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コロナ禍に思う、バックグラウンドが違う人へどうしたら正しく物事を伝えられるのか(未解決)

バックグラウンドが違う人に物事を正しく伝えることは本当に難しい。自分にとっては当たり前で「一般常識」と思っていることが相手にとっては違うことなんて山ほどある。
コロナの件で人と話す時、最も強くそれを感じた。

出来るだけ早く「終息」、あるいは最低でも「収束」させるためには、「全員がそれぞれかからないように気をつけること」が大事だと、医療関係者に早い段階で話を聞いて、私は理解をできた。そのためには飲食店もさっさと自粛休業すべきだと理解できた。(だから、私が元勤めていた飲食店は早い段階から営業自粛し始めた)

でも、その時まだ政府やマスコミは「正しく怖がりましょう」とか言っちゃっている段階で、私の身近な人たちも「集団免疫獲得しちゃえばいいじゃーん。自粛なんかより経済まわそまわそ」という感じで平気で飲み歩いて「経済を回していた」。

集団免疫獲得までには40万人の死者数が出るだろうことはその時点で既に言われていたことだったが、彼らにはその40万人に自分がなり得るという可能性は思いもしていなかったようだった。

確かに、当時は「高齢者」が重傷化しやすいという報道ばかりで、それが「50代以上」という表現で拡がり始めたのはだいぶ後だったので、親も既に他界しているような世代にとっては他人事でしかなかった。それよりも友人の経営している行きつけの居酒屋の利益の方が大事だった。

そうやって「経済を回そう」と動き回ってくれる人のおかげで短期的には助かったお店は恐らくたくさんあっただろう。だけど、「絶対に自粛要請に従ってくれた方が早く収束して、結果的に経済への悪影響も少なくて済むのに」と思った私は、それがうまく説明できなかった。

たしかに、「要請と補償はセットであるべき」という意見に間違いはない。その点のスピード感のなさがこの国の政治に嫌気が差したことの1つだから、気持ちはよくわかる。それでも、みんながいっせいに早い段階で少ない痛みを先に伴っておけば、長引かせずに済むはずだと分かっていた。だけど、マクロで見られずミクロな世界でしか生きていない人に、「いま、この時」ではなく「1ヶ月後」への影響の少なさを説明する力が私にはなかった。

どうすればこの人たちに伝えられたのだろう?また、同じような思いの各種「専門家」の方々が、総理に近いところにたくさん居たのではないだろうか。それなのになぜ総理は正しい判断を迅速に出来なかったのだろう。トップが正しい判断を迅速に出来るような材料は、どんなものがあれば良かったのだろう?

「マスク配れば国民が喜びますよ」とか「10万円ずつ配れば安心ですよ」とか「星野源さんのコラボ動画やればいいんですよ」とか、そんな適当なことを言った輩しか日本のトップの周りには居なかったのか?そうではないと信じたい。本当は正しい知識を持ち、どうすればいいかを知っていたのに、異なるバックグラウンドを持っているその人に、その知識を正しく身につけさせることが出来なかっただけなのだろう。

いったい、異なるバックグラウンド・異なる知識量を持つ相手に正しく状況を理解してもらうためにはどんなことをすれば良かったのだろう。

データだろうか?でも、40万人の犠牲で済むなら、と思っていること人たちには数字じゃ響かなかった。国民の0.33%が犠牲になればいいのだと言われたら、確かに他人事に感じても仕方ない数字だ。もっといいデータがあるのだろうか?

ちなみにここで言及した、「みんなで免疫獲得すればいいじゃーん」と言っていた彼らは、ここ数日報道された、「感染し、やっと回復した人達の言葉」がやっと響いたらしい。「インフルエンザよりつらいなんて!」と、突然飲み会に行くのを辞めた。

あぁ、人に物事を伝えるって、難しい。

ここまでお読み頂きありがとうございます! 子どもの頃からの野望「世界平和」のために小さなことからコツコツ頑張ります!