💍わたしのピアスホール💍

なんてことない、ピアスを開けただけ。

ピアスを開けたかったのは恩師がピアスをしていて憧れたから、かわいいピアスをしたかったから、それと自分を変えたかったから。

でもバイトは児童館と保育園。安全性の観点からアクセサリーは厳禁。だから憧れてはいても、無理だろうなぁなんて思ってた。

開けられる絶好のタイミングがきた。コロナの自粛にオンライン授業。家から出るなの生活。

これは開けるしかないでしょ。動機がバカ大学生のそれ。

オンライン授業で疲弊して、ピアスを開けようと思った5月頭の深夜3時。この時点でおかしい。

でも、頭の中にはもうピアスのことで頭がいっぱい。ネットで情報収集をし、YouTubeやインスタで動画を漁り、どんどん膨らむイメージ。

そしてその日の夕方、ド○キまで自転車を走らせた。なんなんだこのスピード感。おかしいポイントその2。

誕生石のルビーモチーフのピアッサーを2つ買った。覚悟はできている。

大学生でピアスを開けるなんてごく普通のことなのに、なぞの背徳感や緊張、さながらワルぶっている中学生のよう。だけどその感覚が懐かしくてくすぐったかった。

さてさて日付が変わって深夜5時。ペンでアタリをつけた。さぁ時は満ちた。ぶっ刺せ、やってしまえ！！

……そんなトントン拍子にいくわけもなく、ビビりなもんだからその場で1時間立ち往生。だって超怖い。痛くないとか言ってたけど耳に穴をあけるんだよ野蛮人かよ。

ドキドキしながらバチンとピアッサーを握った。なんだ、あまり痛くないじゃん、と思った。注射の方がよっぽど痛い。ジンジンするような痛みで、それよりもピアッサーの衝撃の方が強かった。
これで合ってるのかなぁと鏡を何度も見た。第一関門突破。

右が開けられたんだから左はすぐに開けられるはず、とは思ったが実際はそんなことはなく、大したことないのを知っていても怖い怖いと1時間ビビり散らした。手には汗をかいて、そんなもんだから滑る滑る。ピアッサーが外れなくて焦って、なんとか2個目も開いた。

そうこうしているうちに早朝7時。昼夜逆転をしていたため、そのままおやすみなさい。

あれから10ヶ月、当たり前だが何も変わりゃあしなかった。怠惰に過ごしているわけではないのに、着々と時間は進み、その結果得られたものは何もないような。苦労と結果が見合っていないんだよと何度も憤って泣いたこと。人を責めても解決などしない。だけどその感情の行き場がわからず、自分を責めたこと。

だけど耳たぶで揺れる、ハートのピアスは確実に私のお守りになっている。