ピンクとわたし

物心着く前から、ピンクという色が好きだった。
途中、水色に浮気したこともあったけど結局ピンクに戻ってきた。今の黒ずくめな私とは大違いだ。
ランドセルだってピンクがよかった。でも私が買ってもらったのは赤色。同級生のピンク色のランドセルは6年間、私の憧れとなった。
ピンクより黒が似合うとわかった大人の私は、黒い服ばっか着る。それも好きなんだけど。
でも今ふと部屋を見ると、所々にピンクが居る。
私は無意識に、あこがれのピンク色を選んでしまっているのかもしれない。
ピンクって、ただひたすらかわいい色。
昔のなりたかった私は、そんなピンクが似合う女の子。なれなかったけど。小学生の時、全身ピンクの服で登校したことがある。でもきっと似合ってなかったのだろう。今でもほんとはピンクが似合う女の子が羨ましい。
いつから黒が似合う女の子になったんだ、私。
そんな今でも未練がましくピンクの小物を持っていたりする私。
ピンクが似合う女の子はかわいい。そうじゃなくてもかわいいけど、ピンクが似合う子は特別にかわいい。ピンクという色そのものを自分の武器として纏っているようで。
ピンクの持つ、「かわいいの魔法」は私にかからなかったのかもしれない。
けど、それでよかった。憧れは憧れのままでいられるから。綺麗な、尊い記憶として残ったから。
それに、黒が似合う自分もなかなか悪くは無いと思ってるし。そうやって、変化を受け入れながら生きていくしかないのかもしれない。
それでも、やっぱり諦めきれなくて。
今日もピンク色のメンダコのぬいぐるみを抱きピンク色の淡い夢を見る。

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