電撃大賞受賞作、「きじかくしの庭」が重版しました!

すでにTwitterに書いたことですが……きじかくしの庭が重版しました。この件につきまして、皆様にご報告とお詫びがございます。

きじかくしの庭は2013年2月に発売した私のデビュー作です。そして電撃大賞の大賞受賞作でもあります。
大変おめでたい作品ですが、実は本をいただいてから、私がした修正作業が反映されていないことに気づきました。
端的に言えば、編集者のミスです。間違った状態のまま、本になりました。
2月の平日の日中の自宅で、一人で泣いていた記憶があります。「初版での修正はもう無理だから、重版の時に直すね」と言われて。
デビュー作の本を手にして、悔し涙を流した人もそう、多くはないかと思います。貴重な経験ですが、二度と御免です。

今回、9年半の時を経て、重版の時に直す約束を何とかしてもらいました。何とか、というところに含みがあるのは、今回もいろいろあったからです。
全部書くと、本が出版できるくらいの長さになるので、この辺でやめておきますが、ここまで漕ぎつけたのは、多くの人のお力添えがあったからです。皆さま本当にありがとうございます。

超少部数重版ですので、一部店舗を除きまして書店に置かれることはないと思います。ですので、書店やネット書店で注文していただけると嬉し泣きすると思います。


以下は、Twitterに貼りました画像のテキストです。


「きじかくしの庭」は今回、初版から若干の文章訂正を行いました。初版を手にしてくださった読者さまには大変申し訳ないことですので、このことをお伝えするかは悩みましたが、重版時の誤字脱字訂正としては多すぎる修正となりましたので、ご報告することにいたしました。
 
出版社によって回数は異なりますが、本来であれば、「きじかくしの庭」も、何度か修正を行ったうえで、出版される予定でした。もちろん私は、手順通りに修正を行いましたが、本を手にしたときに、それ(再校)が反映されていなかったことを知りました。
 
購入してくださった方々にお詫びしなければならないのは、この状態の本を出してしまったことです。大変申し訳ありません。
今以上に、何もわかっていなかった当時の私にできたのは「重版のときに直すから」という約束をしてもらうことだけでした。できればすぐにでも訂正したかったのですが、重版の壁は厚く…デビューから9年がすぎて、ようやく願いが形になったという次第です。
 
9年も経てば、私の感覚も当時と同じではありません。見直すほどに変更したい箇所もありましたが、その後に書いた「落第教師 和久井祥子の卒業試験」とのつながりもあり、違和感のない範囲の修正にとどめました。ですので、内容的には初版と変わりはありません。ただ、これでようやく「きじかくしの庭」の作業を終えられた気がいたします。
 
ここに至るまでに、差し伸べてくれた多くの手があり、今回の重版に至りました。皆さま、本当にありがとうございます。諦めずに良かった…書き続けて良かった…としみじみ思います。
 
電撃大賞を受賞した時のコメントとして書きました「剣も魔法も出てこない、誰の身近にでもあるお話」は、創作するうえでずっと、私の中心にあります。原点に戻り、来年のデビュー10周年には、「きじかくしの庭」と同じく、学校を舞台にした作品を発表できればと考えております。ただ、デビュー時と同じでは成長がありませんので、今の私が書く学校を舞台にした作品、を皆さんにお見せできるようにしたいと思っております。
今後とも「きじかくしの庭」を始め、桜井美奈の作品をよろしくお願いいたします。
                              桜井 美奈





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