて、それぞれに先生が待機しています。
(中には、ブースにパンフレットが置かれているだけで先生は不在のパターンもあります。)

例年6月くらいまで、様々な場所・様々な形で開催されます。

例えば

東急線・小田急線 私立小学校合同相談会
中央線沿線 私立小学校合同相談会
キリスト教学校合同フェア
東京私立小学校展
神奈川私立小学校フォーラム

その他、理英会チャイルドアイズなど教室主催の合同説明会もあります。

・合同説明会に行くメリット

合同説明会に行くメリットはいくつもありますが、特に以下の点は大きいです。

☑️ 一度に多くの学校を回ることができる
気になる学校のパンフレットをまとめて集めることもできます。
また、各校の校風の違いや雰囲気などを直接感じたり比べたりできるのも合同説明会ならではの収穫といえそうです。

☑️先生と直接お話しすることができる
ブースでは校長や教頭など学校の代表者が待機していることも多く、間近で直接話ができる貴重な機会となります。話が弾んだり盛り上がったりしたら、印象にも残りやすいですし、複数の合同説明会に通ううちに「前回、〇〇の合同説明会にもお越しくださいましたね」と顔を覚えてもらえる可能性もあります。

☑️ 願書に書いたり面接で話せるネタとなる
直接話をした内容は、パンフレットやホームページにはどこにも載っていない、そのご家庭だけの唯一無二のものです。
願書に書いたり、そこまでではなくてもそのご家庭でしか語れないエピソードとして面接で話すこともできます。
具体的でオリジナリティのあるネタ(話す材料、書ける材料)はたくさんあるに越したことはありません。

■合同説明会〜事前準備の注意点〜

合同説明会は、基本的に開催日に思いつきでフラッと行って入場できるものではありません。
かつては人数制限時間制限などなく、自由に出入り可能な状態で開催されることもありましたが、コロナ禍以降、開催自体が中止になったり開催が決まっても、人数や時間を制限されるようになりました。

この流れはしばらく続くと予想されます。
合同説明会には事前予約が必須と思っておいた方が良いでしょう。

・予約は開始と同時に

合同説明会の事前予約は1日だけということはほとんどなく、一定の期間(1週間〜数週間)が設けられていることがほとんどです。
しかし、だからといって締切までに申し込めば良い、と油断しているとあっという間に定員に達してしまうケースは実に多くあります。

期間内に申し込んだ後に抽選がある場合は別ですが、先着順の場合は思っている以上に早々に締め切りとなってしまう事もあるので、予約開始と同時に申し込むことをお勧めします。

・質問内容をあらかじめ考えておく

各校のブースで先生方と話ができる場合、一家庭あたりの持ち時間は10〜15分程度です。質問を事前に準備していなくて、その場で「えーっと」と考え込んでしまったり、行き当たりばったりで中身の薄い質問をして時間を費やしてしまうのではもったいないです。
さらには「このご家庭はあまり本校に興味がないのだな」と悪印象を持たれてしまっては本末転倒です。

HPやパンフレット(最近はデジタルパンフレットや、ダウンロードできるパンフレットも多いです)を事前によく確認して、3〜5問くらいは質問を準備しいておくと安心です。

■合同説明会〜当日の注意点〜

合同説明会の当日は緊張してしまい、うっかり忘れ物をしたり、不意の出来事に慌ててしまうこともあります。
当日の流れをイメージしながら以下の注意点を押さえ、自信を持って臨みましょう。

・早めに行く

予約した時間内に行けば良いから・・・とたかを括っていると後悔するかもしれません。
当日はとにかく早めに行くことをお勧めします。スタート時間の30分〜1時間前に行って並んでいるくらいが良いと思います。

のんびりしていると・・・

パンフレットがなくなる
整理券がなくなる
整理券なしの学校は長蛇の列

となり、思うような収穫が得られないことも。
(お目当ての学校にもよりますが。)

