ウルヴズ21-22の選手評価を振り返る。

UEFAネーションズリーグの影響もあり移籍関連の話が進まず、暇なので21-22シーズンのウルヴズの各選手の振り返りをしようと思います。

退団する選手については前回の記事で多少書いたのですが、もう一度改めて書こうと思います。所々きつい言い方をしてしまうかもしれませんが、選手には最大限のリスペクトをもっています。

よろしければ暇つぶしにでも読んでください。なお、自分自身の選手への評価の物差しが合ってる自信はそこそこ程度しかないので、「そうじゃない、こうだっただろ!」などの意見があればtwitterなりで自分宛に発信していただければ、より選手、サッカーに対する理解が深まる気がするので是非お願いしたいです。

それでは、振り返りを始めていきます。今季の出場があった選手全26名の簡単なデータは再喝になりますが以下の通りです。

21-22の選手成績

「https://www.transfermarkt.com/wolverhampton-wanderers/startseite/verein/543
」より引用

Jose sa

オリンピアコスからわずか€8.00mで今夏加入をした絶対的守護神。純粋にGKとしての能力が総合的に高いです。中でも素晴らしいのは、セービングと1vs1の強さでしょう。

ウルヴズはハイラインを敷くスタイルではないのですが、低いライン設定をしているわけでもなく、鈍足CBが裏を取られてシュートコースの限定さえもできない場面が多々ありました。そんな数多の絶望的状況を個人の能力で救ってきたのがサーです。終盤の終盤は崩れに崩れたウルヴズ守備陣でしたが、「堅守」と評価された時期があったのはこのGKのおかげでしょう。

ミドルレンジから放たれるシュートもなんなく止め、1vs1も上手く詰めて決定機を止める。さらにビルドアップ面ではアシストを記録しており、チーム全体のビルドアップが整備されればよりサー自身のビルドアップ能力の高さも見えることでしょう。

デヘア、ロリスと並び、アリソン、メンディに次ぐ3番手クラスのGKであることは間違い無いでしょう。来季はより一層評価を高め、ウルヴズをより高い順位に押し上げてくれることを願いましょう。また、GKは他のポジションに比べ比較的全盛期も長いので、数シーズン先もウルヴズのゴールマウスを守ってくれていることを願います。

怪我さえなければ今頃ネーションズリーグをポルトガル代表として戦っていたことでしょう。今回は残念ですが、次の機会には招集されると思います。

John ruddy

今季をもって退団が決まった元2ndGKです。出場機会は非常に限られていたものの、出た試合は大きなミスをすることもなく、2ndGKとしての十分な役割を遂行してくれました。今年36歳を迎えるベテランが去ることはチームにとっては痛手ですが、陰から支えてくれたラディには多大なる感謝を告げなければなりません。5年間ありがとう!

conor coady

キャプテンとしてチームを引っ張り、今季最も出場時間を稼いだ選手です。フィード能力は素晴らしいものの、致命的なほどに足が遅いです。とはいえ体を張って何度もゴールを防いでくれました。控えながらもイングランド代表に招集されています。

頑丈さとキャプテンシーは素晴らしいものの、辛辣な意見になりますがウルヴズがより強力なチームになるには、コーディの出場時間を大きく奪うCBが必要だと思います。功労者であることは間違いありませんが、CBとしての守備能力は高くなく、ELないしECLを目指すチームの要としては実力不足の烙印を押さざるを得ません。

契約が2025年まで残っており、同ポジションのサイスが今季をもって退団が決まっているため今季に放出する可能性はありませんが、来季にかけて質の高いCBを補強し、キルマンとトティが来季経験を積んで実力がつき次第放出される可能性は高いと思います。

イングランド代表に選ばれるほどの実力者と思う方もいるかもしれませんが、今のイングランド代表はマグワイアが守備の要となるほどの選手層の薄さです。イングランド代表のCBという肩書きはそれほど強力なものではありません。

来季はキルマンとトティに加えて補強される質の高いCBが軸となることでしょう。コーディにはメンタルの部分で支えてもらい、多少の出場機会を得ながら来季終了から来来季にかけて移籍金の面で最後の貢献をしてくれることを願いましょう。

max kilman

今季もっとも素晴らしい活躍をしたCBだということは間違い無いでしょう。終盤戦の終盤のキルマンが離脱が勝ち点の落としに直結していることからも、この選手の貢献度を表しています。

