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【自由研究的なもの】奄美コンビニエンスストア計画

さて、今日は7月24日。今年はどうかわからないが、例年なら夏休みのシーズンである。そこで、今回は自由研究(?)として奄美大島のコンビニエンスストアについて考えようと思う。地元民でもない人間の戯言のようなものなので、もしかしたら実際の商圏などを無視している部分もあるかもしれない。ご了承いただきたい。

参考:離島コンビニエンスストア列伝(ちや14歳内)
Googleマイマップ(Google)

奄美大島の地理

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奄美大島は、鹿児島県に属し、鹿児島市から南に約380kmほど下ったところにある人口約6万人の離島である。

奄美大島の中心都市である奄美市は、2006年に名瀬市と笠利町、住用村が合併して誕生した。名瀬地区にある名瀬港が奄美大島の玄関口となっている。奄美市の人口は約4万2000人(2020.6)。うち名瀬地区に約3万6000人、笠利地区に約5000人、住用村に約1000人。(参考

次いで人口が多い瀬戸内町は人口約8900人(2019.8、直近の推計人口は8570人(2020.6))。そのうちの1500人ほどは、対岸の加計呂麻島に住んでいる。

3番目に人口が多い龍郷町は人口約5900人(2019.3、直近の推計人口は5747人(2020.6))。

その他、大和村宇検村という村がある。大和村が1400人で宇検村が1600人(2020.6)

奄美大島のコンビニの歴史

2002年頃に九州地盤のコンビニであるエブリワンが進出。名瀬市(現奄美市)の平田に平田店(現:名瀬平田店)を開業した。その後2011年までに6店舗を開業させたが、エブリワンがファミリーマートに買収された後、6店舗ともファミリーマートに転換され現在に至る。

その他、アイショップ(鹿児島県地盤のパン製造会社が運営するボランタリーチェーン。県外の人間にはヤマザキショップの鹿児島版といえば通じるはず)、島人martがあり、その他個人商店やスーパーマーケットも健在。

奄美大島のコンビニ一覧

ファミリーマート

・名瀬港町店
名瀬の繁華街に所在。人口が一番集中している場所に存在し、港町と隣接する概ね400m圏内の入舟町・幸町・末広町・伊津部町・金久町の合計だけで3287人となる。1km圏内まで広げると1万人まで乗りそう。まあ車社会なので、コンビニとはいっても商圏はかなり変わってくる。
徒歩圏内のコンビニで競合するのは奄美市役所に入る島人martくらいか。個人商店は多いが。一番近いスーパー(グリーンストア入舟店)まで300mほど。

・名瀬平田店
名瀬市街から南に下った谷の部分に所在。上述の通り、奄美初のコンビニの系統を引く。2020年までファミマの奄美営業所があった。メイン国道である国道58号沿いにあり、近くにはニシムタ名瀬店、タイヨー平田店、マツモトキヨシ平田店が所在する。店舗が所在する平田町と、左隣の真名津町を足して2882人。北隣の小俣町を足せば4000人近くまで達する。
上述の港町店との間に島人mart石橋店が存在。

・名瀬朝仁店
名瀬港から長浜町交差点を左折し、朝仁トンネルを抜けたところに所在。名瀬市最大の人口(2201人)を誇る長浜町に建てられなかったのは単に土地がなかったせいか。奄美運動公園を擁する小宿、個人商店のある浜里ー平松との中間地であるというのもあるのか。
朝仁・朝仁新町・大字朝仁が2200人。隣接する長浜町が上述の通り2201人、小宿ー浜里-平松が3300人。車社会なのでトンネル挟んだ3つの街は心理的にもそんな差はないのだろう。
朝仁地区の反対側にタイヨー朝仁店が、小宿トンネルを越えた平松にアイショップとコンビニエンスストアーを名乗る個人商店が存在。

・名瀬大熊店
名瀬市街から東に58号を行き、トンネルを越えた後少し北に外れた朝日地区に所在。あるいは佐大熊方面から山羊島トンネルを抜けても可。
大熊地区の中心地に位置し、近くには朝日小学校・朝日中学校や県土改連の大島事務所などが存在。商業施設もだいわ大熊店、マツモトキヨシ大熊店などが存在する。周辺5町(朝日・鳩浜・大熊・浦上・有屋)で5500人ほど。

