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エレファントカシマシ35th ANNIVERSARY TOUR 2023 YES. I. DO 5日目に行ってきた

以下セットリスト、内容に関する記述だらけですのでご注意下さい。





なにやってんだ あんた
何をあわてて ぶざまにこける
そら ちょっと見りゃ
富士に太陽ちゃんとある

35周年のデビュー記念日のアンコールもこの歌でした。ファイティングマンでエレカシ最高!という浮ついた心を見透かされたかのように、待つ男で横っ面を引っ叩かれ、ザックリとやられて帰ってくる。私はそれを5回繰り返したわけです。

おまえはただいま幸せかい

エレファントカシマシ35周年アリーナツアー「YES.I.DO.」関東圏5公演、全て観ることができました。冷静に考えて、このスケジュールで東京・横浜の大箱公演というのは、相当思い切った決断だったと思います。

ツアーも前半が終了。私の今ツアーも今日が最終ということで、今まで記載してこなかったセットリストを書きながら前半を勝手に振り返りたいと思います。
名古屋・大阪を控えていらっしゃる方は、自己責任でご覧ください。

オープニングはアリーナツアーならではの大画面を使っての過去映像振り返りから。周年記念らしく、早くも胸熱。
そこへ白い人影が。初日の横浜、メンバー入場の映像は大画面に映りませんでした。特に遠い席の私には、はて?誰?
何かをかぶっているように見えるんですけど…。
そう、宮本がフード付きの真っ白いコートを羽織り、しかもフードを被ったまま歌い始めるのです、一曲目「Sky is blue」を。しかもスモークまでたかれています。珍しいものをいきなり目撃することになります。本日は一曲目から、曲終わりにリフレイン入れてきました。

とにかく今日はリフレイン、アレンジ、非常に多かった。大サービスと言っていいのではないでしょうか。

2曲目ドビッシャー男。めちゃくちゃ力の入った「ありがとう」を言われました。ドビッシャー男を聴くたびに、宮本さん、今もワイヤレスマイクのことドビッシャーマイクって呼び続けていればいいな、と思っています。

3曲目に早くも「悲しみの果て」。ようこそー!のお言葉あり。結局毎回この曲でまず泣かされます。あぁ、エレカシの音がする、と。

カウベルが鳴り始めるとともに手拍子が始まる「待ってました」感溢れる「デーデ」。白いコートも脱ぎました。
「星の砂」は昨日の暴れっぷりが最高だと思っていましたが、今日は歌い方が最強。強いのなんの。何があったか3階席からは定かではありませんでしたが、宮本と石くんが倒れ込むハプニングもあり。

みんな誕生日おめでとう。おめでとう。俺は6月12日。おめでとう。おめでとう。って言ってから始まったんです、「珍奇男」。縮み上がりました、私が。
ここからだったと思います、鳴り止まない拍手が始まったの。今日の珍奇男には、成ちゃん、石くん、トミ、それぞれに見せ場がありました。5日間で最長の演奏時間だったのでは。圧巻。

「昔の侍」のダイナミックさ、今日は「冬支度済まぬ」からすでに始まってました。ですので「日本の姿よ」で達する頂点の高さよ!最後のフレーズ、繰り返していました。それがまたかっこよかった。

第一部のラストが奴隷天国。大画面のあの演出映像いる?と私の中の悪い奴が比較的大声でささやいておりますがまあアリーナツアーというのは、こういうことです。私は「奴隷天国」の終わり方を見逃さないことだけを考えて日々生きる女ですから、連日ちびりそうなほど感動しておりました。今日はここで激しいタコ踊りが出て、絶対カメラが追い切れない瞬間がありました。WOWOWでの放送が楽しみで仕方ありません。

たしか時間にして45分程度で第一部は終了したと思います。初日はこの短さにざわざわしました。

第二部が下からのライティングが美しい「新しい季節へキミと」。ここでようこそー!と言ってもらえるのが、とても幸せ。
そして、人生は旅じゃねえか、旅に出ようぜ、的なかっこいいMCを挟んでの「旅」。私にとって常にエレカシベスト10位に入賞しているこの歌。冷静になれば結構聞く機会は多いのにいまだに号泣。「一瞬が永遠」の「エイエーン」部分が超好き。あの音程で「エ」の発音であの瞬間的にあんな音出せない、普通。

「彼女は買い物の帰り道」の前には必ず大好きな曲、大切な曲、自慢の曲であることのMCを入れていました。今日は自分ではとても気に入ったんだけれども、周りの反応がさほど…的なことも。
展開の素晴らしさ、「でも私は誰かを愛してる」という歌詞、女性目線かと思いながら、実は俯瞰で観ているその世界観。名曲。

このあたりで金原さん、笠原さんのストリングスチームのご紹介が入ります。
初日ではいったいどこからこの関係性の説明を始めたらいいのか苦戦→二日目にはなぜか1年6組の話までさかのぼる、という紆余曲折を経て、金原さんと笠原さんの美しさ演奏の素晴らしさの紹介に落ち着きました。私の気持ちも同様に落ち着きました。

「リッスントゥザミュージック」、とにかくこれは金原さんにロックオンです、毎回。私は福山雅治のライブで金原さんを拝見したことがあって、その時から金原さんの大ファン。エレカシに通うようになってから、この「リッスントゥザミュージック」の後半部分の宮本と金原さんのお互い向き合いながらの演奏に毎回痺れています。あのシーンが放出する強いエネルギーを浴びたい、常に浴びたい!
今日はこの曲の前に「35周年を意識したのはここ3日くらいなんですけど、この21日に有明がとれたのは嬉しかった」と言ったんですよ、宮本さん。この瞬間、心の底から、今日この場に来ることができてよかったと思いました。