キルマンの持ち味は、左足から対角線のウイングに放たれるロングフィードと対人の強さです。フットサル上がりであることから足元の技術も素晴らしく、パスコースがないときはスルスルッと持ちあがっていく姿を何度も目にしました。そのドリブルも危なげなく、かなりの自信があることだと思います。

ウルヴズの配置が悪いこともあり、サイドで回収したボールを外に簡単に蹴ってしまうシーンが散見されました。ここは来季改善されると良いですね。無理に蹴って低い位置での相手スローインにするのではなく、相手ボールになるにしてもGKまで戻してウイングの位置に蹴ってから相手ボールになる方が良いと思います。サーは足元があるGKなので、来季はラージのビルドアップ整備に期待して、ここのロストを少なくしてGKからビルドアップできると面白いと思います。

3CBの一角としてしか見たことがありませんが、来季は2CBの1枚としてどこまでやれるかも見てみたいですね。足も速いので、3CB時はそれほど見られなかったカバーリング能力も注目ポイントです。来季にかけて順調に成長すれば、どこかでイングランド代表にも選出されるだろうと思います。

一時期はどこかのビッグクラブに噂が上がっていました(チェルシーだったかな?) 。チェルシーの選手層にその時点では食い込むほどの実力はありませんでしたが、来季終了時点ではどこかしらのビッグクラブに噂が上がる可能性があるほどの成長が見込める選手だと思います。来季の活躍に期待しましょう。

romain saiss

今季をもって退団することとなりました。不用意なファールは多く見られましたが、CBとしての能力自体は低くなく、意外と過小評価されているな、と感じる選手の一人です。元々はウルヴズがチャンピオンシップに在籍している頃に活躍した選手ですから、ウルヴズと共に素晴らしい成長を遂げたといっていいでしょう。

得点数が少ない中、貴重な2ゴールはどちらもストライカー並みの素晴らしいゴールでした。守備面でも、波はあるもののフィードが良い日もあり、素晴らしい守備もありました。契約延長に繋がるようなシーズンを送ることができなかったという評価ではあったと思いますが、6シーズンに渡ってウルヴズのプレミアリーグ昇格と2度のEL出場に貢献してくれた功労者であることは間違いありません。

モロッコ代表にも招集されており、実力的にもまだ欧州リーグでプレーする実力はあると思います。サイスの更なる成功を願っています。

willy boly

怪我の影響もあり、思うように出場機会を得られませんでした。対人能力はそこそこで、フィードはあまり上手くありません。比較的堅実な、かつ無難なプレーに終始した印象です。これといった武器がないので良くも悪くも印象が薄いです。ボリーの欠点はそれほど目立っていませんでしたが、コーディと同じく足が遅いということです。プレミアリーグで今季より高い順位を目指すチームにおいては、スタメンを任せるには少し厳しいというのが正直なところでしょう。

ネベスと共にポルトからやってきて、ウルヴズに貢献してくれましたが、来季の契約満了を待たずに今季移籍金を残してもらうことがウルヴズにとって最善でしょう。来季は、コーディ、キルマン、トティの3枚が稼働することはほぼ決まっているので、出場機会の少ないであろうボリーは厳しいでしょう。モスケラの去就は決まっていませんが、プレシーズン次第ではこの選手もスカッド入りするので、そうなるとさらに使い所がなくなります。

チームがどのような人員整理をするかはわかりませんが、時には厳しい選択もとっていくことが中長期的に考えてチームにプラスになることは確かでしょう。ボリーの去就には注目したいです。

toti

冬の移籍市場でローン先から戻した選手です。サイス、ボリーよりもCBとして能力は高く、これから先も楽しみな選手の1人です。第22節からのスカッド入りであり、出場時間は424mとまだまだ未知数な選手です。来季はとりあえずスカッド入りと考えていますが、即戦力級のCBを2枚補強する可能性もあり、そうした場合にはモスケラと控えを争う可能性があります。

