負け犬入院体験記 #3 九日目・なにも考えられない

※pixivFANBOX無料ブログ記事の再掲です。

 今日はとっくになにもない日だと思う。暇だ。すさまじく暇だ。
 しかし、小説の続きを書こうという気にもならない。書いてもいいし書くべきだとも思うが、どうにもうまく考えられない。
 何故かはわからない。とりあえず、ちょっと異常らしいことはわかる。
 ……難しいことが考えられない。
 昔はよく難しい哲学のことについて色々と論じれる程度の頭はあったと思う。高校生時代の僕はいまより断然賢かっただろう。
 いまはどうか。
 まず、難しいことを考えようとすると頭がエラーを起こす。
 たぶん考えられなくもないんだろうが、ぼうっとしてなにも考えられないことのほうが多い。頭にもやがかかったように、頭が回らないのだ。
 第二に、すぐ忘れる。
 昨日の夕食の内容さえ覚えてない。感情なんて刹那で消えるので、覚えようがない。
 というかもう既に最初になにを思ってこの文章を書き出したのか忘れてる。
 小説のプロットだってそうだ。昔は書かなくてもなんとかなったが、いまではもう書かないと覚えてられない。
 僕は昔に比べて退化したと思っている。頭がパーになったと思う。端的にいえば、ボケた。
 刹那の感情でしか文章を書き綴れない。
 死にたくなるほどには、歯がゆくてたまらない。
 たぶんこの先、なにをしても衰退していくばかりだと思う。
 どうせこの感情すら風呂にはいって飯を食えばリセットされるのだろう。以前死にたくなったときもそうだった気がする。
 早く飯が食いたい。腹減った。

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