効率よく回るためにも、早め早めの行動が吉です。

・動線を考えておく

どこかのテーマパークではありませんが、入場したらどのような優先順位で会場内を回るのかをイメージトレーニングしておくと良いです。
お目当ての学校があるなら真っ先にそのブースへ向かうのか、まずは数少ないであろう人気校の整理券をゲットするのか、とりあえず全体を1周してパンフレットを集めるのかetc. 家庭によって戦略は様々だと思います。
場当たり的に歩いていると時間も余計にかかってしまうだけでなく、とにかく疲れてしまいます。

効率よく満足のいく動線を考えておくと無駄な時間と労力を省くことにつながります。

・服装

初めてのご家庭にとっては特に悩んでしまいがちな点が、服装についてです。結論から言うと、合同説明会においてもいわゆるお受験ルックで参加するご家庭が多いです。
お母様なら濃紺のスーツ(またはワンピースにジャケット)、お父様も濃紺のスーツに無地のダーク系ネクタイなら浮く心配はありません。

ただし、絶対にお受験スーツじゃないとダメかというとそんなこともありません。合同説明会はとにかく人が多く、様々なご家庭が行き来しています。
誰がどのような格好をしていたかなんて学校側もメモをしているわけではありませんから、ゴテゴテした装飾品のついていないシンプルな装いならそれほど違和感はないでしょう。
※とは言うものの、人と違っている、浮いているんじゃないか、と心配になるくらいなら最初からお受験ファッションで参加した方が精神衛生上も良いかと思います。

ポイントは「悪目立ちしない」ということです。マイナスイメージで先生の記憶に残ってしまっては、この先の学校行事の参加などで不安材料となってしまうかもしれません。
華美なアクセサリーや色味の派手な服装は避け、TPOをわきまえることができる、常識がわかっている、という印象を持ってもらうことが大切です。

・持ち物

ハンカチ、ティッシュなどの一般的な持ち物の他に忘れては行けないのが、筆記具と手帳(またはメモ帳)です。合同説明会では先生との会話をできるだけ細かく書き残しておくことが大事です。
さらには、その時の感想や印象・雰囲気、キーワードとなりそうな言葉、先生の表情なども記しておくと願書や面接で役立つことも大いにあります。

また合同説明会では、ブースで先生と話すとき以外は基本的に座る場所はないと思っておいた方が良いです。
立ったままメモをすることも考えられますので、バインダーがあると重宝します。

バッグはパンフレットの持ち帰りを想定して最初から大きめのもので行くか、サブバッグを準備しておくと安心です。

・子どもを連れて行くとき

開催される合同説明会によっては、一家庭一人などの人数制限がある場合もありますが、特に禁止されていなければ受験する子どもを連れて行くことも可能です。

メリットとしては、先生方に子どもの顔を覚えてもらえるかもしれない、ということです。きちんと先生と話したり受け答えができた子に対して「待ってるね」などと声をかけてもらったという話も聞きます。
また、「この学校好き!行きたいな」と子どものモチベーションアップにつながることもあります。

その反面、落ち着きがなかったり疲れてぐずってしまった時は、悪印象につながってしまうかもしれません。
子どもを連れて行くか否かは、親御さんの冷静な判断が必要です。

子どもの服装も、やはりお受験に即した格好(紺系)が無難です。ただし、夏の暑い時期は女の子の場合水色などの涼しげなワンピースでも浮くことはないでしょう。ご両親の服装と同様、男女ともに派手な色の服やカジュアルすぎる格好はやめておいた方が安心です。

・お友達とばったり会ってもにこやかに会釈のみ

合同説明会は沢山の小学校が集まります。それに合わせて多くのご家庭が参加するため、思いがけず知り合いやお友達に遭遇することもよくあります。慣れない場所で知っている人に出会うとホッとした気持ちとなり、ついいつもの調子で話かけたくなりますが、そこはグッと我慢して、にこやかに会釈する程度に留めておくとスマートです。

