AIが書いた論文と人間が書いた論文の違い
長年、大学受験予備校で小論文講座を担当し、20代のときから情報公開や個人情報保護に関する論文・書籍をたくさん書いてきました。「読む」「書く」「話す」ことを生業としてきた経験や視点から、AIが生成した文章に対する疑問や違和感があります。
瞬時に文章を書き上げるAIの能力は本当にすごい!です。遅筆であちこちに詫びている自分からすれば、まさに人間離れした神業です。そのスピードがうらやましい!…でも、人間が書いた文章とは何かが違うんです。
では、AIが書いた論文と人間が書いた論文の違いとは何でしょうか?この疑問をChatGPTに投げかけてみました。すると、瞬時に以下の答えをいただきました。今回はスピードだけでなく、自己分析の的確さと正直さにも驚かされました。
ここでいう「違い」とは現段階におけるAIの難点・課題であり、「弱み」ということもできます。ここまで的確に自身の「弱み」を認め、さらけ出すことは、人間にはできないかもしれません。ただ、最後のくだり「人間以上の効率を発揮することがあります」には、AIの自負が表れています。そこに人間臭さを感じました(笑)
さて、この解答には含まれていないAIの難点・課題を見つけました。それは「正解」を「選べない」ことです。問いは「一番の」違いを求めています。このように列挙して、それぞれを説明するではなく、5つの選択肢の中から「一番」重要なことを選んで欲しい…それが問いかけの趣旨でした。
そもそも「選ぶ」ことは自分自身にとっての意味や価値を見極めることです。その有無や程度を見極めるべく、あれこれ悩み、考えるのが人間です。その結果、最適解にたどり着くこともありますが、逆に最悪解を選んでしまうことも少なくありません。また、何を「正解」とするかはTPOによって大きく変化します。さらに、「正解」をめざして悩み、考える「過程」にも意味や価値があります。
何事も「選ぶ」のは「わたし」という主体です。それを欠く(かもしれない)AIが「選べない」のも仕方がないことなのです。受験生だけでなく大人が書く論文を読む機会があります。最近気になるのは、マニュアルに影響されたのか「第一に、第二に、第三に…」と選択肢を書き連ねるものが多いことです。「正解」を「選べない」さまに、人間のAI化が始まったんだろうかと感じることがあります😅
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