出場した5試合のうち序盤の2試合では足元がバタバタしており、微妙なミスをするシーンが目立ちましたが、その後はそのようなミスは見られず良かったと思います。来季の活躍に期待です。

yerson mosquera

今季から加入した若手CBです。トップチームでのプレミアリーグ出場はまだありませんが、来季以降にかけて期待される選手の1人であることは間違いありません。

ユースの試合に出ていたので何試合か見ましたが、正直な感想としては少しトップチームでやるには厳しいかもしれないという印象です。ユースレベルでも競り合いで優位に立つ場面は多くないのが気になりました。一方で、ミスはあるものの良いフィードは見られましたし、自信をもってフィードを蹴っている場面が多々見られることからも、そこを自分の武器としていることでしょう。

来季はチャンピオンシップでのローンを積んで来々季とスカッド入りを目指してほしいです。身体能力は高いので、将来が楽しみです。

nelson semedo

守備は特に上手くはありませんが、縦への推進力が持ち味の選手です。ドリブル突破は良いものの、最終局面での選択が悪い場面が散見されました。クロスの質が高いわけでは無いので、より深い位置まで抉る場面が増えると良いです。怪我での離脱もあり、満足いくシーズンではありませんでした。来季に契約が切れますが、重要な戦力であるため放出はないでしょう。個人的には延長してほしい選手です。

右WBはジョニーと争うことになりますが、ジョニーが守備面でセメドと比べてスプリント以外では勝っているので、攻撃面で違いを作りたいところです。ウルヴズが大外のレーンを得意としている選手が多い中で、セメド自身も大外のレーンを活かしたオーバーラップを得意とする選手であり、理論的には噛み合わせが悪いです。インナーラップでビルドアップを助けるシーンが増えるとより攻撃に厚みが出るので、来季はその部分に期待したいです。

rayan ait-nouri

昨季の活躍により、今季頭に買い取りが実現した若手有望株です。足元の技術はかなり高く、自分の足元に相当自信があるのはプレーから見てとれますが、ゴールに直結しない上手さとなってしまっているのが非常にもったいないと感じます。推進力はあるものの、一度運び出すと前へのプレーをやめて後ろからやり直す、という選択肢を持てないので、結果ロストに繋がるシーンが多いのは早急に改善したいところです。

対角線のフィードも精度は良くないものの持っているビジョンは素晴らしく、繋がれば大チャンスになるというシーンも見られ、足元の技術に加えてサイドバック、ウイングバックという器に収まらないようなポテンシャルの片鱗も随所に見られました。守備能力も悪くなく、攻守において判断力が向上すれば一気に開花しそうな選手です。買い取りは大成功でしょう。

来季は判断力を磨いて、どこまで成長するかが楽しみです。数シーズン後にはビッグクラブに引き抜かれる可能性があるでしょう。

jonny otto

怪我で出遅れましたが、ウイングバックとしては最も高い水準で安定していた選手と言えるでしょう。ジョニーは攻撃時のポジショニングが素晴らしいです。守備から攻撃に転じる際も、いてほしい場所、そこにいるためチームとして攻撃のベクトルが前に向かうための大事なポジションにいてくれることが多いです。

またセメドと違い大外以外の場所でも高い能力を発揮してくれます。スペイン人らしい細かなパス繋ぎもそつなくこなしますし、押し込んでる時にしっかりポジションを埋めていることにより、アストンヴィラ戦のようなこぼれ球も得点に繋げることができました。また左でも仕事をこなせる点は素晴らしく、チームにとってこれほど有難いことはないでしょう。

来季は右のファーストチョイスとなることでしょう。セメドと上手くローテをして怪我なくフルシーズンを戦ってほしいですね。

ki-jana hoever

セメドの完全なる控えとしてスカッド入りしました。ジョニーの復帰もあり、十分な出場機会を得られず、わずか485分のプレーとなる厳しいシーズンになりました。そこそこの移籍金で加入したとはいえまだ20歳の有望株です。来季は噂のあるアヤックスにて出場機会を得ると共に実力をつけて、来々季のスカッド入りを目指してほしいですね。

u23の試合を見る限りでは、ボールの扱い自体は得意な印象です。身体能力も高いのですが、これといった武器が見えません。ローン先ではなにか武器となるものを見つけてくれると嬉しいです。

marcal

ラディ、サイスとともに退団が決まった選手です。身長はないもののフィジカルがありますが、攻守に渡って並みいかのプレーに終始しました。クロスが上手くなく、かといって縦に抜けるわけでもないので、プレミアリーグでプレーする水準にはないと感じました。守備に関しても危機察知能力が低く、戻るべき場所に戻れていないシーンが目立ちました。控えとしても能力は不十分で、契約満了での放出は誰もが納得しているでしょう。

