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飲み会で何度も同じことを言う人をバズらせる方法

飲み会で何度も同じことを言う人と遭遇したとき、どのように対処すべきかを考えている。先日、まさにそういう場に出くわした。相手は上司である。コロナもあって飲み会の機会がなくなった。自粛モードになる直前に部署異動したぼくにとっては、この上司とお酒を飲むのは、いっしょに仕事をし始めて約2年がたってからだった。

上司が繰り返し言っていたのは、「飲み会でコミュニケーションというのは古い考えかもしれないし、上司と部下という立場で距離が近づきすぎるリスクもあるが、それでも仕事から離れて悪口ではなく、くだけた話ができる時間は大切にはしたい」というような内容だったと思う。とくに頭に残っているのは、『古い考えかもしれない』のところ。飲み会に参加していたまさにそのときは、また同じこと言ってるな、くらいにしか思わなかったし、飲み会にはいたが酒は飲んでいない先輩とも、同じこと何回も言ってましたね、というような話をするだけだった。

この飲み会やそれ以前の飲み会を振り返ると、同じことを何回も言っている状況に出くわすことは何度かあった。同じことを何度も言っている人は、もしかしたら翌日になって後悔しているかもしれないし、もしかしたらぼくも将来、同じことを何度も言ってしまう人になる可能性は十二分にある。

何度も同じことを言う人に対して、ネガティブな印象をもってしまう人が多い状況は、せっかくの楽しい飲み会を台無しにしてしまう可能性もある。せめて、ぼくとこの記事を読んでくれている人が参加する飲み会では、何度も同じことを言う人とその話を聞いている人が、また同じこと言ってるよ、とグダグダにならず、むしろその場を跳ねさせる・バズらせるようにしていきたい。

同じことを何回も言ってしまう人の心理を考えてみたい。ケースとして、ぼくの上司を考える。コロナで飲み会を自粛し、解禁とは言えないまでも感染者数も減り、少人数での飲み会も開かれるようになってきた状況ではあるが、有志であるとは言え、ひとつの部署のメンバーが集まって飲み会をすることは、否定的な意見があることは重々承知している。それでも、日ごろの仕事での貢献に感謝を示すと同時に、さらに成果を上げていく機運を高めるために、懇親の場を設けた。

まず、飲み会をしようという声かけをすること自体、勇気のいることだったはずだ。飲み会をするなんて信じられないといった意見が出ることも想像できる。そんな気持ちもあるなかで、全員ではないがそれなりの人数が集まったことへの喜びや感謝をメンバーに伝えたい思いが、何度も同じことを言うという行動につながったのだろう。

上司にとっては、伝えたいと思っていたことが、あまり響いていないと感じられたために何度も同じことを口にしていたのだろう。『バズ』は新たな考えが次から次へと表出したときのうねりのようなものだとすれば、同じことを言っているところに、レベルや角度を変えたひと言・アイデアを付け加えていく。上司の考えをぼく自身に憑依させて、上司の言っているよりも少し大げさな言葉で同じことを言ってみる。長くしゃべってしまい、周りが聞くモードになってしまってはいけない。

たとえば「こうやって、プライベートな時間に、集まってくれるのって嬉しいですよね」とか「家族に対して、飲み会に行くって言うのは勇気がいることでしたけど、来てよかったです」とかそれぐらいのことでいい。誰かが、“プライベート”とか“家族”とか“勇気”といった言葉を拾って発言し始めたらしめたものだ。そうやって新しい言葉をピックアップしてつないでいくと、話がどんどん展開していく。話のなかで、伏線になりそうな言葉を記憶しておいて回収する。

目上の人の発言を伏線として回収するのは、ハイリスクハイリターンだが、上司が何度も口にしていた“古い考えかもしれない”というのを「古い考えかもしれないけど、お酒を飲むと一体感がでますよね」などと言ってもいい。

こうして考えてみると、お酒の場以外のコミュニケーションでも同じかもしれない。傾聴、傾聴。とにかく相手の話を聴きなさいというようなことは良く聞くが、主張しない傾聴は傾聴ではないのかもしれない。聴くだけではなく、聴いたことを踏まえて、自分の考えを主張する。その考えに付け加えて話を膨らませていく。その連続によって、思ってもみなかった考え、いつまでの記憶に残り、誰かに伝えたいアイデアにつながっていく。

そんなことを飲み会の翌日に考えている。次がいつになるかは分からないが、次は同じことを何回も言わせないで、記憶に残る楽しい飲み会を陰ながら演出していきたい。

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