見出し画像

住宅購入の資金相談のFP評論

住宅購入相談でよくあるFP相談での持論です。

【住宅メーカーの紹介のFPの言うことを信用して良いのかどうか?】

【保険会社(保険募集人)のFP相談はどうか?】

~~年収400万円で3000万円の住宅は買えるのだろうか?~~

住宅購入を考えるにあたり、資金相談を誰にすれば安心できるか?についてお話します。

まず、相談する側の「相談したい内容」➀と相談を受ける側②③の「提案したい内容」のギャップがある場合は、相談する側に大きな不利益が出る可能性があることを知る必要があります。

➀相談する側の「相談したい内容」は、住宅購入における資金相談となります。例えば 「どれくらいまでの予算まで大丈夫か?大丈夫とは、購入後も安心して暮らせるか。住宅ローンはいくらまで借りても生活に支障が出ないか?自己資金はどの程度入れるべきか?」など、住宅購入にかかわる資金相談となります。

相談を受ける側の「提案したい内容」が、FPの立場によって異なります。住宅購入時のFP相談は、多くの場合②と③の2パターンとなります。②③とも住宅営業パーソンからFP相談を持ち掛けれられ、外部のFPが相談を受ける格好がほとんどです。

 ②「住宅メーカー提携の営業支援目的FP」の場合は、住宅営業支援ですから、契約の後押しとなり、相談者が成約した場合に成功報酬を受け取ることを目指します。理想とするライフプランを伺いながらキャッシュフロー予想をPCなどで作成していきます。将来の収入と支出を考えながら住宅メーカーの提案する予算で住宅ローンを組んでも問題ないフロー表を作り上げることが、優秀なFPの条件となります。そして、その住宅ローンを組んでも問題ないフロー表を➀相談する側に提示し、住宅購入を後押ししていきます。FPにとっての目的は住宅営業支援ですから、こうなりますよね。現在の貯蓄額や現在から将来の収入に不安があっても、お構いなしに、支払できるキャッシュフローを作成し、安心できるようなお話をして住宅購入を後押しします。キャッシュフロー作成は、数字の組み合わせですので、作成の経験をしているFPであればある程度の数字の調整は、その場でできてしまいます。教育資金が不足しそうであれば、進学の話をしないとか、老後資金の不安があれば、将来の収入を高く見積もることや、退職金や公的年金を多く見積もることで対処してしまうと思います。また、日常生活費の上昇(普通は子供が大きくなると、支出全体が増えてくる)ことを想定しないことや、将来の大型消費(車・家電・メンテナンス費)を計上しないなどなど。やり方はいくらでもありますからね。提示されたキャッシュフロー表の数字をよく見ることが大切ですね。

 次に、③住宅メーカーの営業パーソンから保険会社所属のFP(保険募集人)を紹介された場合、そのFP(保険募集人)保険販売が目的となり保険販売手数料を目指します。このFPも、住宅営業パーソンとのつながりがありますので、営業支援的なFPとなります。保険会社所属のFP(保険募集人)の場合、AパターンとBパターンに分かれます。まず、Aパターンは、住宅営業パーソンとの関係が良好の場合。良好な関係を築いている理由は、営業支援がうまいFPとなります。住宅営業パーソンの目的は、受注ですから、その受注を支援できるFPに相談を依頼することになります。住宅営業パーソンとFP相談のサイクルがうまく回れば、営業パーソンとFP(保険募集人)はwin-winですよね。依頼を受けたFP(保険募集人)は営業支援するためのライフプラン・キャッシュフローを提案し、そこから保険の提案・受注につなげる仕組みです。次に、Bパターン。住宅営業パーソンとのかかわりが薄いFP(保険募集人)の場合、目的が保険提案・販売となりますので、住宅購入資金の相談は、軽くかわして、いつの間にか保険の話になっていきます。そのため、住宅購入資金相談も完了せず、望まない保険の話を聞かされるというオチになっています。

 相談するときには、FPがどんな立場なのか(住宅メーカーの提携FPなの か、保険会社のFP(保険募集人)なのかを確認する必要があります。相談をする側の注意点として、どのような立場で相談の依頼を受けているかをFPに聞いてみてください。うまく答えられないFPであれば、相談しないほうが身のためです。

最後に持論です。

 住宅購入資金についての不安「将来の支払い不安」「全体の予算の組み方」「自己資金の投入額」は、多くの方が直面する問題です。

 収入のすべてを投入しても欲しいのであれば生活レベルを下げてでも手に入れてもよいと思います。住宅の場合、そこまで思い切ることができないのが実情です。住宅を購入しても、旅行にも行きたいし、車も欲しいし、子供の教育も提供したいしと・・・。すべてを手にするために必要な収入をはじき出すキャッシュフロー計算をしても意味がありません。すると、現在の収入で、「希望するすべてができるか?」「できないのであれば、どの項目をどの程度削減すればいいのか?」を考える必要があります。今の生活を維持できなくてもどうしても家が欲しい。家を買うのであれば、生活費を半分まで削る覚悟があれば、それはそれでよいと思います。家を買えるのであれば、子供の教育費を出さないことも許容するのであればそれもよいと思います。

 FP相談を受けと、すべてがうまくいくキャッシュフロー予想を出せる方は、多くありません。 が、キャッシュフローは将来の予想に過ぎないですし、キャッシュフロー通りに収入と支出が推移するわけでもありませんので、「収入が少ないから無理」「今の生活レベルから考えると将来も、安心」などと伝えることは簡単ではありません。

 相談者の中には、厳しくても、住宅購入を実現したくて背中を押してほしい人もいるでしょう。10年前に相談を受けて、内心無理だろうなと考えた方も、ちゃんと生活している(破綻せず暮らしている)?方も実際いらっしゃいます。収入的には問題なくても、家族の問題(主に離婚)で住宅を手放す方もいます。

 「良いFP相談とは何なんだろうか?」と考えていくと、~~年収400万円で3000万円の住宅は買えるのだろうか?~~という相談を持ち掛けられたとしたら、「買いたくて買える(資金調達ができる)のであれば、勇気をもって買えばよい」という結論を、どのような相談過程をもってお客様と相談の時間を共有していくかを悩めるFPが良いFP相談であると考えています。




この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?