来季はボタフォゴへの加入が決まっているようです。母国でのプレーを楽しんでくれることを願います。

ruben neves

ウルヴズの攻守に渡っての軸ですが今夏の移籍は避けられないでしょう。対人守備はそこそこ強く、身体能力が特別高いわけではありません。守備範囲も広いわけではありませんが、ボールを刈り取る力はある程度持っています。

守備面での貢献はそこそこですが、ネベスの持ち味はなんといってもロングレンジの配給能力です。張ったウイングへ滞空時間の短いボールを送ることができるため、相手の守備が整う前にウイングの1vs1の状況を作ることができます。また、相手CB裏に落とすパスも上手いです。ウルヴズの場合はヒメネス、ファビオシウバと快速アタッカーがいないため目立ちませんが、FWのキャラクターが合えば低い位置からのロングパス1本でビッグチャンスを作ることができます。

今夏には、マンチェスターユナイテッド、アーセナル、バルセロナ、ローマの噂が上がっていました。広大な範囲をカバーできるアンカータイプではなく、ダブルボランチの一角で片方のボランチと連動してスペースを埋めながらボールを受けて散らす役割が最適でしょう。プレミアリーグであれば、今季の上位3チーム以外であればスタメンが約束されるほどの能力を持っています。これからのポルトガル代表を引っ張る存在であることも確かでしょう。

広大なスペースがあるチームでは相手の脅威となれる選手ですが、引いたチームに対して効果的なプレーの選択肢をもっている選手ではありません。仮にそのようなチームに移籍した場合はどのように適応するかは楽しみなので、是非見てみたいです。€50mほどの移籍金を残してくれるはずです。移籍金を残してくれる選手は、仮に移籍するにしても最後の瞬間までチームに貢献してくれる素晴らしい存在です。ファンのやるべきことは、選手が適切なチームに行くことを心から願うことではないでしょうか。ネベスの新天地での活躍を期待しましょう。

leander dendoncker

並程度の守備力をもち水準以上の走力をもつ、足元の技術のない典型的なフィジカル系セントラルミッドフィルダーです。持ち味は長い距離をそこそこのスピードで90分間通して走ってくれるので、守備時はスペースを埋めながら、カウンター時は空いたスペースに駆け込んでくれる役割です。走り方があまり綺麗ではないので分かりづらいですが、決して遅くはないです。27歳の男性の走り方とは思えませんが、そこも愛嬌です。今季はカウンターから決めたり決めなかったりと、決定力はそこそこ程度ですが、この選手がいたからこそ成立したカウンターがあったのは紛れもない事実です。

身長はかなり高いので、セットプレー時に起点となれるところも素晴らしいですね。ヘディング自体は上手くはないのですが、攻撃時にも守備時にもこのような高身長な選手がいるのはチームとしては大切です。

先述した役割に特化させれば市場価値(€30.00m)に近い働きはできると思うのですが、残念ながらそのようなカウンターサッカーを展開したのは終盤の強豪相手のみでした。ビルドアップが整備されていないウルヴズでしたから、引いてカウンターをするサッカーを軸にシーズンを通して戦った方が良かったと思いますが、ラージ1年目にそこまで求めるのは酷かもしれません。