私はエレカシの演奏を聞きに来ているんだ!オリジナルを聞かせろ!と一瞬でも
心の中で思ってしまった私、そこに正座な。蔦谷さんのキーボード、ミッキーの
ギターによる「風に吹かれて」。宮本の歌唱力はこんなにも凄かったか?と驚愕する一曲。

悲しみは優しいふりして
この町を包むだろう
おまえに会いにゆくまで


一昨日、私の目の前に留まり宮本が歌ったのはこの部分でした。この数秒間を真空パックにして一生抱いて過ごします。

歌の上手さが際立つ曲が連続で。「翳りゆく部屋」。荘厳。スケールの大きさ。このカバーを超える人はいないと思います、これからも。

「ハナウタ」は宮本さん自らお手振りを。前からここで手を振っていたっけと思いながら楽しそうにお手振りをする宮本に合わせてこちらも気持ちよく振ってみちゃったり。

そして「今宵の月のように」。私は一瞬ステージ上に月を探してしまいました。
室内なのに見えるような気がして。

「RAINBOW」、あんなに前は歌えてなかったじゃないか!と数年前を思い出す曲。キーを下げたわけでもないのに、どうしてあんなに完璧に歌えるようになるのか。
超難曲を自分で作り上げ、育て、開花させる。そのプロセスの一部始終を目撃できるバンド、それがエレファントカシマシ。嘘じゃないさ、の曲の終わりの宮本の静止。あれは何度観ても凄い。もう手が痛い!ってほど拍手しちゃう。

一日目、二日目と、みんなここでいったん、ああ第二部はこれで終わりかな、と気を緩めることになりました。気を緩めた時に聞こえる鳥のさえずりほど危険なものはありません。「悪魔メフィスト」の始まりです。崩せるだけ崩したあの歌のバックで演奏するって、どうやったらそんなことできるのでしょう。もう「信頼」の二文字しか頭に浮かびません。第二部震えあがって終了。

第三部は、泣きっぱなしでした、個人的に。
私にとってエレカシを追いかけてから初めての新曲となった「風と共に」。ちょうど50歳の時かな、みんなのうたの曲で、だいすきな曲です、というMCあり。

この曲を聞きたいがために、目黒川の満開の時期を毎日チェックし、桜並木を眺めた「桜の花、舞い上がる道を」。
俺が再び咲かせよう
こんなかっこいいこと言える?

花吹雪に感動しがちな宮本が、その喜びを携えたまま高揚した状態で歌う「笑顔の未来へ」の多幸感。そこから繋がる「so many people」。こんなにも幸せでいいのだろうかと、ちょっと気が触れそうになります。

「ズレてる方がいい」の終わり方がまた最高。宮本の顔が大画面に映る。拍手鳴り止まず。ライティングもすこぶる良かった。「俺たちの明日」、沁みる。この歳になってやっとこの歌の良さがわかるようになりました。沁みまくり。
とにかくもう第三部は泣き通しなのですが、とどめを刺されるのが「yes. I. do」なのです。新曲をやります、としか宮本は言いません。でももう、会場にいる人達の多くは、それがどんな意味を持つのかよくわかっているのです。大画面4分割に映る男たち、ここまで全力の26曲、満身創痍。最高にかっこいい。今回のツアータイトルが「YES.I.DO.」であるということには大きな意味がありました。新曲が一番カッコいいって、ファンにとって最高のプレゼントです。

そして30周年のツアータイトルだった「ファイティングマン」。なんかもう胸いっぱいですよ、35年前に生まれたこの曲を、その初期衝動を保ったまま演奏できるって。
「35年やってきた甲斐があったぜー!」

アンコール、みんなに捧げます、と言って歌うのが「待つ男」。宮本の辞書には限界という文字はないのでしょう。今日聴いた待つ男が、この5日間で一番デカい声だった。信じられない。本当に信じられない。ザックリ袈裟懸けに斬られて大団円。
祝祭感に溢れていながら、安穏とすることをよしとせず、この曲で終わるセットリスト。初日から一切変えず。
ただ今日はほんの少しだけ、「冬の夜」に絡めて有明アリーナを歌詞にはめ込んで歌ってくれました。記念日として、もうそれで充分です。

これほどまでに割れんばかりの拍手が鳴り止まないライブは今まで経験したことがありません。それだけ伝わるものがありましたし、観客側から伝えたいものもありました。
一番来たかった日が一番遠い席でしたが、一番エレファントカシマシというバンドに近づけた気がします。
まさに名演。素晴らしい記念日に立ち会うことができて幸せでした。5日間、エレカシの過剰摂取に悔いなし。

この記事を読んで、これなら私もエレカシのライブに行ってみたい、そう思って名古屋のチケットを購入される方がいらっしゃることを心から願っております。
エレファントカシマシを祝う桜吹雪の花びら一枚にでもなれたら嬉しいな、なんてことを思いつつ、私のライブレポ終了です。

第1部
1.Sky is blue
2.ドビッシャー男
3.悲しみの果て
4.デーデ
5.星の砂
6.珍奇男
7.昔の侍
8.奴隷天国

第2部
9.新しい季節へキミと
10.旅
11.彼女は買い物の帰り道
12.リッスントゥザミュージック
13.風に吹かれて
14.翳りゆく部屋
15.ハナウタ
16.今宵の月のように
17.RAINBOW
18.朝
19.悪魔メフィスト

第3部
20.風と共に
21.桜の花、舞い上がる道を
22.笑顔の未来へ
23.so many people
24.ズレてる方がいい
25.俺たちの明日
26.yes. I. do
27.ファイティングマン

アンコール
28.待つ男