愛するものたちの歌

ふかしぎな夜
神妙な
心持ちで
窓ガラスの揺れる不安と
明日への
浅はかな期待と

黄色いカランダッシュの鉛筆
ジェームス・ロックの帽子
タグ・ホイヤーの時計
お気に入りの詩集
友達は
いるだろうか
わからない
一方通行で
構わない。
水晶の一塊
僕にとって
図らずも
水晶の一撃。
それから
不確かな関係性を求めて
だって僕は
自分がわからない
情熱はもう
燃え尽きてガス化して
目に見えない
わずかなガスの揺らめきが
わずかに鼻に
感じ取れる。

ふかしぎな夜
神妙な
心持ちで
窓ガラスの揺れる不安と
明日への
浅はかな期待と

水晶の一撃
あの情熱は
ない
けれどまだ何かが
僕を
たしかに何かが
僕を
刺激する
それはつまり
手にした
瞬間の。
まだ何かを
好きでいるのですか?
好きなものが
あるというのですか?
ならば特別に
教えてやろう

叫べ


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