かなりの市場価値がついてて今季はこの出場時間ですから、来季の契約満了を待たずに今季をもって売却するのが最善の選択でしょう。考え難いですが、来季に引いてカウンターを基本戦術に据えるのであれば残す価値は十分にあるでしょう。その場合は契約延長の線すら考えられます。後述するトラオレと一緒で、役割を間違えなければ活躍できる能力自体は持っていますから、チームとして適切な判断をしてくれることを願いたいです。

joao moutinho

大ベテランながらMF陣で最長の出場時間を稼ぐ鉄人です。ボランチとしてキープ力に優れ、長短のパスを散らす能力は未だ健在ですが、広大なスペースを管理し切れない体力的な衰えが見られるシーンは多い部分は気になりました。モウチーニョ周辺を通ってバイタルエリアにいる相手に縦パスが入ることで一気にピンチになったり、釣り出されたところで奪い切れずにピンチを招くシーンは何回も目にしたことでしょう。

身体能力が高くなく、守備範囲が狭いのでそもそもモウチーニョに広大なスペースを埋めさせることがチームとして正しくないのですが、ネベスと上手く連携してプレスをかけるのか、リトリートするのかの判断の精度を上げたかったところです。

低い位置からゲームを作るのは上手いですが、足元の技術が卓越している割には高い位置でボールを引き出して得点に演出するようなプレーはあまり見られません。純粋に運動量があまりないので、左右の動きに加え長いスプリントを含む上下の動きも求められるウルヴズでファーストチョイスとしてフルシーズン戦うことを求めるのは非常に酷でしょう。

ネベスの退団がほぼ確定し、デンドンケルの去就がわかりませんが、重要なローテーション要因として契約延長をしてほしいですね。ローマの噂も出ていますが、モウチーニョがいないと中盤は枚数が足りなくなってしまいます。後述するカンドルもまだまだ経験値が少ないですし、豊富な運動量が求められる中盤において頭数が足りない事態に陥ることは避けたいです。

来季は契約延長をしてスカッド入りし、カンドルとプレー時間を分け合うことでプレー時間を制限して、より短い時間で高いパフォーマンスを発揮してほしいです。今季のような使い方は来季は避けたいです。

Luke cundle

ユースから上がってきた期待の星です。細かいタッチでボールを保持でき、主に短いパスでリズムを作れる選手です。u23の試合を見た感じ、狭いスペースで受けることも厭わず、少ないスペースでもアジリティを活かしてボールを繋いでいける選手です。ウルヴズに必要な中盤はこのような選手よりも、運動量豊富でピッチを縦横無尽に動き回れるプレイヤーなので、現体制では使い所が難しいですが、1年で全ポジションを補強する余裕はないので、上手くカンドルをローテに含めて使っていきたいところです。理想はカンドルの部分も補強し、カンドルのスタイルに合う良いローン先を見つけ、実力と市場価値を上げて戻ってきてほしいところですが、お金は無限にはないので、来季出場時間を得ることでしょう。

chem campbell

カンドルと並んで期待される新星です。u23では別格の存在であり、来季はローンに出されることでしょう。アジリティとドリブル技術に優れ、体も大きく足先のテクニックだけではなくフィジカルを使いながらボールを保持するのが上手いです。シャドーやトップ下に適性があり、ラストパスを出す能力に秀でているというよりは自らが積極的にシュートを打っていくタイプです。ウイングの位置でもプレーはできますが、スピードがあるわけではなく、縦突破せず中に切り込んで周りと連携してゴールを目指すプレイヤーです。

トップチームにはあまりいないタイプのプレイヤーなので面白いですが、ウイングはすでに飽和状態であり枠も出場時間も得られそうにないので、来季はローン先で評価を上げてくれることを願いましょう。

Pedro neto

昨季の怪我により今季の出場時間を稼ぐことができませんでしたが、最もビッグクラブに近い選手であることは間違いありません。現在ではこの年代のトップレベルの選手であり、数年後にはかなりの額で移籍する確率が高いです。

トップスピード、加速ともに素晴らしく、大外のウイングに張った位置から縦にドリブルで相手を抜いていくのが最も得意なプレーです。2トップの低い位置でボールを引き出すプレーも上手く、この若さでこれほどたくさんの選択肢をもってプレーできる選手は中々いないでしょう。攻撃面で違いを作れる選手でありながら、守備にも走ってくれる選手です。守備能力自体は高くありませんが、危険な相手をイエロー覚悟で倒す等のある種のクレバーさも若いながらも身につけており、然るべき指導を受ければ一気に開花する選手でしょう。

