無題

歩きつづけるうちに
シャツの色は褪せてゆき
夕映えの色が写り込む
流れ落ちてしまった色は
排水口に溶け込んで
やがて海を染め上げた。
海の色はシャツの色
シャンブレーみたいな
青と白のまだら模様
私の滲んだ汗は海
潮風みたいなべたつきの
やるせない懐かしさ
伸びすぎた影と夜の
境界線の不明瞭さ。

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