小説×詩『藝術創造旋律の洪水』[chapter:≪ハル/TEU【蝶】の章④≫―己に嘘をつくな。己に素直であれ。己を放棄せず己を見据えよ―第22話]

ローマは一日にして成らず。
忠告というものは滅多に歓迎されないものだ。しかも、最も必要とするヒトがいつもその「自分にとって見たくないモノ、聞きたくないモノ」を敬遠する。これは仕事、藝術、スポーツ、そして人としての成長なんにでもいえる。プライドなんてそこらの畦道にかなぐり捨て、自分は真っ白だ、スポンジだと一度ゼロになり、一歩ひいて自分を客観視し、分析してみよ。
なんでも貪欲に吸収してやろうという誠意も意気込みも見られず、「自分には才能がない」だの自分の成長の邁進さに磨きをかくこともせず、ヒトを貶めることで自分の今の宙ぶらりんの立ち位置を蜘蛛の糸のごとく捕獲してるような人間の浅ましきことよ。

「一生懸命」、「真剣」、「素晴らしい」とは何だ?ヒトは自分との闘いであることを暫し忘却の彼方に追いやり「無駄な時間」で自分の人生を消化する類の人間が多すぎはしないだろうか。

『悔しい』 『腹が立つ』 『五月蠅い』

ならばその頭で考えてその感情をエネルギーの根源にし、人畜無害に一心不乱に努力せよ。

どんな人間も「個性」というその人間しか持たない宝石の原石があるのだ。その原石の存在を知らずして、他人の評価というものに寄りかかりすぎ、自分を信じ抜き自分と真正面むかいあって闘いを放棄してしまうことがどれほどの破産か理解できるだろうか。
普通の人間はここで比較したがる。私は前に創造の世界には優劣など存在しないといった。無邪気に天真爛漫にはしゃぎわまって童心に戻って発明家になる。自分の描きたいものを絵の具やクレヨン、チョークで殴り描く。必死になって泥んこになって公園の砂場で砂山を創る。おままごとで空想の世界で家事を知らずうちに学びお人形さん遊びで他者への愛情をしり、思いやりを知る。
こどもたちの創るアートはどうしてこんなにも活き活きしてたり、ヒトの心を揺り動かすのだろう。
こどもたちは「エネルギ―」で満ち満ちている。なぜなら「牢屋」を知らず自由の鍵そのものだからだ。
歳を食うと様々なステレオタイプで身動きが取れなくなってしまうのは、自分で自分の心に牢屋というもので自分の「夢」や「希望」を幽閉しているのだ。その牢屋の鍵を持っているのは誰でもなく自分自身なのだ。ヒトは何故か自分以外の何かに理由や言い訳というものを編み出し、愚痴を吐き、責任転嫁という自分というリアルから逃避する。
責任転嫁をするな。自分から逃げるな。自分の状況がよくないときこそがチャンスであることに気づけ。
自問自答せよ。飼われぬ強さを抱け。世の理の白黒に首を傾げて推敲せよ。
考え抜いた答えで突き進め。心が弱くなっているときこそ「孤高の孤独」を愛し、創造せよ。

恥ずかしがりでも自信がないとか、評価を気にしすぎては何もできなくなってしまうだろ?そこから勇気を振り絞り、一歩踏み出し「自分という原石を磨き上げる」、「優しさと包容力をもって誰かを笑顔にする」、「誰かの心を動かす」とはなんと「素晴らしい」ことだろう。恐れるな。自分を自分で育て上げよ。歩き続け。スランプの時はじっと耐えよ。何故スランプになったのだろうか。それをきちんと分析することは必ず自分に報酬として舞い戻る。自分以外の評価などに振り回されている時間ほど無駄なものはない。
すぐに切り替える術を身につけよ。そんなノイズに執着しだしたら己の研鑽とは程遠いところに吹き飛ばされてしまうのだ。

「感動」とは何だろうか。大地と天空が産み出した地球の造形は素晴らしい。人間というものが創り出すもので「感無量」になるときとはどういう時だろうか?その時のキミの心情を分析してみよ。

ヒトという同じ生き物で何故資本主義では優劣がつけられ富豪と貧乏、人生の豊かさと貧相さの違いがでてくるのだろうか。やはり毎日の日々の積み重ねが、自分の人生という巨大なアートワークの創造へと繋がるのだ。

宇宙には右左上下もなく、時間という概念もなく原子も微粒子もx軸、y軸、z軸の三つでできる三次元では現代物理学では説明できない逆方向に時の方向が流れる場所が必ず存在する。ただ、それを立証する数式や証明をたたき出す人間は未だこの地球という惑星にはいない。
この惑星は時という概念が古代にできてから、過去から未来へという一方通行の流れの概念ができてしまっている。しかしヒストリアスなものは存在するのだ。可逆的なモノは確かに存在するのだ。それは自分の人間というナマモノだ。

後悔先にたたず。失ってから気付くのは遅い。失う前にキミは自分と対話せよ。
孤独というものは実は存在しない。
自分というオリジナルとコミュニケーションをする。そういう時間を大切にできる人間こそが頂きの光を望めるのを忘れずにせよ。
己に素直になり、決して己に嘘をつくな。汚いものを隠すな。
真の己と対峙せよ。

山あり谷ありの険しい道、いつでも己を破棄うことなく進み続けよ。
藝術を生業とするものはこの時代だからこそプロ意識を気高く持ち続け己と闘い続けよ。
この世は全て藝術だ…

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