画面の向こうから観るものを試すギャスパーノエの中編 - ルクス・エテルナ永遠の光


もはやベティブルーの〜というよりは屋敷女の〜といった方が通りがよさそうなベアトリス・ダルと、セルジュ・ゲンズブールの娘であるシャルロット・ゲンズブールのダブル主役。

ベアトリス・ダルが本人役で魔女狩り映画の監督をやるがスポンサーや撮影監督には降ろされかけ、シャルロットもまたトラブルを抱えながら撮影に臨む。現場には映画に関係ない連中が出入りしたり、出演者の無駄話と愚痴が繰り広げられどんどんカオスな雰囲気になっていく。画面を2つに割って同時進行させるのはよくある手法とはいえ、情報が錯綜し、相当混乱させられる。

色彩も独特。てんかんを誘発するような惨たらしい場面は閲覧していてきつかった。音楽はノイズというか池田亮司のようなタイプの音響で大音量だと三半規管がイカレること必至。50分の映画なのにかなり疲れた。これは画面の向こうから観るものを試す体験だ。映画よりむしろ洗脳かVJ付のクラブイベントに近い。

ギャスパー・ノエは毎回賛否両論の作品を撮っている。今作はその期待に応えるどころか新しい次元へいってしまった。


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