・龍郷店
58号をさらに東へ。龍郷市街のかなり手前、浦地区にその店舗は存在する。龍郷町は総人口こそ6000人ほどであるが、名瀬ほど市街地が集約されておらず、商店も飛び飛びに存在。コンビニを名乗る個人商店がもう少し笠利方面に近いところにあるくらい。
徒歩圏(とされそうな場所)には住宅すらまばらであり(飲食店などが近くに存在)、典型的なロードサイド店舗といえよう。

・瀬戸内店
今度は名瀬から58号を南へ。その最果ての瀬戸内町。奄美の最果てに近い古仁屋港の船着き場近くに存在。瀬戸内町は龍郷町と違い市街地集中型であり、古仁屋の市街地だけで5000人ほどいる。
近隣ではアイショップが同市街地に2店舗を構えるほか、Aコープが海沿いに存在。

以上が2020年7月時点で存在する奄美大島のファミリーマート店舗である。その他の奄美2強(?)では、島人martが笠利町南部の用安と住用村南部のロードサイドに、アイショップが瀬戸内町の阿木名に店舗を展開する。

考えられうる店舗展開

名瀬市街については、市街地が飛び飛びながら2000人程度に濃縮されており、物流センター整備などで詰めようと思えば1集落1店舗も可能ではある。しかし、これだけ24時間営業がドミナントがなんとかと騒がれる中で、ライバルチェーンの進出が著しく困難なこの島に他チェーンが乗り込んでくるとは考えにくい。沖縄からも鹿児島からも遠いこの島に石垣島や宮古島で起きたようなバトルはおそらく考えにくいだろう。なので、新たな方向性を開拓する方面で考える。

名瀬市街
…とはいったが、やはり名瀬市街でも改善できる余地はある。

・平田店→古田町近辺に移転
マツキヨ・タイヨー・ニシムタとのガチバトルを避け、春日方面の需要を確実に取っていく。
古田町交差点に作れれば理想ではあるが、都市計画で道路にせり出す商店兼マンションがあるので、そこの再開発が行われれば一世一代の好機といえよう。島人mart石橋店にさらに近くなるのが難点だが。

・名瀬港店
冒頭から話している通り奄美大島の玄関口であるが、同地にはコンビニどころか飲食店も構内にはない。マツキヨはあるが、簡単にものが買える店に微妙に乏しい。

・佐大熊店
商圏は佐大熊町1891人と2000人を切る。しかし、この周りには酒屋が数軒しか存在せず、近くのイオン大島店までそこそこ距離があり、準買い物難民になりかけている状態である。十分な需要は見込めるだろう。

郊外

・大和村
人口1600人の上に分散しており、大和村役場周辺の3大字でも700人ほどしかいない。加えて、朝仁店からも相当離れている。かなり厳しいだろう。

・宇検村
1400人のうち、中心街の湯湾に460人ほど。周辺まで広げても1000人ほど。もちろんルートを大きく外れる。厳しい。

・龍郷町
先述の通り、龍郷町は疎らである。笠利町との町境にある赤尾木地区の人口は隣の芦徳と足しても1000人ほどだが、龍郷店同様国道58号沿いに建てられれば観光需要や笠利からの通過需要はあるかもしれない。

・笠利町
人口は5000人ほどいるが、かなり分散されている。赤木名周辺は1300人ほど、中心街の笠利・辺留で1000人、宇宿~節田の県道82号沿線で1000人。
しかし、県道82号沿線にはわずかながら希望(?)がある。1日2000人超が使う奄美空港も近くにあるが、個人商店すら疎らである。空港近くに沿線住民も使える店舗を用意すればギリギリ採算には乗るかもしれない、というところか…。

・喜界島
奄美からフェリーで約65kmの場所に位置する喜界島。人口は6600人ほどで決して少なくはない。集落こそ分散しているものの、湾・赤連・中里の中心集落で3000人はいる。町唯一のスーパーマーケットは島の反対側に位置。個人商店は広く分布しているが、ファミマが1軒あったら随分と便利になりそうなところである。

既存6店舗に、名瀬港・佐大熊・赤尾木・奄美空港を足して10店舗。徳之島4店舗と喜界島1店舗を足して計15店舗になる。これなら宮古・石垣島方式の小規模物流センターを設けてもできなくはない。まあその土地は名瀬港近辺には見当たらないが…。

まとめ

こう考えてみると、地方で2000人クラスの需要を確保することも困難であることがわかる。

参考リンク・参考文献

奄美市人口統計
マピオン

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