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ひとりの、生きる人。(過去ブログ再掲)


過去ブログ再掲

2016年
盛岡エキシビションに行った時の話、最終話




羽生くんの過ごして来た町を歩きながら
感じていたもの





SEIYU駐車場
広く抜けた空

初めて来た土地だけれど
すっと肌に馴染む感覚


静かで
とても住みやすそうな町だね

そう仲間と話しながら
スケートの後
少し町を歩く


アイスリンク仙台の側を通る大きな道路は
通行量が割と多いけれど

一つ道を中に入ると
戸建てやマンション、アパートが沢山立ち並ぶ閑静な住宅街が広がっている



坂を登り町を味わう
時折、友と遊ぶ子どもたちに出会う
小学生かな
塀を登ったりして冒険ゲーム?楽しそう

夕方の光に照らされる町は
とても静かで柔らかい


ここで育ったんだね
ここから世界に出ていったんだね

少し視界の抜けた
町を見渡せる場所で
仲間たちと話す

TVで目にする戦いと
この土地の優しい印象が
胸に、言葉に出来ないコントラストを描き出す



普通の
一人の
青年なんだなぁ

あらためて
そう思った

この空気に似たところを
きっと羽生くんは持っているんだろう

何故だかそんな気持ちになった




新しい家が多く立ち並ぶことに
後で気がつく

アイスリンク仙台を訪れた時
羽生くんが語る震災を思い出していた




このアイリン前の道が
あんな風にいびつに歪んだあの日

この住宅街も
壊れた場所が多々あったのかもしれない

この静けさとともに感じる
優しさや柔らかさは
この土地の人々の発する思いが
作り出しているのかなぁ

そんな事を考えていた




仙台駅に戻る
この日は成人式があったのか
スーツ姿の男子、着物姿の女子が多数見受けられた

友人たちと賑やかに話しながら歩く若者たち
二次会どこにする?とか
これからの予定を話す声が聞こえてくる



仙台の町は大きく綺麗で
お店や遊ぶ場所も沢山ある

アイリンに行き
そしてこの風景を見ていたら
羽生くんを思い出して仕方なかった


羽生くんと一つしか違わない若者たち
目に映る彼らの後ろ姿に
羽生くんを重ねて見ている自分がいた

一人でゆっくり買い物をしたり
友と町を歩いたり、ご飯を食べたり

この生まれ育った仙台で
出来ているのか
出来るのだろうか
羽生くん

今まで想像していたよりも、ずっと
羽生くんは
色んなものを節制し、律し、
スケートと向かい合っているのかも知れない、と感じた
王者になること、それは必然だ、と思った


アイリンのある、土地の雰囲気を思い出す

スケートに出会って
スケートを好きになって
あの場所で
小さな頃から練習し、生きてきた彼

思いを育て
身体を作り
技を磨いて

悔しくて泣く事もあっただろう
喜びにあふれた事もあっただろう

ご家族や
周りの方々
環境や応援してくれるみんなへ
羽生くんがいつも感謝をする姿

それも、彼の胸の奥から
自然と沸き起こる想いなんだと感じた

町を行く若者たち
彼らが過ごす時間の流れと
確かに違うだろう

けれど
それぞれの人が
各々、その時の最良の時を過ごしている
羽生くんも
瞬間瞬間、自分が一番と思う道を選んで
今を生きている


仙台の町を
ゆっくり歩けなかったとしても

彼は彼が良いと思う未来へ、今も歩いている








自分の書いてきた過去ブログを読むと
当時の記憶が鮮明によみがえって来る

その想いに癒されながら
暫し、痛みを忘れるのも良い

でも、その想いの心地よさで
今感じているこの心の感覚を
無かったことにしてはいけない

有耶無耶にして
目を逸らしてはいけない

心の奥底に
沈めてしまってはいけない

突然、そんな気持ちが湧き上がって来た



読み返していて、思う
私は、ずっと知っていた、気付いていた

羽生くんは
私たちと変わらない、
ひとりの人であるということを

ずっと私は自分自身で
幾度も言葉にして来ていた
羽生くんは
ひとりの生きる人だということを


私は
私に帰らなければ


私の帰りを待つ私が居ることを、
私はずっと知っていた、気付いていた

羽生くんと共に旅した日々
羽生くんに心開き、心を預けて
我が事のように思い馳せた日々

こんなに心寄せて
思い馳せた人が居ただろうか?

言葉、ひとつひとつに
行動、ひとつひとつに

心寄せて
思い馳せて

大切にして来た
いつも思っていた

時にそれは
私自身のことよりも深く


そんな私を
私は知っていた

知っていながら
待っていてくれた

非難することなく
止めることもなく

ずっと待っていてくれた


そうして、私の心は
私へと、帰って来た

羽生くんに預けていた心


私が戻って来たことで
私は、ひとり、を実感した

ただここにいる、ひとりの私という存在を

私という存在は

こんな形をしていたんだね




振り返れば思い出す
数々の想いたち
それは、かけがえのないもので
ずっと大切に持っていたいもの


だけど過去の自分に同化して
今の心を見ることをやめれば
私の心は永遠に
過去に留まってしまうだろう


私の心に、空間が生まれたのが分かる

この空間は
羽生くんがくれた、贈り物だと思った

私の心をこんなにも広げてくれたんだ

この空間の、深さ、広さは
羽生くんが作ってくれたもの
羽生くんが教えてくれたもの

何もない、空っぽの空間

だけどそこに、
確かに何かが、存在している
空っぽだけど、沢山の想いが満ちている

不思議な空間

まるで
羽生くんのロンカプを初めて見た時に感じた
想いの海のような、

生まれる前
様々なものが溶け込んだ、あの
想いの海のような空間

あるけど、ない
ないけど、ある

そうして、それが、私の形を作っている



一報を知った時
解放された感覚があった

預けていた心を、
羽生くんが解き放ってくれたんだと思った


ずっと、
好きになってからもう何度も言葉にしては
出来ていなかったこと

『私は、私を生きなければ』

私は、帰ってきた私とともに

ひとりの、私になって

私を、生きよう

そして、そのひとりの私から

羽生くんを見たい、と思った


私は、ひとりの私として、羽生くんを好きでいたい




今感じる想い
ほんの少しだけだけど
書けた気がする

色んな想いが
生まれては消えていく

言葉となって
見えて来るものも
泡のように
消えていくものもある

世の中が、どんなスピードで進んでいっても

私は、私を大切にしようと思う

羽生くん大好きー!も、
切ない気持ちも、複雑な想いも、
私の中の大事な、私を作るもの

私って、何だろう?
羽生結弦って、何だろう?

こうして問いが生まれるたびに
ひとつ、新しい世界が、広がる

これこそ、
羽生くんに出会えたから
知ることの出来た、世界

色んな想いをくれて
私の心を大きくしてくれた

ありがとう、羽生くん
私を私に帰してくれて

羽生くんの心に寄り添うように
私は私の心の声を、聴いていく

羽生くんを大切に思うように
私は私のことを、大切にする





長文、読んでくれてありがとう

おやすみなさい


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