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これが愛ではなくて、何なのだろう。


プロローグを見た時に
一番強く、感じた感覚

羽生くんが、何かに
怖れている、畏れている、、?

そんな印象を

笑顔の時も
めっちゃかっこよく決めてる時も
常にどこかに感じていた


自分が当時書き留めた感想を読む

私がその印象に対して受け取ったものは

ひとひひとりの心、、宇宙と
向き合うと決めた、その覚悟



まだ羽生くんが現役の頃

天と地とを滑り出した頃かなぁ。。
コロナ禍に入った頃からかな。。

羽生くんの話す言葉に
今のは一体、
どういう気持ちで話したのだろう?と
心が留まるものが
少しずつ増えた

始め、
それらの言葉に気が付いた頃
その言葉たちを届けたい先にいる人々は

特別羽生くんを応援している、
好きでいる人たちではなくて

ふとTVをつけたら
たまたま羽生くんのスケートを目にした人々の様な
その人と羽生くんの人生が、一瞬だけ交差する様な

そんな人たちへ向けての
言葉だと受け取っていた


いつからだろう
それらの言葉の中に
旅立ちのイメージを感じ始めたのは

ひととき、ここに立ち止まり、
また進んでいく人々とは違う

ずっとそばにいてくれた
羽生くんにとって
とても大切な人々

その人々の行く道に
誠心誠意の想いを伝えている

そんな感覚を感じ始めたのは


もうひとつ

「羽生結弦」と、羽生くんが自分を呼ぶ時にも
以前とは違う印象を
私は感じ出していた

初めの頃は、
羽生くんと羽生結弦は
ひとりの人の中にいる同じ存在だった

でも段々と
「羽生結弦」と羽生くんが語る時に
その中に生きる無数の人々の存在を
感じ取る様になって来た

「羽生結弦」の中に
多くの人々が溶け込んでいる。。
それを、私は
想いの翼というマンガで表現した



ずっと不思議だった。。

羽生くんが生きて来た、
羽生結弦という存在の人生を

羽生くんは、
何故こんなにも深く振り返り
何度も、伝えてくれるのか?

コンティニュー
プロローグ
GIFT

自分の存在とは全く違うコンセプトを立てて
別の物語世界を見せることだって出来たのに

何故それをせずに
自分自身を使って
自分の人生そのものを
物語にして
見せてくれているのか

自分自身を物語にするということは
どこにも逃げ場が無いと、私は思う
どんな反応も感想も批評も
全て個人にダイレクトに響いてくるから

なのに、何故
こんな茨の道のような
表現方法を取るんだろう?と
ずっと不思議に思っていたんだ

でも。。

気付いてしまった


集大成のGIFT

羽生くんは
羽生結弦が私たちの夢である、ということを、
分かっていたからなんだ、と


私たちにとって
羽生結弦という夢は、

希望
生きる原動力
存在意義
憧れ
命の糧、、

ずっと、共に生きて来た、夢


GIFTの主人公にも
私たちが羽生結弦という夢を持つように
ずっと共に生きて来た、夢があった

その夢と
共に歩き

共に泣き
共に笑い

共に楽しみ
共に苦しみ

できない
それに成れない
ひとりだ、と感じても

それすら、夢は、知っていてくれた

そうして、夢は、

主人公に、終わりを、くれた


夢から解放され
ひとりを感じる主人公

寄る辺もない
道標もない

「ひとり」ただ、存在する自分


その闇を
ひとりを

味わい尽くした時

聞こえ始める、声たち。。

ずっとそばにいてくれた
語りかけてくれていた

いなくなったと思っていたけれど
ひとりだ、と、思っていたけれど

無くなってなんか、ない
ずっとそばにいてくれた

お帰りなさい、僕の夢





気付いてしまったら
涙が止まらないです

羽生くんは、ずっと言ってた
これはみんなへの贈り物だと

羽生結弦の存在が
みんなの夢であることを
こんなに理解して
受け止めてくれる人なんて
羽生くんしか、いない

夢が終わりを告げ
心が闇に沈むその苦しさを
途方もない孤独と、暗闇を

羽生くんは
羽生くん自身を開示して
羽生くん自身で表現して
羽生結弦という夢を通して

夢が終わることで
私たちが感じるものを

夢の種類は違っても
自分の体験を通じて

同じ様に
闇や孤独やひとりであることを
共に、味わってくれていたんだ

そして
どんなに苦しくても
闇に堕ちたとしても

ここにいるよ、
今はいいんだよ
辛くて、泣きそうになっていいんだよ、って

そのスケートと
紡がれる言葉たちとで、
全身全霊で伝えてくれた

だからこそ
物語が「羽生結弦」でなければならなかったんだ

そして
終わりを告げるのは
他の誰でも無い

羽生結弦、その人からでなければ、ならなかった


私たちの夢、羽生結弦でなければ



自分の闇を追体験するだけでも
何という、過酷な作業だろうか

今だって私は
この胸に出来た空っぽの部屋。。
この空間に、
羽生くんのように
ドアが付いているのかさえもまだ、
見渡すことが出来ずにいる

夢から終わりを告げられて
胸に開いた、空白の空間を

見つめ続け
問い続け
それを言葉に起こし
形にして

鍛錬して
推敲して
錬り上げ

人の心に届く形となるまで仕上げること

この、一連の作業が
どれ程大変なことか

どれ程そこに愛情がないと出来ないものか


今、
気持ちを言葉に起こすことすら辛かったり
自分が何を感じているのか知るのが辛くて
なかった様に平静を装ったり
怒りや苦しみ、寂しさ悲しさに翻弄されて
その奥にある
愛して愛して、愛していた自分を
抱きしめることすら、出来なくて
もがいている人が沢山居ると思う

羽生くん自身が
GIFTの中で明かしてくれた
彼の持つ闇、苦悩

夢を持った人だからこそ
知る事の出来るものたち

そんな闇を羽生くんは、
羽生結弦という夢とともに
一緒に生きて来たファンへ

追体験しながら、表現へと昇華する、
この途方もない産みの苦難を越えて

私たちに、届けてくれた
他の物語に逃げることなく

羽生結弦という

夢、そのままに

私たちの感じるであろう
痛みも悲しみも切なさも愛しさも全部
全てを背負って


。。すごいことだと思った
これが、羽生くんからの愛ではなくて
何なのだろう?


だから
私は、

夢がくれた、終わりを
ちゃんと受け取りたい

そして、
ひとりを感じ切らなければ、と思う
私という、「ひとり」の存在になるために
どんな想いも味わい尽くす

その先にきっと待っている

お帰りなさいと、声かける


私の夢に、出会うために






心を、羽生くんに溶かすと

どこまでも
どこまでも

羽生くんが溢れてくる

羽生くんが大好きな想いが溢れてくる

一体となった心地よさは
離れ難い感覚を心に残す

だけど私は、私なんだ

私も羽生くんと同じように
ひとりの生きる人、なんだ

夢とともに生きているけど
私を生きるのは、私なんだ

ともに、という言葉

それは、同化ではなくて

委ねるものでもなくて
すがるものでもなくて

ともに、在る、ということ


だから私は私を生きるんだ








読んでくれてありがとう

では、またね

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