くれぐれも話し込んだり大きな声で盛り上がったりすることのないよう気をつけましょう。

子どもをを連れて行く場合は、知っているお友達を見つけても大きな声をだしたりはしゃいだりしないよう話しておくと安心です。

大勢集まる合同説明会だからそれほど神経質にとらえなくても子ども同士が手を振るくらい大丈夫でしょう、、、と思うかもしれませんが、お友達とすれ違った時に手を振るのが習慣となってしまうと、本場でも無意識にやってしまう恐れがあります。
最初から「ここは幼稚園や児童館とは違う場所だからきちんとしてかっこいいお兄さんお姉さんでいよう」と意識させて一つ一つの行事を大切な経験の場として学びに代えていくと本番に向けた大きな糧となります。

・話ができた場合はその先生の名前や感想、印象をメモしておく

ブースで話を伺った先生の名前はぜひ控えておきましょう。人は固有名詞具体的数字は、とても強く印象に残ります。

面接で話をする際も
「御校の先生に合同説明会で〜〜とお聞きして大変感銘を受けました。」
よりも
「御校の山田教頭先生に、2月と5月の合同説明会で〜〜と話を伺い大変感銘を受けました。」
の方が話が具体的となり、より印象深く記憶に残ります

次に話の内容と合わせて、その時の感想や学校に対する印象など、思ったこと感じたことを細かくメモすることをおすすめします。
しつこいですが、合同説明会での話や出来事が後々の宝(願書や面接のネタ)となることも大いにあります。後で思い出せば良い、と後回しにして記憶が曖昧になってしまってはもったいないです。
記憶の新しいうちに細かく内容を控えておきましょう。

【言葉遣いにはご注意を】
このnoteをご覧の皆さまは心配ないとは思いますが、先生といくら話が盛り上がったとしても友達言葉にはならないようにお気をつけください。緊張のあまり尊敬語と謙譲語を間違えて使ってしまった、という親御さんも時折いらっしゃいます。大丈夫と思っていても言葉選びは慎重に。
「うんうん」「そうそう」「やっぱ、、、」「ですよね」などもつい言ってしまいがちですが先生に対してはやはり失礼にあたりますので、注意するに越したことはないです。

■合同説明会で避けた方がよい質問

合同説明会で先生とお話する機会に恵まれたら、こちらから積極的に質問するのが基本です。
ただし、尖ったことを聞こう他の人と被らない内容にしようと練りに練った質問や、反対に準備不足で行き当たりばったりの質問は、かえって悪印象につながることもあります。
以下のような質問は避けた方が無難です。

・HPやパンフレットに書いてあるようなことは聞かない

HPやパンフレットに書いてあるような質問は、学校の研究不足を自らバラしているようなものです。そもそも先生と直接話ができる貴重な機会なのに、ちょっと調べれば分かるようなことを質問するのではもったいないです。

自力で調べられるような基本的な情報は、あらかじめ学校を絞り込まず広く確認しておくことが大切です。

・ネガティブなことは聞かない

学校側が返事に困るような質問や、我が子のマイナス部分を強調するような質問は控えた方が無難です。

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「いじめはありますか?」
「共働きで学校行事になかなか参加できませんが大丈夫ですか?」
「うちの子は偏食で給食が心配です」
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など、時々質問する方もいるようですが、あまり前向きな話には展開しづらく、手応えの薄い結果に終わってしまうことが多いです。

・上から目線にならないように気をつける

当然ながら、最初からそんなつもりで話をする親御さんはいないと思います。
ただし、質問の内容や話の仕方、言葉遣いなどによっては、先生方にいやな思いをさせてしまったり、横柄な人と思われてしまうこともあります。一度良くない印象がついてしまったら、それを払拭するのはなかなか難しいので気をつけたいところです。