来季は左ウイングのファーストチョイスとして素晴らしい活躍を披露してくれることでしょう。攻守に渡って頑張ってくれるのは嬉しいですが、今後の成長のためにも怪我をしないよう時には手を抜いてプレーする技術も身につけてほしいです。ネトが来季どれだけプレーできるかが勝ち点に関係することは間違いないでしょう。チームの順位を押し上げてくれることを願いつつ、成長も見守りましょう。

adama traore

ドリブル成功回数の話になると必ず出てくる縦突破専用の快速ウインガーです。縦突破に関しては世界一位であることは誰も文句がないでしょう。トラオレの問題点は、その武器しかもっていないということでしょう。また縦突破してからのクロスが精度が高くないので、ここをなんとか改善したいです。トップスピード、加速ともに世界トップクラスでありながら、スタミナがあまりないのか守備には消極的なプレイヤーであり、中々に使い所が難しいところです。

今季の冬にローンでバルセロナに出ていきましたがおそらく買取が行使されないでしょう。移籍前のウルヴズでは前半戦こそ出場時間を得ていましたが、シーズンが進むにつれて出場時間を減らしていきました。その影響でローンにて放出された選手です。そのような選手が来季また構想に入ることは考えにくいので、おそらく売却されることでしょう。今市場価値を見たら、€28mから€20mへと減少しており、筆者が希望的観測として述べた€30mでの売却は夢物語にすぎませんでした。€20mでも十分なので、頑張って換金して来季のスカッドへの資金にしたいところです。

Daniel podence

大外に張って仕掛けるウイングではなく、狭いスペースで受けて違いを作る、トップ下のような役割での起用が最も輝く選手です。アジリティは素晴らしく、トップスピードも素晴らしいですが、独力で相手を抜き去る技術には秀でているわけではありません。テクニックに優れており、フェイントをかけて相手に足を出させてクロスを上げる等、抜き去ることはしませんが相手を剥がすプレーは絶品です。使われるプレーではなく味方を使いながらボールを動かす能力に長けた選手です。

来季もスタメンと控えの間で多くの試合に起用されることでしょう。上手い選手なのは間違いありませんが、今のところ上手い止まりで、よりゴールに絡んでいけるプレーが増やせると良いでしょう。

Francisco trincao

持っている能力は間違いないのですが、独力で突破して違いを作ることが求められていたウルヴズには今季合わなかった選手でした。買取が実現しなさそうなのは、今後数年に渡ってウルヴズが笑われる要因になるでしょう。

トップスピードこそあまりないものの、相手の体の向きをみて逆を取りながらスルスルとドリブルしていく姿や、低めの位置から素晴らしいフィードで逆サイドのウイングに展開する力、大外から内側に入ってギャップで受け、前を向いて仕掛けることも細かいワンツーで崩す力、序盤~中盤にかけてゴールにはならなかったものの、独特のリズムからコースを狙ったミドルレンジのコントロールシュートといい、なにかをきっかけに化けることは間違い無いでしょう。スケールのデカさを随所に感じます。

ビルドアップが整備されているチームに行けば一気に評価を高めることでしょう。ウルヴズで短い時間ながら彼のプレーを見ることができて幸せでした。

ウイングの位置ではなく、高めのインサイドハーフやトップ下としてでも活躍してくれるでしょう。もってるプレーの水準が高いです。バルセロナ時代には絶対王リオネルメッシの前でも強引にシュートを打つ姿もあったらしく、見かけによらず強いエゴを持っているのも面白いです。

トリンカオが素晴らしい選手になることを他サポとして楽しみにしております。

hee-chan hwang

トリンカオとともにレンタルにてやってきたFWです。加入当初は素晴らしい活躍を見せたものの、シーズンが進むにつれて評価を下げた選手です。スピードもそこそこあり、守備にも奔走してくれる姿は素晴らしいのですが、ウイングとしてはインパクトの薄い選手です。突破力もないわけではなく、降りてきて受けるプレーはうまいのですがその後のプレーがいまいちで、出場時間の割にこれといったプレーが思い浮かばないのも残念です。

