舞台オタクのコスト-モリミュ篇-


ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.5-最後の事件-

いわゆる2.5次元舞台に分類されるが、そんな枠に収まりきらない。
2.5次元では前代未聞(多分)、美しいピアノとバイオリンの生伴奏と共に紡がれ、優美な歌と深長な芝居で観客を魅せてくれる夢の舞台である。

2019年に始まり、第5弾となる今作。
コロナ禍で現地での観劇が叶わなかった時期はあるものの、1作目から追い続けている作品で、5作目ともなると思い入れもひとしおである。

さて、今回のモリミュに、私は過去最高の予算を投入した。大阪・東京を通算して7公演観劇した。
この世の中には全21公演を全通する強者もいたりするので、それに比べたら弱小オタクで申し訳ないが、ぶっちゃけ自分の経済力を上回る予算規模である。

なんでそんなことをしたかといえば、
①推しが出演している
②作品が最高である
③『最後の事件』である。

という理由に尽きる。

①推しはW主演の片割れ鈴木勝吾。人生の1/3を捧げている彼の主演舞台ならば行かねばならぬ、と思ったのは1作目までの話。
②1作目を見るにあたって予習で原作を読み、大ハマりした。コミック全巻を集め、アニメの円盤を全巻集め、アニメのイベントに行き……原作コミックは紙媒体で買っていたものの、もっと作者様に貢ぎたい、と思い、更に全巻電子書籍でも買い揃えたりもした。コミックフェアに合わせて更に買い足し、友人に原作を配ったりもした。
その世界観を舞台作品として最高な形で表現してくれた通称モリミュは、私の人生に大きな楔を打ち込んだ。
③サブタイトルに『最後の事件』とついてはいるが、原作ではこの先も続く。続くが、演劇に落とし込むのは難しいのではないか、という展開。ゆえにこれが最後だろう……という思いでチケット戦争を戦っていたら、気づいたら7公演になっていた。
スケジュールの許す限り取ってたらあと3公演行けたけど、チケット普通に取れんかった。ちなみに全部自名義。友人にも援護を要請したが、なんか全部外れたので、結果的にそうなった。
当日券という手も考えたが、仕事が非常に繁忙で、体力がもつかどうか心配になったので、この辺に留めておくことにした。

この作品がどれだけ素晴らしいか、今作がどうだったか、などはもっと語彙力・表現力のある方にお任せして、私は予算を書き出して、観劇オタクというものがどれだけ阿呆な生き物かを皆様にお伝えしたいと思う。

公演日程は、下記の通り。

2023年8月24日(木)~8月27日(日)メルパルクホール(大阪)
2023年9月1日(金)~10日(日)天王洲 銀河劇場(東京)

そのうち大阪3公演、東京4公演を観劇した。東京在住。

チケット代


S席12,330×3=36,990円
A席9,330×3=27,990円
見切れ席9,330×1=9,330円
合計74,310円

A席や見切れは狙ったわけじゃない、ここしか取れなかった。
それでも、この時点で私の家賃を超えている。
もちろん、観劇にかかる費用はこれだけではない。

旅費交通費


新宿→京都夜行バス7,500円
京都→新大阪580円
新大阪→品川新幹線グリーン15,940円
新宿→天王洲アイル往復900×3=2,700円
ホテル2泊12,400円
合計39,120円

なんで大阪の帰りグリーン車乗ったんだろう…いや、早割だったら普通に新幹線乗るのと大差ないな、って思っちゃって……
京都着にしたのは、ついでに京都観光をするため。

グッズ代


パンフレット2,800×1=2,800円
ブロマイドセット800×1=800円
個人ブロマイド600×3=1,800円
ランダムブロマイド(33種)200×33=6,600円
ランダムアクリルスタンド(13種)800×15=12,000円
合計24,000円

4000円ごとにオマケ(2Lブロマイド)がつくので、キリよくなるよう調整。ランダム系については、引きが悪すぎたら買い足しも考えていたが、運良く高レート推しを自力で揃えられたので、この金額で済んだ。……済んだと言っていいのか?

ここまでで合計【137,430円】

タイ俳優が好きな友人にタイに誘われ、14万あったら豪遊できるよーと言われたのだが、行けますね、タイ。
エスニック料理苦手なので絶対行かないんですけど。
海外行かずに国内に金落としてるんだからその分免税してほしい。マジで。

ここまでは、事前の予算通りにスケジュールをこなしていたが、私は重大な見落としをしていた。

Blu-ray10,780円
送料750円
合計11,530円

ランダム舞台写真(30種)200×35枚=7,000
舞台写真セット1,000円
送料950円
合計8,950円

円盤を公式サイトで予約し、劇場で申告すると特典がもらえる。いつものことなのに、すっかり忘れていた。ポストカード4種、過去作のメインビジュアルの柄なうえ、購入特典として今作もついてきて全部揃うことになるので、当然のように買うしかない。
舞台写真は……買うしかないやろ……
カツカツだったので、翌月の自分に期待してクレジットカードを切った。

ここまででしめて【157,910円】

贅沢しなきゃ東京でも1ヶ月暮らせる。
更にここにエクストラとして、京都観光もしたので、だいたい20万円近くの経済効果をもたらしたことになる。
先の記事でも書いたが、8月にはなにわ男子のコンサートもあった。
ボーナスなかったらマジでやばかった。弊社は燃やしたいが、ボーナスはありがとう、弊社。

そこまで頑張った甲斐があったか?と言われたら、あった。
前屈みの前列の客に0番の視界潰されたりとか、隣の客にスマホ鳴らされたとか、そんなことあっても生で観劇してよかった、と思える最高の作品だった。
(椅子に背中つける、大事。スマホの電源落とす、大事)

普通のOLなので、これでもヒィハァしてるのに、全通してるひとってどうやって工面してるんだろう……仮に予算があったとしても、休みが取れない……大学生なら、ちょうど夏休み期間だからワンチャンか?

余談。

私が舞台作品、特に2.5次元作品に通い始めた頃、
2010年舞台戦国BASARA3…7,140円
2012年ミュージカル薄桜鬼…7,500円
だった。
2013年ミュージカル黒執事にいたっては、ロイヤルシート9,500円で、3階席は5,000円だった。
物価高深刻。

そんな中、現在でもSS席12,500円のタカラヅカはバケモノである。
えっ、モリミュ銀河劇場の2階席と宝塚大劇場の最前列ほぼ変わらないの???
まあ、ヅカのチケットで最前取るにはチケ代以外のコストがかかるから、一概に同じと言うのは早計だけども。
あっ、私も推しのファンクラブ会費とかかかってたわ。まあ、モリミュだけのためじゃないので、カウント外。

このモリミュがひと段落したことで、私の観劇ライフはいったん落ち着けることにする。とはいえ、推しがいる限り劇場には行くんですけども。

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