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「御校がコロナ禍で得たものはなんですか?」
「この授業はもっとこうしたら良くなると思いますがどうでしょうか」
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このような質問は、たとえ良かれと思って聞いたとしても先生方と心の距離を広げてしまう結果につながる恐れがあります。
この家庭は注意した方が良い、と警戒されてしまったら今後の学校行事参加や本試験でも不利になってしまうかもしれません。

合同説明会では良い印象を残すと言うよりも、悪い印象を持たれないようにすることが大事と心得ておきましょう。

■合同説明会で好印象に繋がる質問

合同説明会は規模が大きく参加人数も非常に多いため、覚えてもらおう・爪痕を残そうと気合いを入れすぎても徒労に終わる可能性が高いです。
話のあとに「良い話が聞けたな」と思えたり、学校側に「好感の持てる良いご家庭だったな」と思ってもらえたらそれでもう成功だと思ってください。
そのためにはどのような質問が良いのかを確認していきましょう。

子どもも一緒に参加する場合、本人に質問させるのも一案です。場も和みますし、先生もしっかりした子だな、と好感を持って接してくれるでしょう。
ただし、質問内容はきっちり準備しておくことをおすすめします。その場でいきなりの無茶振りは大事故につながる恐れもあるので、やめておいた方が無難です。

・特徴的な行事・カリキュラムに関して

HPやパンフレットを確認した上で、興味のある部分をさらに詳しく教えていただく、といったスタンスは家庭の熱心さが伝わりやすい質問となります。
すでに学校説明会に参加後ならその感想を伝えた上でさらに発展した質問をするのも良いでしょう。
また、息子は〇〇が得意で今はこのように頑張っています(取り組んでいます)。御校のカリキュラムにも〇〇の行事がありますが、、、と我が子と絡めた質問内容は家庭のアピールにも繋がります。

・学習面に関して

学習面に関しては、どの学校も家庭のフォローを前提にしています。

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家庭学習では親としてどのようにフォローしていったら良いか
就学前の今の時期にしておいた方が良い取り組みはあるか
一年生(または、低学年、学年ごと)の教育目標について
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などの質問は、「学校に丸投げはしません」、「家庭でもしっかり見ていきます」という意思表示にも繋がります。

・進学に関して

特に中受校なら、我が家が目指している中学をハッキリ伝えても良いと思います(ただし、その小学校から1人でも進学しているような学校が望ましいです)。
中受校に限っていえば、塾についての質問も良いでしょう。

附属校(一貫校)の場合は中学受験をチラつかせるとあまり良くは思われない可能性が高いです。大学附属校を含め、少なくとも高校までは系列校に進学が前提のカリキュラムですし、そこに魅力を感じるからこそ志望する、はずなのですから。

高校までの一貫校の場合、大学の進学先についての質問はアリでしょう。
最近の流れとして留学等についての質問も国際教育を謳っているような学校であれば良いかもしれません。

・在校生に関して

自身が卒業生や知り合いに在校性がいる場合は別ですが、在校生の様子について先生から生のお話を聞けるのは合同説明会や個別相談会ならではのことです。

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普段の生徒たちの様子
学年を超えた縦割りの行事に関して
生徒主体の取り組み(運動会やその学校ならではの行事)に関して
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事前に知っていることや、すでに学校見学などで心に残ったことがあるなら、質問のはじめに生徒の印象や感想を褒めながら伝えるのもおすすめです。
先生は自分の学校の生徒が褒められたら嬉しいに決まっていますから、その先の話もいっそう弾むことでしょう。

■まとめ

合同説明会は慣れない場所で緊張したり会場が広くて歩き回ったりと、気力体力が必要な行事の一つです。なんとなく参加しても、雰囲気を味わえただけで得られるものは少ないかもしれません。
参加すると決めたなら、どの学校に注目するのか、どのような質問をしようか、などあらかじめ準備しておくと、当日は効率よく回れたり良い話が聞けたりと満足度も高くなります。全ては試験の糧となる、という前向きな気持ちでぜひ望んでくださいね。

この記事が小学校受験を控えたご家庭の一助となりましたら私も嬉しいです。

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