器用貧乏という言葉がピッタリであり、ウイングの位置で起用するよりはセカンドストライカーとしての役割が最も活躍できるでしょう。ただ€16.70mの移籍金で獲得した選手としては悪くなく、補強としては素晴らしいとは言えないものの、悪く無い取引をできたと思います。

来季はポデンセと同じくスタメンと控えの狭間でコンディション次第で出場時間が変わるでしょう。よりゴールに近い位置でプレーする時間を増やしてゴール数を増やしたいところです。

chiquinho

冬の市場で獲得された若手ウインガーです。クロスが上手くなく、恵まれた体躯とスピードを活かしたドリブラーと思っていましたが、200mで3アシストをクロスから記録するなど、筆者の見る目がなかったことを教えてくれました。移籍するであろうトラオレの後釜を継いでほしいですね。現時点ではトラオレほどの縦の突破力はありませんが、代わりにクロスと守備の積極性は勝っており、期待感は大きいです。

来季はローンにて放出される可能性も報じられていましたが、短い時間でもトップチームでやれることを示していましたし、個人的には来季もウルヴズで見たい選手です。とはいえウイングはネト、ポデンセ、ヒチャンと3枚が揃っており、ゲデスなどポデンセ、ヒチャンに代わるスタメン級のプレイヤーの噂も上がっているので、仮にウイングが獲得されるようならローンに出されることは間違い無いでしょう。

来季はどこでプレーするかはわかりませんが、自らの価値を証明してくれることでしょう。実力と評価を大きく上げてくれることを願いましょう。

raul jimenez

大怪我から復帰を果たしたエースです。体を張ったポストプレーは素晴らしい瞬間があったものの、シーズンを通しては低調なパフォーマンスだったと言わざるを得ません。不用意なカードが早い段階での退場に繋がったり、交代拒否をするなど、チームを厳しい状況に晒す行為はなるべく避けてほしいものです。

攻撃面で違いをあまりつくれなかったのは残念ですが、5-4-1や5-3-2で守ってる際に、相手の中盤にプレスバックするシーンが少ないのは非常に残念でした。守備免除は、メッシやロナウドなどの神のみが許された行為であり、守備の上手い下手はあるにせよ少なくとも守備に走る行為はしなければいけません。ここを疎かにしてしまえばチームの攻撃時間は少なくなります。来季はこのようなことがないことを願いたいです。

といったものの、来季に契約満了を迎えるヒメネスが今夏に売却される可能性は大いにあるでしょう。今季のチームの課題は得点力不足であり、まず問題視されるのは最前線で起点を作ることのできなかったCFでしょう。運動量の落ちているヒメネスを契約満了まで使うのが得策とはあまり思えません。今夏に売却して実績のあるストライカーを連れてくるのが良いと思えますが、まだ具体的な噂が上がっていないことから来季もスカッド入りする可能性は高いです。

今後の動向を見守りましょう。

fabio silva

€40mで獲得された未完の大器です。筆者も厳しい意見を吐いたこともありましたが、まだ19歳の若者であり、成長過程にあります。

サイズもあり、体を使ったキープは下手ではないのですが、全くもって武器といえるほどではなく、スピードも標準程度であり裏抜けでチャンスを呼び込める選手でもありません。どれもこれからに期待するとして、チームの勝利に貢献するとなればやはりポストプレーの精度向上が最も近道だと考えられます。CB裏にパスを出せる中盤がおらず、スピードは先天的なもので飛躍的な向上が見込めないので裏抜けが上手くなったとてチームの勝ち点に繋がる可能性は低いです。

CB陣の長いボールや中盤からの縦パスを収め、ウイングや前を向いた中盤に預けるプレーが増えると良いです。まだまだ若いですから、来季には出場時間を増やして€40mの価値を少しでも見せてほしいです。知らない実績の少ない若手を獲得するぐらいなら、ファビオシウバの出場時間を伸ばして覚醒に賭ける価値はありそうです。

長々と書いてみました。売却するべき選手は新天地での成功を願いしっかりと売却し、補強するべきポジションにしっかり補強をする。1年で飛躍的に強くなることを目指すのではなく、毎年一貫性をもった補強と売却、契約延長を繰り返して着実に堅実に強くなることを目指したいです。

また次の記事でお会いしましょう。



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