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子どもの虐待をなくす

子ども虐待をなくすことは、私の重要な政策のひとつです。

そのために、長年、児童相談所(児相)を東京都から区への移管することを求めてきました。2020年4月に念願がかなって、世田谷区立の児童相談所が設置されましたが、何が変わったのでしょうか?  

変わる一時保護のあり方と里親

児童相談所を区が設置したことによって、例えば、里親についても区の責任となりました。児相には子どもを保護する一時保護所がありますが、なるべく家庭的な場所で保護することが理想とされています。最近の傾向として、短期間の一時保護であっても子どもの年齢や状況によっては、一時保護所ではなく地域の里親さんのところで暮らすこともあります。私は、この里親さんが子どもの保護者にとっては、地域の子育て応援団になっていけるといいな、と思っています。

ふたり、あるいはひとりで子育てをしている人たちにとって、身近な子育ての先輩であり、自分の子どもを一緒に育ててくれる親戚のような立場の人がいるといいのではないかしら?と思うからです。

区が責任を持つ里親制度    

区に児相が移管されたことによって、これまで東京都の役割だった里親の育成や支援などは、世田谷区が直接行うことになりました。来年度から里親さんのリクルート(募集)から育成、支援などすべての業務が一括で民間へ委託となります。区にとって、里親制度が遠いものにならないことが重要だと思っています。

日頃から、私が指摘しているのは、行政として様々な取り組みの現場から区の職員が遠い存在となり、公的責任が果たされなくなるのではないか?という点です。ですから、児相を設置して3年目で、児相の取り組みの中核的なポジションを占めると思う里親制度を、民間事業者にに一括で委託することは、あまり賛成出来ないという考えです。

しかし、子どもや保護者の方にとってより良い制度であるか、が一番重要ですから、この点については注視していきたいと思っています。

増加する子どもの虐待の通報

全国的な傾向ですが、 世田谷区も子どもの虐待の通報は年々増加をしています。特に、虐待が思春期まで及ぶことがないようにするためには、早期に発見されることと適切な支援につながることが大切です。この点は都の児相と比較すると、区の児相の方が区民にとって身近な存在ですから、きめ細やかな対応が出来るはずです。これは、世田谷区が独自に児相を設置していることの良さです。 職員の育成などまだまだ課題はありますが、何かがあった時に、即対応が出来る児相として、力をつけていくことなどに、期待していきたいと思っています。

子どもの背景に目を向けた支援を

子どもにはどうにもできないことはたくさんあって、困難な状況から抜け出そうとする時に、「非行」と言われる行動につながることもあります。  その時に、「なぜこのようなことをしているの?」と子どもの背景に目を向けることが必要です。 少年院にいる子どもたちの6割以上が虐待を受けて育っているという調査もあります。子どもが自分の力で虐待から逃れることは容易ではありません。だからこそ地域の中で、虐待を見逃さず、必要な支援を迅速に届けていくことをめざし、児相のパワーアップを後押ししていきたいと思っているのです。

世田谷区立児童相談所の設置から3年目

これからは、児童相談所だけではなく、様々な部署が連携して子どもを包み込めるネットワークをつくることが求められます。また、コロナ禍で顕著になった女性の自殺の増加は、子どもの頃からの困難とも無縁ではないとも感じています。児相の設置から見えてきた世田谷の子どもの置かれている現状については 、第2回定例会で質問にも取り上げました。これからも、子どもが安心していられる居場所をつくることや、子ども自身の意見、思っていることを受けとめられるような社会にしていくことをめざしていきたいと思っています。



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